Thursday, February 14, 2008

Gender Bender

先日青いblogのaoiさんから、こんなコメント(要約)をもらった。

「日本人男性が仕事の延長でアメリカに住むのに対し、女性の場合は国際結婚やパートナーの力を借りるケースが多いと思います。これは男性のタフさとか、バイタリティに起因するものなのでしょうか?」

https://www.blogger.com/comment.g?blogID=31150978&postID=793014853101570442

これはずいぶん前から引っかかっていたことで、ある意味では自分という人間の核に関する事柄でもある。すでにおおよその結論は出ていたものの、デリケートな問題でもあるので即答は避けた。熟考したとは言えないが、現時点での考えを書いてみる。

当然のことながら、アメリカに住むには滞在資格が必要。住むだけなら語学学校にでも入れば可能だが、働くとなると所定のビザかグリーンカードを取得するしかない。ビザの中で最もポピュラーなのはH-1B。ただしその申請資格や審査は厳しく、雇用主(現地法人)の負担も大きいため取得するのは難しい。

アメリカ就労ビザ

また申請者にとっては弁護士費用(*1)もネックで、通常5000ドル前後かかる。よほどの人材か良心的な企業でない限り、費用は自己負担と考えるのが一般的。(*1)申請自体は個人でもできるが、専門の弁護士を使うのが有利とされる

プラクテイカルトレーニング

こちらの大学を卒業すると、プラクティカルトレーニングと呼ばれる1年間の猶予を与えられる。簡単に言うと就職活動するための期間で、その機会は一生に一度しかない。期間中に就職先が見つかればいいが、上記の理由から帰国を余儀なくされる人は多い。アドバンテージがあってもこんな状況だから、日本に住む人にとってはさらに厳しい。

米国移民ネット - DVプログラム(永住権抽選プログラム)

となれば残るはグリーンカードだが、こちらも取得が難しい。端的に言って、アメリカ市民と結婚するかロッタリーの二択しかない。結婚は相手あってのことだし、ロッタリーは文字通りの運任せ。H-1Bビザ同様、あまり現実的とは言えない。参考までにH-1Bビザを持っていれば、グリーンカードの申請資格は得られる。

このように一口にアメリカに住むといっても、それを実現できる人はごく僅か。事前の計画性や努力は言うに及ばず、少なからずお金もかかる。偉そうに書くつもりはないが、思いつきや憧れだけでは夢のまた夢に終わってしまうだろう。

秀でたスキルもなく、学歴や職歴も平凡。特にお金があるわけでもないが、それでもアメリカに住みたい。仮にこんな人がいたとする。これまでの経緯からすれば無茶な話だが、自尊心さえ捨てればそれほど難しくはない。そう、アメリカ人と結婚すればいいのだ。

前述したように、結婚や恋愛は相手あってのこと。この部分では確かに難しいが、それが女性の場合は話が違ってくる。というのもアメリカ人男性にはなぜかアジア人好きが多く、より好みさえしなければ付き合うことはできる。

反対にアメリカ人女性は、アジア人をその対象から外していることがほとんど。人種のルツボといわれるニューヨークでさえこうなので、アメリカ全土で言えばさらにこの傾向は強いと思う。

女性の方が声をかけられやすいことから考えても、その気になれば結婚も夢ではない。実際グリーンカード欲しさに結婚した(すぐに離婚)女性を知っているし、よく耳にする話でもある。つまり日本人男性にとって結婚という選択肢は最初からないわけで、その差がこんな現象を生む一因になっているのだと思う。

もう1つ考えられるのは、男女間における依存度の違い。一概には言えないが、女性は自らの人生を伴侶に委ねることが多い。欧米社会ならまだしも、保守思想の強い日本人にはある程度当てはまるはずだ。

単なる慣習と言えばそうだし、男社会のせいにする人もいるかも知れない。ただその一方で、女優が結婚するのは決まって青年実業家という事実もある。成功する人は中身も立派という理屈は、さすがに苦しいだろう。いずれにしても男性に花嫁修業的な側面は存在しないから、ここでも選択肢が問題になってくる。

楽な方を選びたくても、そもそも男性にはその道がない。(現代社会においての)野心は本来性別に関係なくあるはずで、逃げ道の有無が全て。タフさではむしろ女性の方が上だと思う。以上で話は終わりだが、誤解されたくないので少しだけ。

たとえ状況は厳しくても、個人的には自分の意思を尊重して欲しい。行動する前に考えろとはよくいわれる言葉だが、時にはその逆が好結果を生むこともある。偽装結婚は感心しないが、不法滞在ぐらいなら構うことはない。アメリカとはそういう場所だと思うし、上手くいなかくても行動しなかったことを悔やむよりはずっといい。

2 comments:

Anonymous said...

なるほど~~~~
丁寧に答えていただいてありがとうございました!m(__)m

私はもっと単純に仕事の能力差かなー と思ってたんで就労ビザのハードルの高さにビックリ。
これでは簡単に移住なんてできませんねー
比較的安易な選択肢が残されてる女性が多いというのも納得できました。

保守的とも言えますよね。
自分の意見を言わない、もしくは他人に同調した方が住みやすい村社会の中で、女性は特に自立より依存することを周囲から求められているので。
もちろん人それぞれの状況がありますから一概には言えませんが。

男性は責任が重くて大変ですね。長生きしてください。
行動するのは大事です☆

KMFIS said...

経済力を価値観の中心とするなら、
確かに男性は荷が重いです。

ただ世の中にはそれ以外のこともあるので、
本質的には両者に開きはないはずです。
少なくともそう思いたいですね。

>行動するのは大事です☆

考える前に行動とは自分に対する戒め。
僕もいつかこんな風に言ってみたいです。




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