Saturday, June 28, 2008

June27,08 @ NYM W9-0

Ponson leads Yanks
Box Score (MAJOR.JP)

アル中と苛め

この日の先発は獲得したばかりのポンソン。ちょうど2年前にも、まったく同じ状況で先発したことがある。ぱっと見たところ、今季の成績は悪くない。球が速いのは分かっていたので、活躍しそうな気もする。そう思って調べてみると、やはりオチがあった。

シドニー・ポンソン 4勝1敗 防御率3.88 投球回55.2 与四球16 被安打率.307

見ての通り、被安打率が異常なほど高い。勝ち星がアテにならないとは常々書いているが、このイニング数では防御率も同じ。相手の拙攻に助けられただけで、5点台でも不思議ではない。投手力の低いレンジャース(*1)が手放すのも合点がいく。(*1)チーム防御率は4.90でリーグワースト

結果的には無失点に抑えたが、とても褒められたピッチングではなかった。制球が悪く、変化球は曲がらない。球速(94マイル)こそ出ていたものの、今回は参考外だろう。あえて例えるならホーキンスが近い。

井川、わずか20時間で再びマイナー降格
井川わずか1日でマイナー逆戻り 23歳右腕が昇格

理由をさておき、これに関して気になったことがある。最終回に登板した井川は、試合終了後にハイタッチ。珍しく笑みもこぼれた。ところが出迎えたジラルディは、目を合わせようとせず嫌々触った程度。小中学生の苛めではあるまいし、いくら何でもこれはない。ポンソンのように飲みすぎたわけではないが、はっきり言って吐き気がする。

Video:
Daily Rewind Game Recap
Ponson's strong start

Friday, June 27, 2008

June27,08 vs NYM L6-15

Hurlers hampered
Box Score (MAJOR.JP)

オマージュ、大敗、神頼み

この試合に出場しなければDL入り。ある程度予想はしていたが、やはり松井の名前はなかった。自分はヤンキースファンであって、松井がいなくなってもそれは同じ。多くのファンがそうなように、ワールドシリーズで優勝することだけが望みだ。

Matsui's Grand Slam 2003 Home Opener

そうは言っても、松井がいない試合は味気ない。応援に熱が入らないばかりか、ジーターやカノーが他のチームの選手に思えてくる。このビデオは、そんな松井に対するオマージュのつもりでアップした。削除される可能性もあるので、初めての人はお早めに。

試合の方は見ての通りの大敗。9打点を上げたデルガド1人にやられた格好だが、それ以上にヤンキースの投手陣が不甲斐ない。こういう日もあるとはいえ、そもそもホーキンス(*1)がモップアップをやっていること自体が問題。(*1)オフに中継ぎエースとして獲得

全投手-(先発+抑え)=中継ぎ

分業化が浸透した近代野球において、中継ぎ投手は余りもの。当然相対的な能力は低い。余りものな以上明確な役割はないはずだが、実際は抑えに繋ぐ橋渡し役として重要視されている。中継ぎ不要論など聞いたことがないから、もはや常識と言ってもいい。

5回無死満塁(スコア4-3):ガイス→ラミレス

これ以上先発を引っ張れば、大怪我しかねない。本来ならベラス辺りを出したいところだが、そうなると勝ちパターンになった時困る。ここはラミレスに抑えてもらって、後半に望みを託そう。ベンチの思惑は、おそらくこんな感じだと思う。

能力の低い投手を出しておいて、勝ちパターンもクソもない。ムシがいいというより、これでは単なる神頼み。ジラルディに限ったことではないが、どうして野球人というのはここまで程度が低いのか。

リベラ:22日以来登板なし ベラス:次の試合に9点リードで登板

予測不可能なことには対処しても、目の前の現実は放置。その結果が今回のような大敗であり、チーム力を生かせない原因にもなっている。アメリカは合理主義といわれるが、少なくとも野球には当てはまらない。

Video:
Daily Rewind Game Recap
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Joe Girardi on matui to DL

関連記事:Hot Stove 2008-5

Thursday, June 26, 2008

June25,08 @ PIT W10-0

First win for phenom
Box Score (MAJOR.JP)

2人欠けても10得点

このブログにはチェンバーレインという活字が頻繁に登場する。ざっと数えたところ、記事数にして40余り。デビューした時期を考えるとかなり多い。好きなタイプなのは事実だが、それ以上に特別な思い入れがある。

チェンバーレイン - Invisible Search

長い間野球を見ていると、潜在能力の高い選手はすぐ分かる。メッツ時代(現オリオールズ)のモーラや巨人の二岡。現在故障中のウォン。ちょっといい例が思い浮かばないが、初めて見た時のことは今でもよく覚えている。

関連記事:August7,07 @ TOR W9-2

そんな選手の中でも、チェンバーレインは群を抜いていた。100マイルに達する肩の強さとキレのある高速スライダー。これで21歳というのだから、魅了されないはずがない。今改めて読んでみたが、この頃から抑えでの起用には反対していたようだ。

先発初勝利のチェンバレン、「すべてがいい感じ」

低次元な勝ち星の話題はさて置き、成長の跡は随所に見受けられた。まずはカウントが悪くなった時に投げる抜いたストレート。狙い打ちされた場面はあったものの、これが四球の少なさに繋がっている。

2つ目は変化球。先発として投げるからには、単調な配球は通用しない。少なくともワンランク上を目指すためには、精度の高い変化球がもう1つ欲しい。この日確認できた球種は以下の通りで、スローカーブはかなりよかった。ただしチェンジアップは発展途上。

フォーシーム95 抜いたストレート90 スライダー86 抜いたスライダー78
スローカーブ70 チェンジアップ80 (数字は球速)

今月末からは、打撃力の高いチームとの対戦が続く。さすがに今までのようにはいかないはずで、真価が問われるとすればその時だろう。出来次第では打たれるかも知れないが、個人的には毎年サイ・ヤング候補になるほどの逸材だと思っている。

T.J. ビーム 投球回1.0 被安打3(HR2) 与四球2 自責点4 生涯防御率9.74

パイレーツの2番手は、かつてヤンキースに在籍していたビーム。熱心なファンなら聞き覚えがあると思う。当時から出れば打たれるの繰り返しだったのだが、なぜかベンチにいるという不思議な選手だった。

ビーム - Invisible Search

重要な場面でも起用するため、過去の記事を見ても酷評しかしていない。所詮トーリのお気に入りとかそんなところなのだろうが、本当の理由は未だもって謎。こちらの記事によると、今日付けでマイナー降格になるらしい。

Video:
Daily Rewind Game Recap
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Joba K's Michaels

Wednesday, June 25, 2008

June24,08 @ PIT L5-12

Rasner rattled
Box Score (MAJOR.JP)

野球という名のコメディ

今季のヤンキースには代走要員がいない。足の速い選手がいないのではなく、右打者(対左投手)や長打力に魅了されてしまう野球観がそうさせている。その結果ベンチ入りしたのはダンカンとエンズバーグ。両選手とも結果が出ず、出場機会は減っていった。

関連記事:Opening Roster 2008-2

まずはエンズバーグがDFA。すっかりベンチウォーマーと化したダンカンも、ついにはマイナー降格になる。ちっぽけな実績にしがみつくしか術がなく、いつまでもこんなことを繰り返しているようではお世辞にもプロとは言いがたい。

ヤンキースの控えに必要なのは俊足の選手。ダンカンの存在価値がなくなった時点で外野手に絞られるはずだが、実際はその控えさえいない状態。その一方で内野手の控えは2人。ただしゴンザレスに至っては、10日余り出場機会がない。

ジャスティン・クリスチャン 外野手 右投右打 28歳 55試合 .309 HR4 打点39
盗塁18 出塁率.360 長打率.455 (3A Scranton/WB)

この日レフトに入ったのは、マイナーから上がってきたクリスチャンという選手。数字を見る限り足は速そう。もっともこれはデーモンが出場できないためで、あくまでも暫定的な措置。期待した自分が甘かった。活躍したのでしばらくは置いておくかも知れないが、個人的にはガードナーの方がよく見える。

ブレット・ガードナー 外野手 左投左打 24歳 75試合 .295 HR3 打点29
盗塁29 出塁率.414 長打率.443 (3A Scranton/WB)

先発のラズナーは5回を投げて被安打10、7失点という内容。相変わらず球が高く、好投時にみせる左右のコマンドも機能していなかった。防御率は4.50まで跳ね上がったが、率直に言って今までが出来すぎ。最終的にはこの辺に落ち着くと思う。

「野球の平均得点は5点前後」

先日のペティット(10失点)もそうだが、試合が壊れるまで続投させた理由が分からない。内容がいいのならまだしも、この日のラズナーは4回までに被安打8(5失点)。出来が悪いのは明らかであり、続投させるのは勝負を捨てるに等しい。

関連記事:August20,07 @ LAA L6-7

逆にレッズ戦に初先発したガイスは、6.2回被安打4(投球数75)で降板。その後のブルペンがさらに4点を失い、勝負が決まった。信頼度の問題なのだろうが、結果論と固定観念に支配されていては好結果など出るはずがない。

「アメリカの銀行は事業内容に金を貸し、日本の銀行は会社名に金を貸す」

抑えたという既成事実は、内容が伴ってこそ意味がある。どんな球を投げ、どんなヒットを打たれたのか。他の判断基準は存在しない。これは野球に限らず全てに言えること。どれだけ立派な家も土台がないと倒れてしまうように、長期的な視野とはそういうものだ。

それにしても、投手11人体制というのはどうかと思う。一時的なものとはいえ、前述のゴンザレスを降格させればこんなことは起こらない。ラズナーを続投させた理由がブルペンの温存なら、それこそ自業自得。未だに捕手が3人いるのも理解に苦しむ。

「We Stunk」

試合後にこんなコメントを残したジラルディだが、本当に臭う(Stink)のは誰なのか。軽々しくWeなどと言わないでもらいたい。愚痴を言ったらキリがないので、今日のところはこのへんで。

Video:
Daily Rewind Game Recap
Joe Girardi Pregame Conference

Tuesday, June 24, 2008

Legacy Of Greatness

NY Yankees DVD promotion - NY Daily News

毎年どこかのタブロイド紙が、プロモーション用にヤンキース関連のノベルティーグッズを作る。大抵は取るに足らないもの(*1)だが、セットを揃えるには一定期間新聞を買わなければならない。(*1)去年は選手がモチーフになったメダリオン/New York Post


(C)Copyright Invisible KMFIS

今年はDVDの10枚組。最後のヤンキースタジアムということで、歴代の選手がポジション別にまとめてある。企画自体もNY Daily Newsに変わった。例年と違ってタダではないが(*2)、こういうものは是非欲しい。結局10枚全て集めてしまった。(*2)1枚5ドル

買ってから気づいたのだが、このDVDはYESで放送しているYankeeographyが元になっている。オリジナル映像はあるものの、基本的には変わらない。再放送は毎日のようにやっているので、まんまとハメられた感じだ。

試しにアマゾンで調べてみると、12枚セットが55ドルで売っている。この先は言わなくても分かると思う。以下はそのDVDが当たる応募ページ。隣に写っているのは、現カブス監督のルー・ピネラ

Contests and Giveaways - NY Daily News

Video:
NY Yankees legacy DVD – The Left Fielders

Sunday, June 22, 2008

The Cure At MSG

The Cure 4Tour At Madison Square Garden

元々このライブは去年の9月にやるはずだった。チケットが発売されたのは7月だから、ファンにとっては1年近く待たされたことになる。自分は誘われた方だが、実際何と返事したかさえ覚えていない。



キュアーといえば80年代の代名詞。個人的にも好きなバンドだが、最近はほとんど聴いていない。この手の音楽はお腹一杯というか、自分の中では終わったもの。少なくとも金を払ってまで行く気はしない。音楽に何かを感じ続けたい身としては、どうしてもそう思ってしまう。

以前行ったポリスでも感じたことだが、フィルターのかけ方で映り方も違ってくる。中でもアメリカというフィルターは特殊。分かりやすいものしか受け付けないし、暗い曲は敬遠されやすい。耽美などもっての外で、どんなライブになるかは想像がつく。

Underneath The Stars (YouTube)

ところがイントロが流れると、そんな思いも変わり始めた。レコードが擦り切れるまで聴いたあの頃。しまっておいたはずの記憶は蘇り、懐かしさと共にいとおしく思えてくる。案の定ファンのノリは最低だったが、気づけば汗だくで踊っていた。

人間は死の直前、自らの生涯を映画のように振り返るといわれている。多少の誇らしさと懐かしさ。いとおしい我が人生。誰にだって、そういうものはある。

以下はセットリストとツアー写真。
ビデオにあるはA Forestは、残念ながらやらなかった。

Mainset:
underneath the stars, prayers for rain, a night like this, the end of the world, lovesong, to wish impossible thingspictures of you, lullaby, fascination street, from the edge of the deep green sea, the perfect boy, hot hot hot!!!the only one, wrong number, the walk, sleep when i'm dead, push, friday i'm in love, inbetween days, just like heavenprimary, shake dog shake, charlotte sometimes, one hundred years, baby rag dog book

Encore1:
if only tonight we could sleep..., the kiss

Encore2:
freakshow, close to me, why can't i be you?

Encore3:
boys don't cry, jumping someone else's train, grinding halt, 10:15 saturday night, killing an arab

Flickr: The Cure 4Tour 2007-08

参考サイト:The Cure Concerts Guide

Friday, June 20, 2008

Discount Code

ディスカウントコード

昨日の朝は起こされて目が覚めた。何のことかと思えばMLBからのメール。どうやらオールスターの抽選に当たったらしい。寝ぼけていたせいか実感は沸かなかったが、ともかく行ける。後は何枚買うか決めればいい。友人の顔を思い浮かべながら、そんなことを繰り返し考えていた。

オンラインのチケットは時間との闘い。とはいえあまり慌てすぎると、貧乏クジを引きかねない。何枚買うかも決めねばならず、こうしているうちにもいい席はなくなっていく。優柔不断な性格なので、こういう時は本当に困る。

散々迷った挙句、買ったのは6枚。予定よりはやや多いが、余ったとしても売れば済む。事前に相場を知っていたので、その辺の問題はない。ようやく目も覚め、実感も沸いてきた。頭の中はすでにヤンキースタジアム。とその時、ある光景がフラッシュバックのように浮かんでくる。

それはログイン時に入力していたディスカウントコード。人任せにしていたので気にも留めなかったが、よくよく考えてみるとおかしい。このチケットは例外を除いて一般には販売していない。だからこそ抽選があるわけで、さらにディスカウントされるというのもヘンな話。雲行きが怪しくなってきたところで、今度はこんな一言。

「試合は1時からなんだね」

条件反射で頷いてはみたものの、過去の記憶では全てナイトゲーム。13日というのも何となく違う気がする。いてもたってもいられなくなり、オフィシャルサイトに直行。スケジュール表をチェックすると、そこにあったのは@ TORの文字。オールスターどころか、ヤンキースは国内にさえいない。ではいったい何のチケットを買ったのか。

MLB All-Star Sunday

言ってみれば、抽選にもれた人に対する残念賞。日本ならジュニアオールスターがこれに該当する。おまけはOBと著名人のソフトボール大会。HRダービーではなかったのは救いだが、正直言って行きたくない。最後のヤンキースタジアムということでバランスを取るにしても、チケットの問題は残る。

こんな企画では誘いにくいし、60ドルもするとなれば断られるのがオチ。もちろん簡単に売れるはずもない。諸経費を入れて合計400ドル。人任せにした自分が悪いのだが、これをどうするか今から頭が痛い。

Monster's All-Star Experience
Call Your Shot Sweepstakes
Vote Yankees.com All-Star Sweepstakes

日本に住む人には関係ないかも知れないが、上記のサイトでオールスターのチケットに応募できる。いずれも締め切りが近いので、興味がある人は急いだ方がいい。

関連記事:Midsummer Classic

Wednesday, June 18, 2008

Stick Around, Wille!

今季不振のメッツがついに決断、ランドルフ監督らを解任
Mets fire Randolph; Peterson, Nieto also dismissed

一般企業や政治の世界では、何か問題があればトップが責任を取る。そんなことをしても大抵は好転しないが、世間を黙らせるためには有効。お客様は神様の理屈で、迎合することに終始してしまっている。



今回のケースも同じ。首を挿げ替えたところで本質的には何も変わらないし、ペイロールが問題な以上GMのミナヤにも責任がある。解任の決断を下せる立場にあったのがミナヤなら、誰が辞めるべきかは明らか。問題発言をいいことに、体よく扱われたランドルフが詰め腹を切らされたわけだ。

歴代勝率ベスト3: ジョンソン.588 ランドルフ.544 バレンタイン.534

人種差別を口にすること自体、監督として不適格と考える人もいると思う。実際それが原因でチーム不和が生まれたことは否定できない。ただ本当にそんなことがあったとしたら、それでも軽々しく不適格と言えるだろうか。少なくとも自分には言えない。

「火のないところに煙は立たない」

彼らに被差別意識があるのは事実だとしても、(ニューヨークの)黒人監督が未だにランドルフ1人というのは不自然。直接は当てはまらないが、実はジラルディが選ばれた理由の1つはこれだと思っている。

巻き起こったメッツの監督解任騒動

単一民族意識の強い日本人にはピンとこないかも知れないが、こういうことはあってはならない。たとえそれが事実でなくても、こんな話題が出てくること自体が問題なのだ。以下はこのビデオのコメント欄にあった一節。何だか知らないが、久しぶりに泣けてきた。

「This firing was very classless and unprofessional. I hope Wille gets another job as manager.」

「今回の解任は非常に低俗で、プロフェッショナルとは程遠い。いつの日か、是非監督として復帰して欲しい。」

Playlist Updated:
パンクなオヤジ、Graham ParkerのStick To Me. Stick Around, Wille!

Play Sub Tracks

関連記事:
Believe Yourself

関連サイト:
ウィリー・ランドルフ - Wikipedia
ニューヨーク・メッツ - Wikipedia

Tuesday, June 17, 2008

Six Weeks

井川が代役も? 王建民が今季絶望の可能性
Wang out of action at least six weeks

チェンバーレインの先発もメドが立ち、チーム状態が上向いてきた矢先のニュース。よりによってエースが故障しなくてもと思うのは、自分だけではないだろう。負荷のかかりやすいコーナーでトップスピード(*1)に達していたのが不運だった。(*1)2死、フルカウント

上がってくるのはおそらく井川。当面はガイス(ギーセではない)との両天秤で対処すると思うが、どちらもダメな場合はトレードもあり得る。昨日見たスポーツニュースでも、早速ベダードなどの名前が挙がっていた。

New York Yankees The Final Season Commercial

念のため書いておくと、松井のトレードはないと思う。人員整理が目的のチームに高年俸の選手は必要ないし、プレーオフを狙うために主力を出すのは本末転倒。まったくないとは言い切れないが、そうなればこのCMも作り直しになる。

追記:ウォンの代わりに上がってきたのは、中継ぎのトレーバーだった。ガイスの評価はともかく、井川にそこまで信頼がないとは驚いた。

Playlist Updated:
カバーとしても有名なCakeのI Will Survive. ここを乗り切れるかどうかで今シーズンの行方は決まる。原曲はドナ・サマー。

Play Sub Tracks

Video:
Wang injures foot
Chien-Ming Wang Expected To Be Out Until September

Monday, June 16, 2008

Midsummer Classic

ズバリ優勝チームを当てて下さい - ebet

79回目となるMLBオールスターゲームが7月15日(現地時間午後8時)に行われます。開催球場は今年で見納めのヤンキースタジアム。勝利チーム(リーグ)にはワールドシリーズのホームアドバンテージが与えられるため、単なるお祭りではありません。

ここまで10連勝中と勢いに乗るアメリカンリーグが勝つのか、通算成績(40勝36敗)で上回るナショナルリーグが連敗を止めるのか。みなさんのベットをお待ちしています。

米球宴に首位打者松井秀を送り込め!
ファン投票1位オルティス順調に回復、球宴前に復帰か

以前から出場に意欲的だったオティースだけに、このままだと松井がDHで出場するのは難しい。ただ得票数が伸びれば、その他の選出方法で有利に働くのも確か。ということで、めげずに投票(VOTE NOW)しましょう。

All-Star Game '08 coverage | VOTE NOW

Sunday, June 15, 2008

No Pain, No Gain

テレビ朝日│第108回全米オープンゴルフ
2008 U.S. Open Championship

スポーツの魅力の1つに一体感というものがある。プロフェッショナルなプレーもそれはそれで素晴らしいが、双方が同じ空気に包まれる感覚は格別。部外者であってもその雰囲気は伝わって来るから、かなり動物的な欲求なのだと思う。

NBC Sports video: Tiger's third round

これはUSオープン3日目のタイガー・ウッズ。左ひざの痛みに顔を歪めながら、随所にみせるスーパーショット。まるで自分がプレーしているかのように応える観衆。今思い出しても鳥肌が立つ。13番のイーグルは是非見て欲しい。あの一体感は尋常ではなかった。

人間は感動するために生きているというが、あそこへ飛び込みたくなった自分は紛れもなくその1人。問題はその先のプレーヤーになれるかどうか。ギャラリーのままで終わっては意味がない。

追記:プレーオフの末、タイガー・ウッズが今大会3度目の優勝。最終日とプレーオフをいずれも土壇場で追いつくという離れ業だった。これでメジャー大会は14勝目。あと4勝で歴代1位のジャック・ニクラスに追いつく。

Video:U.S. Open Playoff: Super Highlight

関連記事:There's A Will, There's A Way

Saturday, June 14, 2008

June13,08 @ HOU W2-1

Joba goes six
Box Score (MAJOR.JP)

4月23日以来の貯金2

投手陣が踏ん張り、わずか5安打で辛勝。端的に表現すればこんな一言で終わってしまうが、個人的には書きたいことがたくさんある。以下は特に気になった点。多少の説明不足はご了承を。

3度目の先発チェンバーレイン:
投球リミットも95に増え、実質的にはこれが初先発。結果は6回1失点と上々だが、出来自体は悪かった。四球と三振の数が何よりの証拠になる。とはいえ一応のメドが立ったのも事実。これで当分はローテーションを固定できそう。

デーモン欠場:
レフトに入ったのは意外にも松井。本当のところは分からないが、昨日の今日で外せなかったと思うとかなり可笑しい。

参考ビデオ:Matsui's grand slam

自動的に2ベース:
アストロズの盗塁数はリーグトップ。一方のポサダは病み上がりな上、盗塁阻止率が極端に低い。どうなるかは分かりそうなものだが、やはりモリーナはベンチ。案の定、走られ放題だった。これで今季の阻止率は.185。

ダンカンがマイナー落ち:
以前書いたことが現実になった。代走にも使えないのだから当然だが、はっきり言って遅すぎる。左には右の理屈で起用した結果が、対左投手.225。逆に松井やアブレイユ、デーモンは最低でも.315ともはやコントの世界。

関連記事:Whatta Man

右投手にいたっては.059で、本人には失礼だが大学でも通用するかどうか。そもそもあのスイングで打てると思うところに問題がある。以下はジラルディのコメント。今どき政治家でもこんなことは言わない。

Yanks option Duncan to Triple-A

「He didn't swing the bat as well as I thought he was capable of.
I think he's a much better hitter than what he displayed, but for whatever reason, it didn't happen. He needed to go get at-bats because he hasn't played in a while. I'm sure we'll probably see Shelley again.」

「彼は私の期待に応えられなかった。本来はもっと力があるはずだが、どういうわけか結果は違った。しばらく試合に出ていないので、まずは打席に立つことが必要。またすぐに戻ってくるだろう。」

Video:
Daily Rewind Game Recap
Jeter's solo homer

Thursday, June 12, 2008

June11,08 @ OAK L4-8

Rasner hit hard
Box Score (MAJOR.JP)

松井の打点が少ない理由

これまではコンスタントに100打点以上を記録してきた松井だが、このペースだと今季は71打点。出場機会や長打減少などの要因はあるにしても、それ以上に巡り合わせが悪い印象がある。同じように感じている人も多いと思うので、ちょっと調べてみた。AVGとSLG以外は全て1試合(*1)平均の数値に揃えてある。(*1)便宜上、1試合=4打数


ON=走者あり OFF=走者なし L-OFF=先頭打者 RISP=得点圏
3RD<2=1死以下で走者3塁 AVG=得点圏打率 SLG=走者を置いての長打率
RBI=打点

松井 .323 6HR 29打点 32得点 出塁率.406 長打率.457
アブレイユ .298 8HR 42打点 35得点 出塁率.361 長打率.476

長打率こそやや物足りないが、他はほぼ印象通り。先頭打者の比率が高く、得点圏というよりランナーそのものが少ない。松井が最も得意(下記参照)とする3RD<2も実数で7つ(*2)の開きがある。他の選手とは比較していないが、おそらく大差はないと思う。(*2)松井10、アブレイユ17

関連記事:June22,07 @ SF W7-3

7点ビハインドの9回、1死2.3塁(*3)でバッターボックスには松井。打点を稼ぐには絶好のチャンスだったが、無理せず四球を選ぶ。次打者のジアンビはファーストゴロ。通常なら併殺でゲームセットなのだが、クロスビーの悪送球で二者が生還。この間にジアンビは2塁へ。続くポサダのヒットで3点目。(*3)走者はジーターとアブレイユ

名前が挙がった中で記録(得点か打点)が残らなかったのは松井だけ。大差がついた状況で最良の選択をしたにもかかわらず、逆に最悪な結果のジアンビには打点どころか得点までつく始末。世の中結果が全てだけに、ファンとしてはやりきれないものがあった。まさに今季の松井を象徴する場面と言える。

この日の敗戦で勝率は再び5割。放送中にちらっと聞いただけだが、これが23回目ということらしい。故障者続出にしては健闘していると見るか、もう少しやり方があったと見るか。考え方は人それぞれだろうが、答ははっきりしている。使い道を失ったまま、ベンチに座り続ける1人の選手。この事実だけで説明は十分だろう。

Video:
Daily Rewind Game Recap
Post Game Plus

関連記事:左曲がりの松井秀喜

参考サイト:
ESPN - Hideki Matsui Stats
ESPN - Bobby Abreu Stats

Tuesday, June 10, 2008

ClickShirt

ClickShirt: Wear Your Imagination

先日ファイルを整理していたら、こんな画像が出てきた。作成日は去年の3月。どうやら1年以上忘れていたらしい。ただ捨てるのも惜しいので、とりあえずアップしてみる。箸休め程度に読んでくれれば嬉しい。


(C)Copyright ClickShirt / Modified By KMFIS

オリジナルTシャツは珍しくないが、ここではそれをブラウザ上でデザインできる。やり方はいたって簡単。用意されたテンプレートを選んで、変更したい箇所をクリック。後は適当にマウスを動かせば分かると思う。画面右下の履歴で、何回でもやり直しがきく。

海外のサイトなのでオーダーはできないが、キャプチャー画像を業者に持っていけばデザイン画の代わりにはなる。デザインに興味はあってもソフトが使えない人、オリジナルのTシャツを作りたい人は覗いてみるといいだろう。

Monday, June 09, 2008

June8,08 vs KC W6-3

Giese gets Joba done
Box Score (MAJOR.JP)

ルーキーとベテランの好対照

チェンバーレインが今季2度目の先発。当初の構想では5イニングが目標だったようだが、規定投球数(*1)に達したため4回途中で降板。結果で判断する人にとっては、頼りなく映ったかも知れない。(*1)75球前後

投球回4.1 被安打5 失点3(自責点2) 奪三振5 与四球1

今後のことはともかく、この日のチェンバーレインはよかった。打たれたヒットのうち、芯で捉えられたのは2本。ほとんどがボーダーラインかボール球で、ロケーション的にも問題ない。念のためスローで確認してみたが、やはり印象通り。もう一度同じ条件でやれば、まったく違った結果が出ると思う。

「セットアッパーから転向したパワーピッチャー」

この言葉から懸念される材料は、球速の維持と制球力。これらが満たされれば、転向後もある程度の活躍は期待できる。球速は降板直前に96マイル。四球はご覧の通りで、少なくとも次に繋がるピッチングにはなった。次回の登板は13日のアストロズ戦、投球数は90から95球が予定されている。

ポサダ 怠慢 - Invisible Search

チェンバーレインの失点と自責点が違うのは、ポサダのパスボールが原因。野球にミスはつきものとはいえ、これだけ頻繁にやられてはミスの次元を超えている。いつものことと言えばそうなのだが、この日はそれ以上に言語道断のプレーがあった。

同点で迎えた6回表、ロイヤルズのオリーボは三振。本来なら攻撃終了のはずが、ショートバウンドを捕球できず振り逃げが成立する。問題はこの後、あろうことかオリーボに2塁を奪われたのである。

ボールが引っかかったわけでもなく、緊張感のなさと怠慢が全て。幸い失点には結びつかなかったが、こういうプレーは選手であっても快く思わないはず。昨日の記事でアブレイユとの不仲を疑ったが、単に孤立しているだけなのかも知れない。

Video:
Daily Rewind Game Recap
Post Game Plus
Michael Kay on Joba

関連記事:June3,08 vs TOR L3-9

Sunday, June 08, 2008

June7,08 vs KC W12-11

Damon goes 6-for-6
Box Score (MAJOR.JP)

10点取っても勝てないチーム

今日現在ロイヤルズの得失点差は-63で、マリナーズと並んでリーグワースト。1試合当たり1点以上のビハインドと苦しい戦いが続いている。投手力主体のチームなら可能性もあるが、率直に言ってここから巻き返すのは現実的ではない。まだ100試合を残しているとはいえ、早くも来季を見据える時期に差し掛かった。

ヤンキースも他人事ではない。ここ数年は後半の追い上げで帳尻だけは合わせているものの、今季はレッドソックスに加えレイズも相手。主砲のウェルズが復帰したブルージェイズも怖い。いずれのチームも投手力が高いだけに、例年通りとはいかないだろう。

先発2番手のペティットが10失点。本来の実力ではないにしても、被安打率.300オーバーの先発投手も珍しい。勝つには勝ったが、こんな調子ではプレーオフなど夢のまた夢。モチベーションの置き場に困る選手がいてもおかしくない。

1点ビハインドの9回。ポサダが同点HRを打つと、ベンチ前で見ていたジーターが右手を上げる。これ自体はいつものことだが、なぜか両脇にいたカブレラとアブレイユは無反応。HRが確定してからも、表情が変わることはなかった。

参考ビデオ:Posada ties it

状況から言ってもかなり不自然、偶然であるはずがない。サヨナラの瞬間はさすがにはしゃいでいたが、いったいあれは何だったのだろう。投手陣に対する不満、ポサダとの不仲。言い出したらキリがないが、あの表情が今シーズンの結末という気がする。

Video:
Daily Rewind Game Recap
Post Game Plus
Damon's six-hit day

Saturday, June 07, 2008

June6,08 vs KC L1-2

Darrell outdueled
Box Score (MAJOR.JP)

八つ当たりマイケル、置き物ジラルディ

YESのアナウンサーといえばマイケル・ケイ。あの下品な絶叫とは対照的に、相手チームにも敬意を払ったフェアなスタンスが好きだった。過去形になっているのはご想像の通り。毛嫌いしているわけではないが、はっきり言って鼻につく。例えばこんな調子。

「ど真ん中を見逃して三振、別のボールを待っていたんだろう」

これはカノーの4打席目。言葉では上手く表現できないが、とにかく吐き捨てるような口調だった。別のボールとは皮肉を込めた言い回しで、ストレート以外に何を待っているんだという意味。成績が成績なので戦犯扱いも仕方がないが、三振したぐらいでこの言われ方はない。

この日のカノーは2本の2ベースに唯一の得点、守備でも活躍した。最後のボールにしても、実際はど真ん中とは程遠い外角低め。見逃し三振はよくないが、あそこに投げられた時点で投手の勝ち。八つ当たりもたいがいにして欲しい。

試合の方は、ラズナーの好投を拙攻で見殺しにするお馴染みの展開。得点圏であと1本が出ないのは事実だが、その機会を増やす努力がまったく見られない。以下はいずれも1点ビハインドの場面。カッコ内はランナー。

7回2死1塁(カブレラ) 8回1死1塁/2死1塁(アブレイユ) 9回2死1塁(カブレラ)

このうち走ったのは、フルカウントになった9回だけ。ほとんどが左投手だったので走りにくいのは認めるが、最後以外はリスクを気にせずトライできる場面。実際8回には松井にヒットが出ているし、盗塁が成功していれば同点に追いついていた可能性が高い。

ヒット2本: ヒット→進塁→ヒット→得点
ヒット1本: 盗塁→ヒット→得点

これは1塁のみにランナーがいる場合の得点パターン。進塁の仕方によって、必要なヒット数(*1)が違ってくるのが分かる。仮に1塁ランナーがヒットで出塁したとすれば、タイムリーヒットは最大で3本目。極論すると、この3本目が得点するためのポイントになる。(*1)全てシングルヒットが前提

数字はあくまでも数字、人間がやっている以上波がある。.300の打者であっても、ノーヒットの試合があって当たり前。逆に言えば波があるからこそ得点できるわけで、9本のヒットも1本ずつでは無得点でもおかしくない。ただし極端に集中するようなことも稀、1イニングに打てるヒット数はおおよそ決まっている。

前置きが長くなったが、あと1本が出ないのはこれに原因があると思う。ジラルディは動くことを嫌うため、長打でも出ない限り前述の3本目でしか得点できない。言ってみれば上限に引っかかっている状態で、必然的に確率は低くなる。常に右上がりの波を期待していれば、タイムリーヒットが出ないのも当然だろう。

誤解のないように書いておくと、スモールボールを推奨しているわけではない。この波を利用したものがビッグイニングだし、それが序盤なら確率は低くても賭ける価値はある。ただどんな展開でも攻撃パターンを変えないとすれば、この日のような試合は間違いなく落とす。前述の理屈はともかく、せめて見せ場ぐらい作れないものか。

以下に松井のインタビューがある。興味がある人はどうぞ。

Video:
Daily Rewind Game Recap
Post Game Plus
Hideki Matsui speaks with Kimberly Jones

関連記事:
September13,06 vs TB W8-4
May17,07 @ CWS L1-4

Friday, June 06, 2008

Testosterone

テストステロン: 最も生理活性の強力な男性ホルモン

昨日の乱闘(後述)で、フランコーナが使っていた言葉。筋肉や骨格など身体的な特徴に作用する他、男性的な人格の形成にも影響する。元となる原料はコレステロールで、20代をピークに減少。分泌量と減少幅には個人差があり、女性は男性に比べて5~10%と少ない。また挫折感などの外的要因で、分泌が低下することもある。


(C)Copyright John Wilcox

男は男らしく、女は女らしく。昔からよくいわれる言葉だが、現代社会においてはもはや通用しない。体罰と同じように、時代錯誤と笑われるのがオチだろう。その一方で、力仕事は未だに男。それなら裁縫は女かというと、なぜかそうはいかない。

都合の悪いことは身体的な差異を理由に拒否し、それ以外は能力や適正を飛び越え平等と主張する。男社会のせいで損をしているとはよく聞く話だが、大は小を兼ねるの理屈で体よく扱われているのも男。性差による損得など考えたこともないが、少なくともいわれるほどは偏っていない。

前日の遺恨が爆発 Rソックスとレイズが大乱闘
Injuries, brawl mar Red Sox sweep of Rays - BostonHerald.com

写真は退場になったゴームス。当事者ではないにもかかわらず、真っ先に飛び出しアルティメット(ファイティング)のごとく殴っていた。不謹慎に聞こえるだろうが、こういう光景は見ているだけで興奮してくる。仮にこれが戦場なら、ゴームスほど頼りになる兵士はいないからだ。

「全ては仲間(投手)のため」

これはそのゴームスのコメントだが、女性には単なるバカに聞こえるかも知れない。あくまでスポーツなのだから、言語道断と考える人もいると思う。その点では異論はない。ただこういう行為も場合によっては必要だし、それには損得勘定を超える価値観が不可欠。何かにつけて人権や差別を持ち出す人間には務まらない。

オリンピックの100メートル決勝にずらりと並んだ黒人。ニューヨークのレストランで、バスボーイ(*1)にヒスパニック系しかいない事実。この2つが並列になっているところに、この世の愚かさが見て取れる。(*1)俗にいう下働き

以下は関連ニュース。

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同時多発テロ:アルカイダ幹部、罪状認否で「死刑を望む」
「部屋の掃除もできない息子が…」 ドラ1指名に驚きの母

Video:
Red Sox-Rays incident

関連記事:Gender Bender

参考サイト:
テストステロンについて 【大東製薬工業】
テストステロン - Wikipedia

Wednesday, June 04, 2008

June3,08 vs TOR L3-9

Dawn of an era
Box Score (MAJOR.JP)

季節外れのオープン戦

好投を願う肯定派と炎上を期待する否定派。そんな愛憎劇を背景に、チェンバーレインが新しい一歩を踏み出した。自己正当化のために失敗を望むというのも酷い話だが、人間の心理とはそんなもの。こうして書いている自分にも、少なからずそういう部分はある。

「It was the first step, that's all」

これはかねてから先発転向を要請していたハンク・スタインブレナーのコメント。真意を別とすれば、今回の件はこの言葉に集約される。たった1試合で結論など出せるはずがないし、そもそも結果でモノをいうこと自体意味がない。意見を持つのは自由だが、それには責任があることもお忘れなく。

試合の方は繰り出す投手が次々に打たれ完敗。12本もヒットを打たれた上に、10個の四球と内容も悪い。まさにブルペンの弱さが露呈した形だが、だからこそチェンバーレインの先発に意味がある。個人的にはそう思っている。

対戦相手のハラデーは格好のサンプル。この日のように先発が好投すれば、試合が壊れることはない。この事実が勝敗を決める最も重要なファクターであり、安定した勝率を生むカギでもある。詳しくは別の機会に書くが、セットアッパーと騒いだところで出番がないのでは何にもならない。

ジョバ・チェンバーレイン 投球回2.1 被安打1 与四球4 奪三振3 自責点1

4つの四球が響いて3回途中で降板。主審の判定が厳しかったというのもあるが、それ以上に出来が悪かった。自身初のボークを記録していることから、かなり緊張していたのだと思う。本来制球はいい方だが、今季はそれがなくなりつつある。パワーピッチャーの宿命とはいえ、課題は残した。

1回: 四球→ボーク→パスボール→セカンドゴロ→1失点
3回: 四球→(投手交代)→盗塁/悪送球→セカンドゴロ→1失点

結果的には2失点したものの、モリーナのエラーがなければ無失点で収まっている計算。四球を出している以上自己責任なのだが、唯一のヒットも当たり損ねで悲観する内容ではない。投球数は偶然にも背番号(62)と同じだった。

ダン・ガイス 投球回3.2 被安打5 与四球1 奪三振0 自責点1

去年ジャイアンツでメジャーデビューを果たした31歳。Gieseと書いてガイスと読む。チェンバーレインの後を受けての登板となったが、正直なところメジャーレベルとは言い難い。ひいき目ではなく、これなら井川の方がずっといい。追記:ポサダの復帰に伴い、わずか1日でマイナー降格

防御率1.98 投球回59.0 被安打43 与四球14 三振率7.8 (3A Scranton/WB

この成績が評価されたのだろうが、それ以前にあの投球で通用すると思うところが問題。ストレート(*1)は平均87マイル。スローカーブとチェンジアップはまずまずだが、強調材料はないに等しい。マイナーでの高い三振率もこの日はゼロ。ダンカンしかり、どこに目をつけてるんだと言いたくなる。(*1)大半がツーシーム

エドワー・ラミレス 投球回0.0 被安打1 与四球3 奪三振0 自責点4

ここまで好投(防御率0.56)を続けてきたラミレスが四球で自滅。もっとも制球の悪さは今に始まったことではないので、特に驚くことではない。後付けで対左打者要員(*2)になっているが、チェンジアップに頼り切ったピッチングは改善すべきだろう。去年同様、使い捨てにされる可能性が高い。(*2)チェンジアップがシンカー軌道なため

ラトロイ・ホーキンス 投球回1.2 被安打1 与四球2 奪三振1 自責点0

ビスカイーノの代わりとして獲得した選手だが、防御率6点オーバーと結果が出ていない。ストレートに威力がある反面、変化球が少ないので淡白な配球になりやすい。制球力にも問題があり、真ん中でしかストライクを取れないのもネック。ただしここ最近は、ほんの少しだけ調子を上げてきている。

チェンバーレインの先発転向には賛成。実際5番手がいないのだから、シーズン途中での方針変更も理解できる。ラズナーのような投手が簡単に出てくるはずもなく、そのラズナーにしても今後は苦戦が続くはず。ヒューズやケネディが復帰したところで、好投のイメージさえ浮かばない。

そういう意味では仕方がないのだが、それは春の先発転向プランがなかったらの話。その結果が季節外れのオープン戦では、笑われて当然。普段でも槍玉に挙げられることが多いだけに、見守ることしかできないファンには身にしみる。

「Let's Go Yankees」

6点ビハインドの最終回、スタジアムからはレッツゴーヤンキースの大合唱。これが何を意味するのか。ヤンキースファンなら、言わなくても分かるだろう。

Video:
Daily Rewind Game Recap
Post Game Plus
Matsui's RBI single

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Joba Role
The Second Move-1

The Book of Joba (Photo Gallery)

Tuesday, June 03, 2008

June2,08 @ MIN L5-6

Split for Yankees
Box Score (MAJOR.JP)

フラストレーションの溜まる試合 By Girardi

いよいよチェンバーレインが先発する。この時までに仕上げるつもりだった記事は、間口を広げすぎたせいで間に合いそうもない。文章に限らず、頭の中にあるイメージを具現化するのは難しい。だからこそ人間の脳は素晴らしいわけだが、今回ばかりはヤンキースよろしく見極めが甘かった。

そういうわけで、この試合も何となく見ていただけ。今となってははっきり思い出せないが、勝敗以上に内容が悪い。仮に書く気があっても、言いたいことが多すぎてまとめるのに苦労したと思う。

真剣に見ていたわけでもなく、翌日は続きを書かなくてはいけない。それにもかかわらず、試合が終わると例のモヤモヤが残った。半ばスケープゴートとはいえ、こうして書いているのはそれを昇華させたいから。この場面だけは、今でもしっかりと覚えている。

同点で迎えた8回、2ベースと送りバントで1死3塁。バッターボックスには絶好調(*1)のヤング。すでに2本の2ベースも打っている。一方次打者のハリスは、ここまで11打数ヒットがない。この日も変化球にまったくタイミングが合わず2三振。出来の悪かったペティットが唯一三振を奪った打者でもある。(*1)同シリーズ17打数7安打

どこをどう考えても敬遠の場面だが、なぜか勝負を選択。結果はご覧の通り。開いた口がふさがらないというか、データ野球が聞いて呆れる。敬遠していれば勝ったとは言わないが、敬遠しなかったことに合理性がないのは事実。それが敗戦に繋がれば、非難されても仕方がない。

「監督のせいで負ける試合はない」

世の中とは面白いもので、こんな考えを持つ人を時々見かける。いったいどのツラ下げてそんなことが言えるのか。実際は単なる反体制バカの部類なので考えもクソもないのだが、同じ言語を使っているというだけでムシズが走る。

ちなみに前述のヤングは7番打者。併殺が成立しなくても、上位には回らない。またヤング以下4人が右打者ということも付け加えておく。

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May13,08 @ TB L1-2

Monday, June 02, 2008

The Second Move-2

先手が打てないヤンキース: その2

近年のヤンキースは打高投低。打たれる以上に打つことで、安定した成績を残してきた。その一方でプレーオフには弱く、過去3年はいずれもディビジョンシリース敗退。力はあっても、短期決戦では不利というのが一般的な見方だ。単純に運で片付ける人もいる。

Yankees Postseason Results

確かに短期決戦という性質上、運の要素は否定できない。ただしシステムが理由で勝てないのかと言えば、それは違う。本当に強い馬が馬場や距離に依存しないように、真の強さとはどんな条件でも一定の勝率を叩き出せることを指す。プレーオフで負けるのは単純に弱いから、ただそれだけに過ぎない。

ヤンキースが去年上げた総得点は968、1試合平均でおよそ6得点している計算になる。仮にこれが毎試合均等に起こればかなりの勝率を残せるはずだが、実際は.580。試しに今季の試合に代入してみたところ、思っていた通りの結果が出た。(2007年のチーム防御率4.50 2008年4.37)

4月: 17勝7敗、勝率.708 5月: 16勝7敗、勝率.696

今日12点取ったかと思えば、翌日は0点。相手投手が違うとはいえ、打線にはこのような波がある。もちろん投手にも波はあるが、打線に比べるとその振幅はかなり小さい。防御率4点台の投手が連続完封することはまずないし、逆に2点台の投手が炎上するケースもそう多くはない。

なぜそんな差が生まれるのか。最も大きな要因はプレースタイルの違い。ルール上の問題と言ってもいい。野手が共同作業で攻撃するのに対し、投手はたった1人でマウンドに立つ。個々の能力が反映されにくく、不確定要素に左右されやすいのが前者。その逆が後者になる。

振幅が小さいほど安定した勝率を残せるのは前述の通り。つまり投打のバランスが同じであっても、実質的には投手力の高いチームの方が強い。野球が投手といわれるのもこのためで、たとえAロッドが20人いようとモロさのあるチームに真の強さはない。この辺の理屈は、麻雀好きならすぐに理解できると思う。

ここからが本題なのだが、疲れてきたのでまた明日にでも。

関連記事:End Of An Era-4

The Second Move-1

Sunday, June 01, 2008

The Second Move-1

先手が打てないヤンキース: その1

チェンバーレインの先発が決まった。本来なら6月2日のツインズ戦なのだが、29日のオフを利用してローテーションを変更。放送中にあったマイケル・ケイのコメントによれば、それには特別な理由があるとのこと。現段階では明かせないらしい。

チェンバレンついに初先発へ 3日のブルージェイズ戦
Joba's first start to come Tuesday

特に隠すことではないと思うが、明かせないのはそれによって不利益が生じるから。ぱっと思いつくのはホームアドバンテージ。ジラルディのことなので、右打者の多いブルージェイズ戦を選んだというのもあるかも知れない。

キャンプ中は先発投手としてトレーニングを積んでいたチェンバーレイン。ところが開幕直前にブルペン入りを命じられる。そして再び先発に転向。チーム事情を考慮してのものだとしても、後手に回っている印象は拭えない。まずはここまでの経緯を振り返ってみる。

3/19: 勝つための措置として、ブルペンでの起用に方針変更。将来的には認めたものの、この時点で明確な先発転向プランはなし。

4/30: 4番手のヒューズが、勝ち星のないまま(0-4、防御率9.00)DL入り。復帰は7月以降。代役は今季マイナー契約のラズナー。

5/04: 不振の(防御率8.37)ケネディが調整を理由にマイナー落ち。チェンバーレインの先発転向とは無関係としながらも、プランの存在は認める。

5/09: ケネディの代わりに上がってきた井川が先発。3回6失点で降板、代役失格の烙印を押される。

5/10: ラズナーが連勝。先発4番手のメドが立つ。

5/15: コールアップされたケネディが再び先発。5回5失点で3敗目。調整期間はわずかに2試合(8.1イニング)。井川はブルペンで投げることなくマイナー降格。

5/21: 前々からあったプランとして、チェンバーレインの先発転向を発表。ブルペンで起用しながら調整させることを明言。 この日はその第一段階。ラズナーは無傷の3連勝。

5/24: 45球をメドに2度目の調整登板。

5/27: ケネディが途中降板、広背筋を痛めてDL入り。ここまでの成績は9試合に投げて0勝3敗、防御率7.41。

5/28: 3度目の調整登板。リミットは55球。

5/30: チェンバーレインの先発日を発表。実質的にケネディの穴を埋めた形。

アクシデントに順応したように見えるかも知れないが、率直に言って見極めが甘い。ペティットとムシーナは実績があり、ヒューズは誰もが認める将来のエース。ケネディは去年の成績が素晴らしい。ファーンズワースのポジションさえ何とかすれば、今年も勝てる。サンタナの獲得を断念したことからしても、おおよそこんな風に考えていたのだと思う。

ペティットは良くも悪くも防御率4点台の投手。ムシーナは球速の衰えが目立ち、期待されたヒューズも終わってみれば平凡な成績(*1)。好成績を残したケネディは、たった19イニングしか投げていない。(*1)2007年 防御率4.46

今季の先発はワーストと書いた通り、こうなる可能性は十分にあった。事が起こってから対処するなら誰にでもできるわけで、それを事前に想定するのが本来の仕事。仮にヒューズとケネディが故障しなかったとすれば、状況はさらに悪化していたはず。つまりアクシデントどころか、不幸中の幸いと言っても言いすぎではない。

ヤンキース傘下にはおよそ200人の選手がいるが、その中でベンチ入りを許されるのはわずかに25人。その25人をいかに選び、適材適所に配置するか。極論するなら、この作業でシーズンの大勢が決まると言ってもいい。

著しく能力の低いダンカンや、峠を越したエンズバーグ。マイナー契約だったラズナーがいい例で、こんなことをやっているようでは勝てるわけがない。と、ここまで書いたところでこのニュース。

Patterson up, Ensberg DFA'd, and lineup - NJ.com

予想通りエンズバーグがDFAになった。見極めが甘いとはまさにこのこと。自ら穴を作っては右往左往するという、毎度お馴染みの自作自演。上がってきたパターソンも、通用するようには見えなかった。

チェンバーレインにも同じことが言える。より多くのイニングを投げる先発を軽視し、逃げ切ることには必死になる。能力よりも経験が上回ってしまうため、中継ぎ投手は一生中継ぎのまま。何かのきっかけでもない限り、その構図が崩れることはない。その最たるものがケネディであり、今回のチェンバーレインだと思う。

ジラルディの野球を見ていると、とにかくデータを気にし過ぎる。本来データとは感じたことや考えを実証するためにあるもので、データから何かを結論づけるのは順序が逆。相性よりポテンシャルを優先するのが当たり前だし、たとえ右投手でもシンカーボーラーなら左打者にとっては厄介なもの。

本質を見抜こうとせず、データが理屈になっているようでは占いと変わらない。こういう1次元的な思考も、見極めという点では明らかにマイナス。多少話は逸れるが、最後に付け加えておく。 次回は先発転向の是非とその理由について書く予定。

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Hot Stove 2008-5




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