Monday, December 31, 2007

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終わりと始まり。

ブログを始めて1年半、ようやく規定の期間が終わろうとしている。始めた頃はそれなりに楽しかったが、途中からは苦痛で仕方がなかった。それでも続けてきたのは、そんな苦痛から逃げない自分になりたかったから。


(C)Copyright Invisible KMFIS

自堕落な生活から抜け出して、少しでも有益なことをしたい。実はこれがブログを始めた本当の理由でもある。今後のことは決めていないが、その前にこんなブログを読んでくれた人全員にお礼が言いたい。精一杯の感謝の気持ちを込めて、この詩を贈る。

いつか必ず、明かりは消える
寄り添ってもすれ違っても、変わることはない
でも本当は、明かりなんていらないんだ
なぜならこうやって、また日は昇るから

写真はウェストサイドハイウェイ沿いのヘリポートから見た、2007年最後の明かり。向こう側に見えるのはニュージャージー。

Playlist Updated:
ある映画のラストシーンで使われていたColdplayのThe Scientist。この詩はその時に思いついた。詩の出来には自信がないが、今日という日に相応しい曲だと思う。何が悲しいのか、涙が止まらない。

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関連記事:Talk To Kmfiself-1

Saturday, December 29, 2007

Spamania-2

時には美味しいスパム-2(主音声)

スパムメールは平均すると1日3、4通。ほとんどは見ないで捨てるけど、気が向けばさっとは読む。面白そうならサイトに行ってみることもある。最近は逆援?ばっかりで飽きてたんだけど、そんな中に魔法使いからのメールを見つけた。

いつまで汗を流して一生懸命働くのですか??
働けば働くだけ、格差は広がっていきます。
寝ているだけで毎日お金が入ってくる魔法があります。
答えは→→ここをクリック←←

もっと効率のいい仕事がありますよって意味だろうけど、これじゃあんまりピンと来ない。格差が広がるって言っても実害はないわけだから、損してるってことを強調しないとね。そうは言っても魔法は見てみたい。詐欺じゃないとも書いてあったから、その言葉を信じてクリックしてみた。

毎月30万円以上の収入が永遠に確保されて.....

魔法使いも考えたね、保証じゃなくて確保だから。でもさ、やっぱり保証してくれないと話にのれないよ。こっちだって仕事辞めるんだから。

例えるなら、 重力のある場所では、モノを投げれば 必ず下に落ちます。
雨の日に傘をさすと、必ず傘は濡れます。
そのくらいの確率で、毎月30万円以上の現金が入ってくるのです。

下に落ちる、雨に濡れる。どっちもネガティヴイメージじゃん。せっかく例えるなら、もっとポジティヴなことにしないと。

永遠に毎月30万円以上の現金が入手できるのですから、
普通であれば、数百万円以上の価値は十分にあります。

毎月30万ってことは年間360万、3年で1000万は超える計算になる。永遠なんだから少なくとも数千万でしょ。普通であればとか前置きしたり、急に謙虚になるんだね。

こんにちは、私がこの情報をある人のヒントをもらい、開発しました。
今年は団塊の世代の方がたくさん.....

こんな挨拶文が書いてあるんだけど、その横には中年女性が写ってる。どう見てもとってつけたような写真。主婦の友の表紙っていうかね。ところがこの著作権は男の名前になってる。念のため写真のファイル名を調べたけど、平凡な名前で手がかりなし。

★★ご購入者様の声です★★
会社が倒産し、路頭に迷っておりました所.....
報告です♪今日、記念すべき初収入が入りました.....

まあこれもお約束。全部で6人のコメントが写真入りで載ってる。懲りずにファイル名を調べてみると、そのうち3人はやや長い名前で規則性がある。ひょっとしてと思って検索したら簡単にヒット。笑っちゃいけないが、あるストックフォトのサンプル写真だった。

海外のサイトだからバレないと思ったのかも知れないけど、ファイル名ぐらい変えればいいのに。ということで、こういうサイトに騙されてはいけません。ってそんな人はいないか。

これがメジャーですよ。
そんな当たり前のことを分かっていなかったのは間抜けな日本のマスコミと本人だけ。
こんなチームを優先して、ワールドベースボール.....を辞退した松井はアホの一言。
イチローにも人気は抜かれ、いまや日本のCM界でも使われない存在に。 
なんか哀れな選手になった。

これはあるブログにあったコメント。松井のトレード話が元ネタなんだけど、こういう一方的なコメントもスパムだね。ハンドルネームも適当だったし。アホなのも哀れなのも彼(女)。だいたいこれがメジャーって、今どきゴルフの戸張さんでも言わないよ。あ、言ってる?

関連記事:Gonezilla-1

Spamania-1

Thursday, December 27, 2007

Spamania-1

時には美味しいスパム-1(主音声)

一昔前にジャンクメールって言葉があったけど、今じゃスパムと呼ぶのが一般的。メールに限らず、一方的でタチの悪いものは全てそう呼ばれるようになった。確かにウザいんだけど、個人的には楽しんでる部分もある。ということで、今回はスパムの話題。



まずはその呼び名、調べてみたらやっぱり食べ物のスパムと関係があった。詳しくはリンク先を読んでもらうとして、モンティパイソンが由来とは意外。ビデオを見れば分かるように、このしつこさはまさにスパム。普通に見ても面白いけど、スパムメールのしつこさを思い浮かべるとさらに笑える。誰が言い出したか知らないけど、天才的なネーミングだね。

製造元は商標のSPAM(大文字)を強調することで区別したいらしいけど、実際はまんざらでもないはず。元々カルト的な人気があったにしても、これで知名度はかなり上がっただろうから。少なくともオリジナルグッズの売り上げは伸びたと思う。

Welcome to SPAMGIFT.com!

それとスパムがSpiced Hamの略で、公募で決まったってところも面白い。ただ味の方はスパイシーなハムというより、塩辛いだけの魚肉ソーセージ。個人的には嫌いじゃないし、忘れた頃に食べれば美味いとも思う。本題はこれからなんだけど、どうも最近気力がなくなってきた。(続く

参考サイト:スパム - Wikipedia

Monday, December 24, 2007

Between Us-2

カジノとバスにまつわる話(その2): ジットニーとゴールドカード

アトランティックシティーには11のカジノホテルがあるが、隣接しているものは少ない。提携ホテル同士はシャトルバスで行き来できるものの、通常はジットニーと呼ばれる小型バスを使って移動する。


(C)Copyright Invisible KMFIS

ジットニーの歴史は意外にも古く、アトランティックシティーにおいては1915年までさかのぼる。元々運賃が5セント(Jitney)だったことが名前の由来らしい。ちなみに現在の運賃は2ドル、シャトルバスの方はメンバーズカードを持っていれば無料。

参考:ATLANTIC CITY JITNEYS

先日アトランティックシティーに行った時のこと。いつものようにシャトルバスに乗ろうと並んでいると、前にいたカップルが運転手と揉めていた。不思議に思って聞いてみると、システムが変わったことが原因だった。

以前と違ってどのカードでも乗れるわけではなく、ゴールド(*1)の場合は系列ホテルに宿泊していることが条件。幸いプラチナになったばかりだったのですんなり乗れたが、どこか釈然としない。(*1)グレードは順にゴールド、プラチナ、ダイヤモンドの3つ

カードのグレードは主に投入金額で決まる。経済的に余裕がないからシャトルバスを利用するのであって、当然その大半はゴールドカード。そんな人がカジノを支えているという事実から考えても、こういうやり方には賛成できない。そんなことを思いながら発車を待っていると、この疑問に答えるかのように運転手が話し始めた。

「実はここ最近、市と争ってるんだ。向こうはこのシャトルバスを廃止したいんだよ。これがあるとジットニーとかタクシーに乗ってくれないからね。それだけだったらこっちも強気に出れるんだけど、実際はシャトルバスをカジノとは関係なく利用してる住民もいる。」

「ゴールドカードは誰にでも作れるし、カジノをやらなくてもなくならない。だから今までのように、無条件に乗せるわけにもいかなくなったわけ。お客さんには悪いと思うけど、これでも精一杯戦った結果なんだ。」

ただの交通手段として使われるのはカジノ側にとっても損失だが、サービスを続けたいがための妥協案だったのは事実だろう。さっきまでの嫌悪感もすっかり吹き飛び、前回のライダーよろしく住民のたくましさに感心した。

バスとは関係ないが、ついでなのでもう1つ。シャトルバスを待っている時、救急車が目の前に止まった。お客の1人が心臓発作を起こしたとのことだが、それについて救急隊員がこんな風に喋っていた。

「先週も同じようなことがあったよ。きっとバッドラック過ぎて心臓にきちゃったんだね。」

医者と同じように職業柄とは分かっていても、その屈託のなさには驚いた。カジノという場所がそうさせるのか、そう言われるとこっちまでそんな気になってくるから不思議だ。

今回初めて、あるテーマを持ってスライドショーを作ってみた。あえて説明はしないが、記事のタイトルと内容に関係がある。

Play Slideshow: Atlantic City 1012-1407

Between Us-1

Saturday, December 22, 2007

Because Of Thin

6042 from VTech® DECT 6.0 technology

新しい電話を買った。それまで使っていたものが壊れたためだが、これがなかなかいい。特に気に入ってるのは、携帯電話並みに「薄い」ところ。機能的にも問題なく、手にフィットするデザインも使いやすい。


(C)Copyright VTech Communications

この写真は買ったものとは別の、Vtech i5871という上位モデル。日本では未発売とのことだが、見覚えがある人は多いはず。もしかしたら写真を見た瞬間、ピンときた人もいるかも知れない。

I noticed that CTU uses them on 24. Go Jack. : Customer Reviews

実はこれ、日本でも人気の「24」で使われていた電話。どのシーンかは覚えていないが、独特のデザインなので気にはなっていた。これが目当てではなかったが、実際売り場に並んでいたら迷っていたと思う。

この電話には、DSS (Digital Spread Spectrum)が採用されている。どんなものなのか調べてみると、機密性に優れていて盗聴されにくいシステムらしい。単に最先端の技術というだけかも知れないが、傍受や回線に関するプロットが多いだけに面白い。

【楽天市場】アメリカ限定発売! ブイテック電話機ハンズフリー&留守電機能付きVtech i5871 Phone/with Answering

どうしても欲しいならこちらで入手可能。ただし5倍近くするので、海外発送してくれるベンダーを探すか誰かに頼んだ方がいい。

「薄い」「24」で思い出すのは、シーズン5の大統領。あの薄っぺらな人格なくしてシーズン5は語れない。演じているのはグレゴリー・イッツェンという人。まさにハマリ役という感じで、キャスティングの上手さには今さらながら関心させられる。

ただよくよく考えてみると、あれが演技によるものなのかは疑問。それぞれのキャラクターになりきるのが俳優だとしても、その一方で本来の自分を演技に活かすのも俳優。数で言えば後者の方が圧倒的に多いと思う。

目元が厳しい人に気弱な人は少ないし、頭がよさそうに見えれば実際裏切られることも少ない。先日の血液型の話ではないが、やはり顔つきと内面にもある程度の傾向はある。

関連記事:Strange Night

思慮深く誠実、どんな時にも冷静。そんな正反対の人物像を重ねてみたが、どうやってもイメージが沸かない。他の出演作を見るべきなのかも知れないが、そこまでするほど興味もない。

気が向いたので特典映像(Disc12)を見ると、偶然にも答があった。ローガン大統領を演じる彼ではなく、自分自身を演じるグレゴリー・イッツェン。先入観は否定しないが、自分にはその違いが分からなかった。

Wednesday, December 19, 2007

Between Us-1

カジノとバスにまつわる話(その1): ライダー

ニューヨークでカジノといえばアトランティックシティー。最近マンハッタンに程近いヨンカースにカジノが出来たが、東海岸のラスベガスと言われるアトランティックシティーとは全てにおいて差がある。


(C)Copyright Lauren Lancaster for The New York Times

アトランティックシティーまではバスで行くのが一般的。料金はバス会社や行き先(カジノホテル)によって違うが、例えばアカデミーなら30ドルちょっと。チケットには20ドル前後のクーポンが付いていて、カジノ内のキャッシャーで現金化できる。

関連記事:3X Sheraton-1

感じ方は人それぞれだろうが、バス代はバス代と割り切れば20ドル得した気分にはなる。相手の術中にはまっているとはいえ、嬉しいサービスなのは確かだ。

チャイナタウンとは面白い街で、何もかもが安い。偽物も多いので注意は必要だが、食料品などはタクシー代をかけても十分お釣りがくる。

前述のバス代も例外ではなく、ここならほぼ半額。もちろんバス会社は違うが、クーポンは同じように付いている。つまりチャイナタウンから乗れば本当の意味で得をするわけで、これを利用しない手はない。

The Days and Nights of Maurice Cherry - New York Times

そこで登場するのがこの人、モーリス・チェリーさん。チャイナタウンとカジノを往復することが仕事、バスや待合室を寝床として生活している。こんな人たちをライダー(Rider)と呼ぶそうだが、そう言われてみると心当たりがある。

カジノ内で何もせずただ座っているだけの人、バスが来ても乗らない人は実際多い。当初は単純にお金がなくなっただけだと思っていたが、その中にはこのライダーも相当数いるのだと思う。

行き先:Resorts Atlantic City
バス代:13ドル クーポン:25ドル(キャッシュ)

行き先:The Atlantic City Hilton
バス代:18ドル クーポン:22ドル(キャッシュ)+20ドル(match-play coupon)

行き先:Foxwoods(コネチカット州)
バス代:10ドル クーポン:50ドル(match-play coupon)+12ドル(フードチケット)

これは記事中にあった一例。チェリーさんを含めてライダーの多くは毎日1往復はするそうなので、最低でも12ドルは稼げる計算。現金化できないクーポンを売れば、20ドルぐらいまで期待できる。

クーポンを売るのは禁止されているが、実際にはプレーヤーにディスカウントすることで現金化が可能。match-play couponについてはこちらを参照

真っ当な生き方とは言えないが、かといって法を犯しているわけでもない。個人的にはライダーの響き通り、たくましさを感じる。今のところカジノ側も手の打ちようがないようで、当分は彼らも困らないだろう。

たくましいのはライダーばかりではない。というのも、そんな事情を見越してバスの運転手がチップを要求するらしい。タクシーのチップは普通でも、バスのチップなど聞いたことがない。さすが繁殖能力ナンバーワン、恐れ入りましたというところだ。

写真はカジノから数ブロックのところにある、チェリーさん行きつけのレストラン。あまりにもいい写真なので、無断で拝借した。ちなみに注文するのは6ドル50のフライドフィッシュとマカロニとのこと。できれば向かいの席に座って、同じものを食べてみたい。

参考:U.S. FrontLine September 1st week, 2007

Between Us-2

Monday, December 17, 2007

Gonezilla-3

松井がトレード要員になる理由-3: 厄介なジアンビと松井の答

これまで書いてきたように、守備力と役割の違いから松井がポジションを奪われるのは決定的。となれば残るはDH、ジアンビと併用するとの見方が一般的だ。

2001年のオフ、ヤンキースはジアンビと7年1億2000万ドル(約145億円)の契約を結んだ。この年俸20億というのは一流と超一流の境界線。アスレチックス時代の過去3年間の成績(*1)は次の通りで、過大評価ではない。(*1)全て平均、出塁率は概算

試合数155 打率.330 打点127 HR38 出塁率.458

ところがヤンキースに移籍すると、初年度を除いて下降線の一途。病気や故障など要因はあるものの、年俸に見合っているとは言い難い。打率の低さはシフトによるところも大きいが、アスレチックス時代とは別人と考えていいだろう。

初年度(2002年):  試合数155 打率.314 打点122 HR41 出塁率.435
2003年-2007年:  試合数119 打率.248 打点77  HR27 出塁率.393

もっともこのデータは貢献度を表したものなので、実力を計るためには不適当。そこで試合数を155に揃えて、過去5年の成績を松井と比較してみた。

ジアンビ: 打率.248 打点100 HR35 出塁率.393
松井秀喜: 打率.295 打点105 HR23 出塁率.374

打率に差はあるが、全体的にはほぼ互角。とはいえ明らかにピークを過ぎた感のあるジアンビと、未だに安定した成績を残している松井では期待値が違う。チーム一の鈍足、守備がそれほど上手くないことも加味すればどちらを起用すべきかは言うまでもない。

一時の実績と長打に魅了されてしまう野球観。トレードしようにも高年俸がネック、売り時もとうに過ぎている。かといって遊ばせるわけにもいかない。過去の起用法には不自然な点も多く、これ以外にジアンビを起用してきた理由は見当たらない。契約上の問題もあるかも知れないが、おそらくそんなところだろう。

ジアンビの契約は来季で切れる。再契約はまず考えられないので、そういう意味でも来季は使いたい。高年俸の2人が半レギュラーではいかにも効率が悪く、松井には商品価値がある。役割の違いからデーモンに押し出された格好の松井だが、今回もまったく同じ。実力以外の要素が大きいだけに、ファンとしてはやりきれない。

最後にトレード拒否条項について簡単に触れておく。これを根拠にトレードの可能性がないとする論調もあるようだが、年俸と同じように推測の域は出ない。また関係者のコメントから、トレード話が実際にあったのは事実。だとすれば少なくとも打診ぐらいはしているはずで、後で説得することなどあり得ない。

「必要とされるチームでプレーしたい」

これは松井が常々口にする言葉だが、ここに全ての答がある。チームに貢献することが信条であり、記録は二の次。いろいろ言われているが、その延長線上に全試合出場があるに過ぎない。トレード拒否条項の有無にかかわらず、必要とされていないと感じれば居座るようなことはしないだろう。

以上3回に分けて考えてみたが、当分はトレード要員として名前があがるのは避けられない。今のところファーストは空いているようだが、ここが埋まるようなら移籍の可能性はさらに高まる。

「本人が全うしたと思えるまで野球を続けられること」

以前ある関連サイトに、松井に望むこととしてこんなことを書いた。残留して欲しいのはヤマヤマだが、松井に対してだけは本当のファンであり続けたいと思う。(終わり)

Playlist Updated:
今の気持ちを代弁してくれるような、Arcade FireのNeighborhood #2 (Laika).
歌詞にあるAlexをHidekiに置き換えて聴くとさらに燃える。Don't die or dry up!

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Gonezilla-1

Sunday, December 16, 2007

The Mitchell Report

薬物使用の報告書にボンズら大物選手の名前
Major League Baseball: News: Mitchell Report

薬物使用の実態を調査した報告書、通称ミッチェルレポートが公表された。400ページにも及ぶこの報告書には、現役選手を含む89人の名前が記載されている。

The Mitchell Report (PDF)
George J. Mitchell (Wikipedia)

関連記事をざっと読んでみたが、肝心の公表の是非については触れられていなかった。事が起こってからでは遅いかも知れないが、少なくともクレメンスの殿堂よりは重要なことだと思う。

処罰が目的なら公表する必要はないので、見せしめなのは疑いようがない。確かに抑止力という意味では効果的、手っ取り早い方法でもある。ただこういう形で公表してしまうと、名前の有無で善悪を決めるような風潮になりかねない。

報告書に相当程度の信憑性があったとしても、100でないなら同じこと。当事者レベルでは決して許されることではない。

「ミッチェル・リポート」問われる完成度…内容に疑念

本文中にあるように、レッドソックスの選手がガニエしかいないのは不自然。また別の記事によれば、調査協力をしたことで記載を免れた選手がいる。破棄した証拠があったというのが理由らしいが、逆に言えば特定できないまま載せたケースもあったことになる。

薬物使用の現役選手に処罰の可能性も

今後はセリグ次第になるが、外部の圧力(*1)や世論的なことを考えると何らかのアクションはあると思う。面白いのはこの報告書を作成したミッチェル自身が、処罰に反対しているところ。この先は言わなくても分かるだろう。(*1)WADAなど

禁止薬物の罰則が厳しくなったのは2004年以降、一方でこの報告書の大半は2002年以前のものが対象になっている。ルール違反なのは事実だが、子供たちのためと言うなら必ずしも過去をほじくり返す必要はない。

これではベーブ・ルースの墓を掘り起こしているのと変わらないわけで、自らの認識の甘さは棚の上。きちんと対処していれば、こんなに醜い真似はしなくて済んだはずだ。

F the Mitchell Report Video - Burly Sports

大儀のための犠牲と言う人もいるかも知れないが、そんな人のためにこのビデオを用意した。スポーツはエンターテイメント、ドーピングなんて気にしない。言ってることは無茶苦茶だが、前述の理屈よりは数倍マシ。何より小バカにしたようなところが堪らない。

Baseball's Mitchell Report Players - Baseball-Reference.com

最後にこの報告書に記載されている選手を載せておく。あくまで参考程度に見てもらえると嬉しい。詳細はこちら

Friday, December 14, 2007

Gonezilla-2

松井がトレード要員になる理由-2: リードオフマンという認識

グラフィックデザインにおけるタイポグラフィー、料理ならダシというように何事にも基本がある。必ずしも全てに当てはまるわけではないが、ワンランク上を目指すためには必要なことだと思う。

野球においてもそれは同じで、強いチームを作る上では最重要項目と言ってもいい。守備面ではセンターライン(*1)、打線ならリードオフマンと中軸がそれに該当する。(*1)セカンドとショート、捕手とセンター

ヤンキースというのは面白いチームで、未だにこの基本が徹底されていない。前回書いたセンターのデーモン、捕手としては最低レベルのポサダがいい例だ。その一方で血眼になって獲得するのは、基本とは無関係のビッグネーム。今のところは圧倒的な資金力でカバーできているが、少しでも状況が変わればこんなチーム作りは通用しない。

ここ数年のヤンキースは、リードオフマンを固定できずにいた。そこで白羽の矢が立ったのが、レッドソックスからFAになったデーモン。ワールドシリーズ制覇から間もないこともあって、その活躍ぶりが印象的だったのだろう。長年の懸案もこれで解決、最高のセンターを手に入れたというムードさえあった。

当時ブログは書いていなかったが、個人的には反対だった。肩の弱さが致命的な上に、何と言っても出塁率が平凡すぎる。GO/AO(*2)は1.0前後だから、エラーによる出塁も期待できない。ジーターの2番に拘るのは分かるが、それはその前の打者が出塁してこそ。どう考えても効率が悪い。(*2)Ground Outs/Air Outs、ジーターは2.0前後

デーモン.351 ペドロイア/ユーキリス.380/.390 サイズモア.390 フィギンス.393

これは今季プレーオフに出場したリードオフマンの出塁率(*3)だが、いずれも3分以上の開きがある。参考までにデーモンの生涯出塁率は.353、今季が特に悪いわけではない。(*3)シーズン成績、アメリカンリーグが対象

ペドロイアやユーキリスの起用を見ても分かるように、リードオフマンに求められるのは足の速さではなく出塁率。レッドソックスの場合は想定していた選手が期待はずれだったということもあるが、そういう意味ではデーモンもまったく同じ。最終的に帳尻を合わせただけで、シーズンを通して不調だった。

話が脱線してしまった気もするが、一応ここからが本題。記憶が確かなら、今季のデーモンは1番以外の打順に入っていない。これはデーモン=リードオフマンという認識が完全に出来上がっていることを意味する。監督が変わったので一概には言えないが、おそらく同様の認識だと思う。

レフトの守備にそれほど差がないとしても、リードオフマンはデーモンしかいない。逆に中軸を打てる打者はいくらでもいるわけで、結果的に松井が押し出されたという構図になる。ジャイアンツとのトレードは破談になったようだが、過ちに気づかない限り引き続きトレード要員なのは変わらないだろう。

次回はトレード拒否条項とジアンビ。

Gonezilla-1

Thursday, December 13, 2007

Gonezilla-1

松井がトレード要員になる理由-1: レフトの守備

ヤンキースからは少し離れるつもりでいたが、他ならぬ松井のことなので少し書いてみようと思う。今季の松井はDHでの起用が多かった。当初はひざの負担を減らすための措置だったが、デーモンが代役に入ると首脳陣はそれ以上のメリットを感じるようになる。

松井→デーモン=守備力アップ

長嶋の守備を下手だと思う人が少ないように、派手なプレーは印象に残る。全力でプレーするデーモンのファインプレーは評価しても、状況を考えて無理をしない松井のプレーは物足りない。俊足を飛ばして打球を追えば守備範囲が広いと感じるし、逆に打球反応の速さには気づかない。

潜在的な守備力に差があるのは認めるが、レフトに関して言えばほぼ互角。デーモンが慣れるのは時間の問題とはいえ、効果が表れるのはせいぜい来季の後半辺りだろう。

捕球力や守備範囲は主観によるところが大きいが、デーモンの肩の弱さは誰もが認めるところ。外野の浅い所からでも山なりのワンバウンドでは、躊躇なく走られてしまうのは目に見えている。

松井の肩も褒められたものではないが、デーモンの肩は外野手として致命的。それが負担の少ないレフトであっても、右打者が多いことを考えれば根本的には変わらない。

獲得時には諸手をあげて喜び、肩の弱さが目に付くと今度はファーストへコンバート。事前に分からないのも問題だが、それ以上に失敗から何も学べないとは情けない。

ヤ軍、松井秀放出へ 監督の来季構想から外れる

いずれにしても、首脳陣の評価は前述の通り。YESの放送中でも同様の指摘が多かったことから、もはや一般論化していると言ってもいい。(YESの解説を務めていた)ジラルディがそうコメントしたかは別として、この記事を読む限り指揮官もそんな認識なのだろう。

足首の捻挫に始まり、手首の骨折。今思えば、その頃から松井のDHという流れは出来ていた。ひざの故障はそれを本流に変え、同時に松井という選手から守備の二文字を奪うことになる。全てが不可抗力で本人に罪はないが、残念ながらこれが現実。

次回はデーモンを起用するもう1つの理由について。

Tuesday, December 11, 2007

American Way-3

知らぬが仏。

翌朝はドアベルの音で目が覚めた。半分寝たままベッドで様子をうかがっていると、今度は話し声が聞こえてくる。通常こんな時間に来るのは郵便局員ぐらいだが、そうではないらしい。となれば、おおよその見当はつく。意識ははっきりしていなかったが、断片的に聞こえるキーワードは状況を把握するのに十分。荷物が戻ってきたのである。

この通りには同じ外観のアパートが3つあり、荷物を届けてくれたのはそこの住人だった。酔った時などは自分でも間違えるほど似ているので、UPSがそうしたとしても不思議ではない。先日も頼んでもいないピザが来たが、やはり同じケースだった。心配していた荷物は手元にあるし、原因も分かった。一件落着には違いないが、どうもすっきりしない。

まず気になるのは、届けてくれた人が3階に住んでいる(らしい)こと。同じ階ならともかく、ここは2階でも4階でもない。UPSがどんなにいい加減でも、建物を間違えた上にフロアまで間違えるとは考えにくい。念のためパッケージを確認してみたが、住所は間違っていなかった。

UPSの記録によると、配達完了は木曜日。これが事実なら、なぜ今頃(6日後の水曜日)になって届けに来たのか。荷物に心当たりがあれば、その場で開けるのが普通。逆にオーダーした覚えがなければ、差出人やあて先を確認するだろう。どちらにしても間違いにはすぐ気づくわけで、こんなに時間がかかるのはおかしい。

届いたパッケージは未開封だったので、好意的に考えればずっと不在だったということで説明はつく。返しそびれたあげく留守にしたのかも知れないし、その逆でもいい。単に忘れていた可能性もある。ただそうだとしても、最初の疑問は消えていない。何より調査依頼をした翌朝に届いたことが引っかかる。

ともあれ、荷物は戻ってきた。本来なら届けてくれた人に感謝すべきだが、状況が状況なのでそんな気にはなれない。あの時起きていればと悔やんだところで、それほど変わらなかった気もする。真相が知りたいのはヤマヤマだが、今回ばかりは昔のことわざに従って忘れようと思う。(終わり) *タイトルは同名の映画から

American Way-1

Sunday, December 09, 2007

Strange Night

焼肉とカラオケ、フィロソフィー。

一昨日の金曜日、友人の誕生日でコリアンタウンに出かけた。コリアンタウンといえば焼肉だが、日本のスタイルの方が好きなので最近は牛角に行くことが多い。そういう意味では久しぶりになる。味も思っていたより美味しかった。

Wonjo Korean Restaurant

集まったのは合流組も含めると総勢17人。そのほとんどは外国人で、純粋なアメリカ人はたったの2人しかいない。国籍で言えば7つはあったと思う。今となっては慣れてしまったが、こうやって思い返してみると改めてこの街の特異性を痛感する。

誰が言い出したか、その後はなぜかカラオケ。本場の焼肉はせいぜい1年ぶり程度だが、カラオケとなると最後の記憶すら怪しい。おそらく5年ぐらいは経っているだろう。歌わされたピストルズは好評だったが、酔った勢いで自発的に歌った椎名林檎はハズした。

初対面の日本人カップルと仲良くなり、近くのバーでもう1杯。コーヒーが飲みたくなったので、自宅に招待した。きっかけは覚えていないが、気づけば血液型の話題で盛り上がっていた。もっとも当事者は彼と自分だけ、盛り上がったというより口論に近い。

日本人は血液型の話をよくするが、彼はそれを否定するという意味で好きなタイプ。血液型と性格は無関係、ひいては遺伝子と人格の関係まで否定していた。本人の名誉のために付け加えると、そういうもので決めつける人が嫌いらしい。

血液型にしろ遺伝にしろ、個人的にはある程度の傾向はあると思っている。かといって決めつけるようなことはしないし、この手の話をする時には例外はあると前置きもする。当然今回もそうしたが、残念ながら傾向があることに同意してはもらえなかった。

彼の根拠はおおよそこんな感じだ。血液型と性格の関係は科学的に証明されていない。自分の血液型と一般的に言われている傾向を後天的に結びつけて、それを自認することで一般論がより強固になっているだけ。1人として同じ環境などあり得ないので、そういう後天的なものの方が強く影響する。

従軍慰安婦の時にも書いたが、ないと証明することはあると証明するより遥かに難しい。難しいというよりは理論的に不可能、いったいあなたは何をどれだけ知っているのかという話になる。

関連記事:Plan A

もちろんあると思うのは経験論によるところが大きいので、主観の域は出ない。ただ彼が根拠にする科学とは、この世の科学のほんの一部でしかないのも事実。極論すれば、血液型で性格を決めつける理屈と変わらない。百歩譲ってこの世の科学を丸ごと把握できたとしても、それが絶対的なものだとは言えないだろう。

環境が人格形成に強く影響することには同意できるが、それは血液型を否定する根拠にはなり得ない。無限ともいえる環境と血液型の数を単純に比較したに過ぎず、それこそ環境の優位性は科学で証明されていない。

このように突き詰めれば突き詰めるほど根拠はなくなるのだが、経験論がベースになっている以上こちらと大差はない。彼が肯定を否定しているのに対し、こちらが否定を否定している構図も同じだ。

「何事も決めつけることはできない」

何事もとは言っていないが、彼はさかんにこう主張していた。この言葉自体は間違っていないし、こういう思想がなければ正しい判断もできない。真理(真実)には一生たどり着けないのが真理だとすれば、そこに一番近い考え方と言うこともできる。

ただこれが突出してしまうと、個人が意見を持つことに意味がなくなってくる。結局分からないのだから、思考という行為そのものが無駄になるわけだ。考えることを否定するのは文明を否定するのと同じ、少なくとも議論に持ち込むのは間違っている。

理論の決め手が本当のところは分からないでは主張する意味がないし、当然聞く価値もない。その一方でそんな人も確率で行動しているわけで、主張自体が体のいいスケープゴート。この部分が両者の決定的な違いであり、今回最も書きたかったこと。

「あなた文系でしょ?」

話が収まった直後、意地悪くこんなことを言ってしまった。どうやら図星だったようで、答える代わりにサラリーマンの90%は文系と切り返された。もちろん事実無根だが、そんなことを言った自分が悪いので適当に頷いておいた。

彼のニックネームはフィル、名前に哲(*1)がつくところが由来らしい。肝心の血液型は、彼がAで自分はO。さすがに文系のA型とは言わなかったが、彼にはそう聞こえたかも知れない。(*1)哲学=Philosophy

Friday, December 07, 2007

American Way-2

自分のためなのか、それとも。

すぐにでも探して欲しかったが、事はそう簡単ではなかった。というのも荷主の調査依頼(Stolen Investigation)がないとUPSは何もできないらしく、これ以上話しても進展は得られそうにない。落ち度のないこちらが動くのは不本意だが、仕方なくスワロフスキーに調査依頼を申請した。

申請はしたものの、調査は通常10日前後かかるとのこと。UPSの過失が確認されれば返金されるが、実際のところその保証はない。仮に過失が認められたとしても、それが半年後の可能性もある。つまり所定の手続きを踏んだだけでは気休めにしかならず、泣きを見ないためには二重三重にも手を打つ必要がある。

オーバーに聞こえるかも知れないが、これがアメリカ社会の実情。自分の利益は自分で守るのが当たり前だし、黙っていればほぼ間違いなく損をする。黙っていることが時には美徳、暗黙の信頼関係で成り立っている日本とは根本的に違う。

「名乗り出なければ警察に届ける」

荷物が盗まれたとすれば、犯人は同じアパートの住人の可能性が高い。そこでこんな趣旨の張り紙を考えたが、あまり効果はなさそう。何より恥をさらしているようで、気が進まない。警察が相手にしてくれるかは別として、最後の手段として取っておくことにした。

購入時に使ったアメックスには、ショッピングプロテクションというサービスがある。カード会社に肩代わりしてもらうのは気が引けるが、それが適用されれば少なくとも持ち出しはなくなる。

通販がさかんなアメリカなら、同様のトラブルも多いはず。それなら日本の消費者センターに該当する機関があるだろう。そう思って調べようとしたが、そんなことをするぐらいなら弁護士に聞いた方が手っ取り早い。この程度なら無料相談のサービスで事足りる。

訴訟という手段がないわけではないが、これには金額以前に苦い経験がある。詳しくは機会があれば書くとして、ゲームに勝って勝負に負けたと言えば察しはつくだろう。弁護士のリストアップをして、その日はベッドに入った。(続く

American Way-1

Wednesday, December 05, 2007

American Way-1

スワロフスキーとUPS。

1週間ほど前、日本に住む友人に頼まれてあるもの(下記リンク)を買った。商品自体は日本でも手に入るが、こちらで買えば178ドル(2万円弱)で済む。自宅までの送料もかからないので、日本に送ることを考えてもかなり安い。

スワロフスキー・クリスタル 日本 - Lock In USB Memory Key

話は逸れるが、ちょっと前まではオンラインでものを買うことに抵抗があった。ところが今では当たり前のように利用している。より安い買い物をするためには必要不可欠なのだが、セキュリティー面の不安が消えたわけではない。

PCの保護には細心の注意を払っているし、サイトの信頼性も以前と比べれば格段の進歩があるとは思う。ただその実態を把握していないのも事実で、そういう意味では時代の持つムードに流されてしまっていることになる。

当たり前が当たり前でないのは世の常であり、何か事が起こってからでは遅い。オンラインショッピングはこれからも利用するつもりだが、よく考えもせず行動している部分は反省しなくてはいけない。

UPSのスケジュールでは木曜日に届くはずだったが、案の定その日の配達はなかった。あってないような地下鉄の時刻表しかり、全てにおいてアバウトなアメリカではこういうことはよくある。容認しているわけではないが、この感覚を受け入れない限りこちらではやっていけない。特に気にも留めず、数日が過ぎていった。

週が変わった月曜日、ふとそのことを思い出した。何となく嫌な予感がしたのでサイトで確認してみると、そこには配達済みと書いてある。配達日は木曜日で、ドアを開けてサインをしたことになっていた。もちろん商品は届いていないし、サインもしていない。記憶違いの可能性もあるので部屋を調べてみたが、やはり届いていない。

翌日販売元のスワロフスキーに事情を話すと、UPSの責任なので返金はできないとのことだった。自らUPSに依頼しておいて責任がないというのもヘンな話だが、ラチがあかないので今度はデリバリーしたUPSに連絡。

すると、荷物はドアの前に置いたという返事が返ってきた。不在ならともかく、ドアのベルも鳴っていないのだからどう考えても不自然。そもそも配達したドライバーがそこまで覚えているはずもなく、仮に覚えていたとしても即答できるわけがない。サインの記録があやふやなことと、配達した事実を結びつけるためのデタラメだろう。

いずれにしてもこちらのサインがない以上、UPS側に責任がある。日本の感覚ならすぐにでも弁償の手続きという話だが、どうやらそうはいかないらしい。それどころか、泣き寝入りの可能性まで出てくる始末。思いのほか長くなったので、その後の展開は次の機会に。

Monday, December 03, 2007

End Of An Era-4

ヤンキースの12年(その4): 金満チームの立役者

他チームとの差をより明確にするため、今回は年俸格差という形でグラフ化した。金額では比較にならないので、格差ゼロを100とした相対値(*1)で示してある。(*1)1位または2位との格差/ヤンキースの総年俸×100+100


ヤンキースは96年からの5年間で、4度のワールドチャンピオンになっている。文字通りの黄金期だが、年俸にそれほど格差は見られない。逆に2002年以降は2位との格差を広げているものの、その間の成績は1度のリーグ優勝を除いて全て地区シリーズ敗退。

これはヤンキースの圧倒的なチーム力を証明すると同時に、トーリとキャッシュマン体制(*2)の無能さを意味する。奇しくも野球に無知なスタインブレナーと同様のチーム作りになっていたわけで、それは前任者の恩恵の時期と黄金期が符合することからも分かる。(*2)トーリの就任は96年、キャッシュマンは98年

たった1度の好成績にすがって不良債権化したライトパバーノ、打撃力が勝敗を支配するという野球観から派生した過剰な野手陣。リードオフマンとしてだけでなくセンターとしても物足りないデーモンを獲得し、挙句の果てには弱肩を理由にファーストの練習までさせるお粗末ぶり。

例を挙げればキリがないが、成績の伴わないただの金満チームにしてしまった責任は大きい。この点についてはトーリだけでなく、GMのキャッシュマンもまったくの同罪。トーリを擁護していたのがキャッシュマンだけだったのは、単に同じニューヨーク派ということだけが理由ではないだろう。

以上4回に分けて検証してみたが、トーリとヤンキースの成績に関連性は認められなかった。それどころか、その無能さが浮き彫りになったとさえ思っている。とはいえ全てが主観であることに変わりはなく、推測の域を出ないのも事実。

残るは後任のジラルディということになるが、それで判断するのはあまりにも危険。ある程度のチーム力と最低でも5年の月日が必要だし、仮にそれを満たしたとしても立証するだけの根拠とは程遠い。

ドジャースについても同様で、たとえワールドチャンピオンになっても何一つ変わらない。資金力の乏しいチームなら考慮の余地もあるが、ドジャースはまったくの逆。これだけ書いて断言できないのは残念だが、答は永遠に闇の中だろう。

死の概念を一生分かり得ないように、この世の中には答が見つからないものは多い。因果関係では説明できなくても、確実に存在するものがある。時にそれは運という言葉で説明されるが、トーリの存在はそんな集合に属しているのだと思う。

さて、最後に新監督のジラルディについて少し。ペーニャとマッティングリーの三つ巴だったらしいが、個人的な希望は消去法でペーニャ。マッティングリーにだけはなって欲しくなかった。

というのもマッティングリーはあまりにも頼りなく、ジラルディは実力以上にヤマっ気が多いと感じたから。特に前者は代理監督を務めた時のコメントが印象的で、もの静かというより決断力がない。采配もトーリ直系というか丸写し。金魚のフンに甘んじるようなタイプは、指揮官には向いていない。

そういう意味ではジラルディなのだが、こちらは自己顕示欲が突出し過ぎている気がする。マーリンズで名前を売り、たった1年で辞任。YESだけに止まらず、FOXでも解説者を務めるなど虎視眈々と上を狙っているように見える。

解説者としてもセオリーを徹夜で覚えたようなコメントが目立ち、柔軟性のある采配は期待できない。もっともセオリーに忠実な分、優柔不断なトーリよりはマシ。少なくとも観ていて腹の立つ場面は減りそうだ。(終わり)

関連記事:Be Born Lucky

End Of An Era-1




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