Monday, December 03, 2007

End Of An Era-4

ヤンキースの12年(その4): 金満チームの立役者

他チームとの差をより明確にするため、今回は年俸格差という形でグラフ化した。金額では比較にならないので、格差ゼロを100とした相対値(*1)で示してある。(*1)1位または2位との格差/ヤンキースの総年俸×100+100


ヤンキースは96年からの5年間で、4度のワールドチャンピオンになっている。文字通りの黄金期だが、年俸にそれほど格差は見られない。逆に2002年以降は2位との格差を広げているものの、その間の成績は1度のリーグ優勝を除いて全て地区シリーズ敗退。

これはヤンキースの圧倒的なチーム力を証明すると同時に、トーリとキャッシュマン体制(*2)の無能さを意味する。奇しくも野球に無知なスタインブレナーと同様のチーム作りになっていたわけで、それは前任者の恩恵の時期と黄金期が符合することからも分かる。(*2)トーリの就任は96年、キャッシュマンは98年

たった1度の好成績にすがって不良債権化したライトパバーノ、打撃力が勝敗を支配するという野球観から派生した過剰な野手陣。リードオフマンとしてだけでなくセンターとしても物足りないデーモンを獲得し、挙句の果てには弱肩を理由にファーストの練習までさせるお粗末ぶり。

例を挙げればキリがないが、成績の伴わないただの金満チームにしてしまった責任は大きい。この点についてはトーリだけでなく、GMのキャッシュマンもまったくの同罪。トーリを擁護していたのがキャッシュマンだけだったのは、単に同じニューヨーク派ということだけが理由ではないだろう。

以上4回に分けて検証してみたが、トーリとヤンキースの成績に関連性は認められなかった。それどころか、その無能さが浮き彫りになったとさえ思っている。とはいえ全てが主観であることに変わりはなく、推測の域を出ないのも事実。

残るは後任のジラルディということになるが、それで判断するのはあまりにも危険。ある程度のチーム力と最低でも5年の月日が必要だし、仮にそれを満たしたとしても立証するだけの根拠とは程遠い。

ドジャースについても同様で、たとえワールドチャンピオンになっても何一つ変わらない。資金力の乏しいチームなら考慮の余地もあるが、ドジャースはまったくの逆。これだけ書いて断言できないのは残念だが、答は永遠に闇の中だろう。

死の概念を一生分かり得ないように、この世の中には答が見つからないものは多い。因果関係では説明できなくても、確実に存在するものがある。時にそれは運という言葉で説明されるが、トーリの存在はそんな集合に属しているのだと思う。

さて、最後に新監督のジラルディについて少し。ペーニャとマッティングリーの三つ巴だったらしいが、個人的な希望は消去法でペーニャ。マッティングリーにだけはなって欲しくなかった。

というのもマッティングリーはあまりにも頼りなく、ジラルディは実力以上にヤマっ気が多いと感じたから。特に前者は代理監督を務めた時のコメントが印象的で、もの静かというより決断力がない。采配もトーリ直系というか丸写し。金魚のフンに甘んじるようなタイプは、指揮官には向いていない。

そういう意味ではジラルディなのだが、こちらは自己顕示欲が突出し過ぎている気がする。マーリンズで名前を売り、たった1年で辞任。YESだけに止まらず、FOXでも解説者を務めるなど虎視眈々と上を狙っているように見える。

解説者としてもセオリーを徹夜で覚えたようなコメントが目立ち、柔軟性のある采配は期待できない。もっともセオリーに忠実な分、優柔不断なトーリよりはマシ。少なくとも観ていて腹の立つ場面は減りそうだ。(終わり)

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