Friday, February 29, 2008

Hot Stove 2008-1

ストーブリーグ 2008: 再契約(その1)

レギュラーシーズン開幕まで1ヶ月。オープン戦も始まることなので、オフの動向をメモ代わりにまとめてみる。ますは再契約組から。成績は2007年度、カッコ内は生涯成績。

ヤンキース、アブレイユ外野手と来季オプション行使 スポーツ Reuters
Abreu coming back to Yanks

ボビー・アブレイユ 外野手 33歳 右投左打
158試合 .283(.300) 16本 101打点 123得点 25盗塁 出塁率.369(.408)

スランプの影響もあってやや不本意なシーズンを送ったものの、安定性は抜群。年齢的には微妙だが、素直なバッティングフォームからいってもオプション行使は妥当。高い出塁率に加え俊足なので、本来はどこでも打てる。123得点はアメリカンリーグ2位のキャリアハイ。守備は平凡だが肩はいい。

ヤンキースのポサダ、4年契約に合意 スポーツ Reuters
Yanks make Posada signing official

ホーヘイ・ポサダ 捕手 36歳 右投両打
144試合 .338(.277) 20本 90打点 91得点 2盗塁 出塁率.426(.381)

打撃面では生涯最高の成績を残したが、捕手としては相変わらずの低レベル。好みの問題とはいえ、こういうチーム作りは賛成できない。ましてや40歳までの契約となると、不良債権化する可能性も十分。後継者がいないことを考慮しても、さすがに4年契約は長い。打撃偏重とはまさにこのことで、どこかのGMが笑っているに違いない。

ヤンキース、ポサダのバックアップ捕手と再契約
Yanks keep Molina with two-year deal

ホセ・モリーナ 捕手 32歳 右投右打
69試合 .257(.243) 1本 19打点 18得点 2盗塁 出塁率.274(.279)

扱いはバックアップだが、捕手としてはむしろ逆。捕球力の高さや強肩など、どれを取っても正捕手に相応しい。バッティングも数字ほど悪くないので、年俸400万ドルなら安い買い物だろう。これに伴い、ユーティリティープレーヤーのフィリップスがDFA。詳しくは別の機会に触れるが、その後の補強を考えるとこれも笑いもの。

A・ペティット、ヤンキースに残留 スポーツ Reuters
Pettitte accepts arbitration

アンディ・ペティット 先発 35歳 左投左打
15勝9敗 防御率4.05(3.83) 投球回215.1 三振141 四死球70 被安打率.286 WHIP1.43(1.36)

自身の持つオプションを行使、年俸は1600万ドル。打撃偏重のチームカラー同様、ビッグネームに大枚をはたいてしまう典型的な例と言える。見ての通り毎回ランナーを背負うタイプで、個人的にはまったく信用していない。ただし未知数の部分が多い先発陣の中にあっては、多少アテになる存在ではある。

The New York Yankees: Tickets: Single Game Tickets

関係ないが、今日からシングルゲームのチケットが発売になった。現在のヤンキースタジアムは今年で見納めなので、観戦予定のある人は早めに購入した方がいいだろう。肝心のオールスターはまだらしい。

関連記事:Playoff Roaster 2007-1, Playoff Roaster 2007-2

Hot Stove 2008-2

Monday, February 25, 2008

The Art Battles

ブルーに燃えたカストロ
Danielle Mastrion Beat The Battle

先週の金曜日、The Art Battlesというイベントに行った。内容は今流行りのライブペインティング、合計3ラウンドの勝ち抜き戦で優勝者が決められる。元々はMTVの企画だったようで、この日はその時に優勝したConcepというアーティストも参加していた。

About Art Battles
Art Battles MTV
MySpace.com - concep


(C)Copyright Invisible KMFIS

参加者の1人であるダニエルは間接的な知り合い。審査員が観客ということもあり、是非応援して欲しいというのがこのイベントに行ったきっかけ。話によると前述のConcepが参加するとあって、少し緊張していたらしい。

芸術において偶然性は不可欠。もちろん一概には言えないが、個人的には最も惹かれる部分。準備期間はあるにしても、絵が完成していく様子を生で見られるというだけでワクワクする。会場では応援そっちのけで、一心不乱にファインダーを覗いていた。

「Yo, What's Up Man?」

写真を撮っていると、見知らぬ男が近づいてきた。そして拳を突き出しこのセリフ。反射的に応えたものの、何のとこだかさっぱり分からない。話を聞いてみると、彼はある会社のクリエイティブディレクターだった。

用件は撮った写真を送って欲しいというものだったが、この軽さは日本ではまず考えられない。不快に感じることもあるとはいえ、こういう垣根の低さがここを離れられない理由の一つでもある。直接は関係ないが、これに関して面白い記事を見つけた。

ハーレム通信 : Yo, What's Up Man? の「Man」はどこから来たのだろうか?

参加者の中にはPesuという日本人アーティストもいた。作品は嫌いじゃないが、日の丸を掲げて登場したのは残念。愛国心は認めても、人種や国籍を強調するのは明らかに時代遅れ。こういう意識があるうちは、日本はいつまで経っても本来の先進国にはなれない。

- PESU ART -

予定があって途中で会場を出たが、翌日当のダニエルが優勝したことを知った。強敵のConcepを破ったのだから、相当嬉しかったに違いない。タイムリーなカストロをモチーフにしたことも、勝因に繋がったのだと思う。ちなみに最終ラウンドはそのConcepと、写真に後姿で写っているMcIlwaineの三つ巴だった。

Leif McIlwaine Maui Fever MTV

例によってスライドショーを作ってみた。映像と音楽が同期しないようなら、キャッシュを読み込んだ後に巻き戻すと動作するはず。画質は悪くなるが、念のためYouTubeにもアップしてある。写真をじっくり見たい人は、Flickrのページを参照。

Play Slideshow: The Art Battles 022208

Click photo above to watch slideshow. Once loading whole cache, rewind and play. (in case no sync between movie and music)
If you don't care about quality, choose Youtube below.
Also 87 photos available on Flickr.

YouTube - The Art Battles In New York
The Art Battles - a photoset on Flickr

Friday, February 22, 2008

Anna Nalick, Wreck Of The Day ('06)

あるがまま、それは過去への入り口

このところ、毎日のようにこの曲を聴いている。聴けば泣き、泣いては聴くの繰り返し。何がそうさせるのかは、自分でも分からない。ただただ、苦痛と快感が混在した感覚に酔いしれているだけ。無意識に封印した記憶は蘇り、受け入れるかどうかの選択に迫られる。


Wreck Of The Day (2005)

「人生は様々、重要なのはそれをどう生きるかということ。病気は生きることや愛することを止められない。あるがままを受け入れることは、大きな強さを持つことに等しい」

これはLostにローズ役で出演している、L・スコット・コールドウェルのコメント。結婚してすぐに夫を亡くし、人生経験も豊富。一点の曇りもなく話す姿には、恐ろしいまでの説得力があった。ただしそれを実行するとなると話は別。思いたいことと思うことが違うように、全てを受け入れるのは簡単ではない。

L. Scott Caldwell - Lostpedia

何の因果か、今はこうやってブログを書いている。何かを表現しながら死にたいという願望はあるものの、これは明らかに違う。少なくともそう思いたい。聴けば泣くと同じように、そんなループが延々と続く。

Anna Nalickは弱冠21歳のシンガーソングライター。普段ならこんな枕詞には否定的だが、その表現力を考えると使わざるを得ない。人の持つ奥行きは年齢とは無関係。このアルバムを聴いていると、素直にそう思える。

Play Full Length (MySpace.com)
Play And Download (iTunes Music Store)
Play And Buy (Amazon.co.jp)

Play Best Tracks

Anna Nalick Official Website
Index: Best Tracks

Thursday, February 21, 2008

To You

タケシ君へ

まだまだいろんなことがある年齢だけど、今回は貴重な経験をしたみたいだね。嬉し泣きなんて滅多にあることじゃないし、人間なんてそのために生きてるようなもんだから。この思い出を忘れずになんてことは言わないけど、時には無理にでも思い出してみるといいよ。それがどんな時でも、絶対マイナスにはならないはず。

この先もっともっと泣けることを願ってる。

K

Wednesday, February 20, 2008

Friendly Rivalry-2

コカコーラ〇 vs ペプシ

本家のアメリカではその差(*1)が縮まりつつあるものの、世界的にはコカコーラが圧倒。過去に形勢が拮抗したのは、84年に行われたカンザス計画直後の1度だけ。あの手この手で必死に食い下がるペプシも、現状では牙城を脅かすに至っていない。(*1)コカコーラ41%、ペプシ33% 

Coke's Markets Decline Worldwide - New York Times
カンザス計画 - Wikipedia

比較広告やキャラクターに頼りがちなペプシに対し、コカコーラはファミリー路線と広告戦略も対照的。もっとも市場原理や支持層から考えれば必然で、逆にこの構図が続く限り大勢は変わらない。同じようにファミリー路線で成功している企業としては、トヨタが有名。

「ロックフェラー 対 ロスチャイルド」説の研究

このページにコカコーラはシオニスト(ユダヤ)系、ペプシはアングロサクソン派の米保守本流系という記述がある。仮にこれが事実だとすれば、コカコーラがリベラルな民主党支持というのも頷ける。直接は関係ないが、読み物としてはかなり面白かった。

ヤンキース〇 vs レッドソックス

1920年、レッドソックスはベーブ・ルースをヤンキースに放出。以降両チームの明暗が分かれた(バンビーノの呪い)ことから、ライバル関係はこの時からと言われている。当時のことは分からないが、ここまで過熱したのはごく最近。具体的には、共に優勝争いするようになった98年辺りからだと思う。

各年度チーム順位 1990年代

ライバルというと闘争心むき出しのように思われがちだが、それを演じているのはあくまでファン。当の選手はそれほど意識していない。そういう意味では、ファン同士がライバル関係にあるといった方が適切。

ファンの熱気は相当なもので、結果的にほとんどの試合が特別な意味を持つ。実際ヤンキースの松井もコメントしているが、特にフェンウェイパークは見た目以上に独特な雰囲気があるらしい。

タイムワーナー vs ヴァライズン〇

以前も書いたように、タイムワーナーはマンハッタンのプロバイダ事業において圧倒的なシェアを誇ってきた。前述のコカコーラとペプシで言えば間違いなく前者なのだが、戦略的にはまったくの逆。ずっと前から比較広告を繰り返している。

関連記事:Hookers

一方のヴァライズンは、当初から自社のサービスを強調。知る限りでは比較広告はしていない。ところがここにきて、タイムワーナーが比較広告をしなくなった。ケーブルが速かったのは昔の話。あぐらをかいている間に、DSLに先を越されたというわけだ。

消費者の嗜好に左右される食品と違って、こういったサービスには数字という明確な指標がある。そこに信憑性があれば比較広告も有効だが、いったん手を出してしまうと次の戦略に困る。

新世代DVD:東芝がHD撤退(その1)- 毎日jp

優位のうちは問題にならないが、形勢が逆転するようなことがあればそれこそ手の打ちようがない。先日決着した次世代DVDにおいて、唯一両天秤だったのがタイムワーナーを親会社に持つワーナーブラザース。これでDVDソフトの販売シェアがハリウッド最大というのだから、世の中は分からない。

次々にヒット商品を生み出すアップルと、東芝と共に敗れたマイクロソフト。日本では依然人気のヤフーと、後発組にして最大手のグーグル。身近な例はまだまだあるが、疲れてきたのでまたそのうちに。

Friendly Rivalry-1

Monday, February 18, 2008

Friendly Rivalry-1

新世代DVD:東芝、HD完全撤退を19日午後に発表 - 毎日jp

今から20年ほど前、VTRの規格(ベータとVHS)でも同様の争いがあった。性能面で圧倒的に優位に立ちながら、結局はベータ陣営(主幹ソニー)の敗北。当時はいわゆるベータ派だったので、自分のことのように悔しかった記憶がある。

Toshiba D-R400: DVD Recorder* with 1080p** Upconversion

このニュースの直後、偶然にも東芝製のDVDレコーダーを買った。お目当てはアップコンバート(アップスケーリング)という機能。画素数をHDレベルまで拡張してくれるため、ふれこみ通りなら(HDテレビでは)DVDがより鮮明になる。

アップスケーリングとは 【アップコンバート】 - 意味・解説 : IT用語辞典

買うまでは半信半疑だったものの、いざ使ってみるとなかなかいい。画面のザラつきがなくなり、全体的にも滑らか。デジタル放送とまではいかないまでも、そう遠くもない。録画機能のないものならさらに安いので、現状の画質に不満な人は試してみるといいだろう。

この機種を選んだ理由はいくつかある。まずは互換性。使っているテレビが同じ東芝製ということで、他のブランドは選びたくなかった。価格のわりに、レビューが高評価だったことも大きい。ただそれとは別に、東芝というブランドに思い入れがあったのも事実。ソニーが嫌いというのもあるが、従来のブランド名を貫いているところに好感が持てる。

パナソニックのようにあか抜けているわけでもなく、発音もしにくい。そんなハンデがありながら、アメリカでも立派にやっているところが何とも力強い。これはタグライン(コーポレートスローガン)にも表れていて、オリジナリティーに欠ける(*1)タグラインを平気で使っているソニーとは根本的に体質が違う。

Leading Innovation (東芝)
Like No Other (ソニー)

ちなみに東芝を英語で発音するとトシィバ(シィにアクセント)。自分ではそれっぽく発音したつもりだったが、残念ながらすぐには通じなかった。(*1)代表的なのはHummerのLike Nothing Else

東芝のHD撤退に株価は好感、損失額・ブランド低下は限定的の見方 Reuters

消費者を置き去りにしたとの声も聞かれる東芝だが、意外にも株価は上昇。この記事によれば、早期に見切りをつけたことが評価に繋がったようだ。いずれにしても次世代メディア(DVD)はこれで一本化。ハードのコストダウンは時間の問題で、1年もすれば手の届く価格になるだろう。

次世代DVD - Wikipedia

前回の雪辱を果たしたソニーと違って、個人的には2連敗。当事者でもないのに言うのもおかしな話だが、考えてみると似たようなケースは多い。コカコーラとペプシがいい例で、ほとんどの人がそのどちらかを支持していると思う。ということで、次回はそんなライバル関係を身近なところで書いてみる。

Friendly Rivalry-2

Friday, February 15, 2008

I Just Say Thank You

たった3行のマジック。

昨日はバレンタイン。誕生日やクリスマスと同じように、自分にとっては何の意味もない日だ。素敵なニューヨークの風景でも載せればそれらしいのだろうが、あいにくそういうのは趣味じゃない。ただそうと分かっていたら、あんなくどい記事は書かなかったとは思う。

何度も書き直していたせいで、終わったのは午前0時過ぎ。ふとメールをチェックすると、ある人からメッセージが届いていた。

Thank you for touching and impacting my life as you have.
Happy Valentine's from me to you...!
I wish you and yours love's blessings from head to toe, today and every day...

誰かのために誕生日を祝うのは好きだが、逆は好きじゃない。そんなお金と時間があるなら、自分のために使って欲しい。ひねくれているわけではなく、心の底からそう思う。

ただ昨日は違った。こんな気持ちになるのはいつ以来だろう。あと何年生きるか分からないが、生涯忘れられないバレンタインになった。

Thursday, February 14, 2008

Gender Bender

先日青いblogのaoiさんから、こんなコメント(要約)をもらった。

「日本人男性が仕事の延長でアメリカに住むのに対し、女性の場合は国際結婚やパートナーの力を借りるケースが多いと思います。これは男性のタフさとか、バイタリティに起因するものなのでしょうか?」

https://www.blogger.com/comment.g?blogID=31150978&postID=793014853101570442

これはずいぶん前から引っかかっていたことで、ある意味では自分という人間の核に関する事柄でもある。すでにおおよその結論は出ていたものの、デリケートな問題でもあるので即答は避けた。熟考したとは言えないが、現時点での考えを書いてみる。

当然のことながら、アメリカに住むには滞在資格が必要。住むだけなら語学学校にでも入れば可能だが、働くとなると所定のビザかグリーンカードを取得するしかない。ビザの中で最もポピュラーなのはH-1B。ただしその申請資格や審査は厳しく、雇用主(現地法人)の負担も大きいため取得するのは難しい。

アメリカ就労ビザ

また申請者にとっては弁護士費用(*1)もネックで、通常5000ドル前後かかる。よほどの人材か良心的な企業でない限り、費用は自己負担と考えるのが一般的。(*1)申請自体は個人でもできるが、専門の弁護士を使うのが有利とされる

プラクテイカルトレーニング

こちらの大学を卒業すると、プラクティカルトレーニングと呼ばれる1年間の猶予を与えられる。簡単に言うと就職活動するための期間で、その機会は一生に一度しかない。期間中に就職先が見つかればいいが、上記の理由から帰国を余儀なくされる人は多い。アドバンテージがあってもこんな状況だから、日本に住む人にとってはさらに厳しい。

米国移民ネット - DVプログラム(永住権抽選プログラム)

となれば残るはグリーンカードだが、こちらも取得が難しい。端的に言って、アメリカ市民と結婚するかロッタリーの二択しかない。結婚は相手あってのことだし、ロッタリーは文字通りの運任せ。H-1Bビザ同様、あまり現実的とは言えない。参考までにH-1Bビザを持っていれば、グリーンカードの申請資格は得られる。

このように一口にアメリカに住むといっても、それを実現できる人はごく僅か。事前の計画性や努力は言うに及ばず、少なからずお金もかかる。偉そうに書くつもりはないが、思いつきや憧れだけでは夢のまた夢に終わってしまうだろう。

秀でたスキルもなく、学歴や職歴も平凡。特にお金があるわけでもないが、それでもアメリカに住みたい。仮にこんな人がいたとする。これまでの経緯からすれば無茶な話だが、自尊心さえ捨てればそれほど難しくはない。そう、アメリカ人と結婚すればいいのだ。

前述したように、結婚や恋愛は相手あってのこと。この部分では確かに難しいが、それが女性の場合は話が違ってくる。というのもアメリカ人男性にはなぜかアジア人好きが多く、より好みさえしなければ付き合うことはできる。

反対にアメリカ人女性は、アジア人をその対象から外していることがほとんど。人種のルツボといわれるニューヨークでさえこうなので、アメリカ全土で言えばさらにこの傾向は強いと思う。

女性の方が声をかけられやすいことから考えても、その気になれば結婚も夢ではない。実際グリーンカード欲しさに結婚した(すぐに離婚)女性を知っているし、よく耳にする話でもある。つまり日本人男性にとって結婚という選択肢は最初からないわけで、その差がこんな現象を生む一因になっているのだと思う。

もう1つ考えられるのは、男女間における依存度の違い。一概には言えないが、女性は自らの人生を伴侶に委ねることが多い。欧米社会ならまだしも、保守思想の強い日本人にはある程度当てはまるはずだ。

単なる慣習と言えばそうだし、男社会のせいにする人もいるかも知れない。ただその一方で、女優が結婚するのは決まって青年実業家という事実もある。成功する人は中身も立派という理屈は、さすがに苦しいだろう。いずれにしても男性に花嫁修業的な側面は存在しないから、ここでも選択肢が問題になってくる。

楽な方を選びたくても、そもそも男性にはその道がない。(現代社会においての)野心は本来性別に関係なくあるはずで、逃げ道の有無が全て。タフさではむしろ女性の方が上だと思う。以上で話は終わりだが、誤解されたくないので少しだけ。

たとえ状況は厳しくても、個人的には自分の意思を尊重して欲しい。行動する前に考えろとはよくいわれる言葉だが、時にはその逆が好結果を生むこともある。偽装結婚は感心しないが、不法滞在ぐらいなら構うことはない。アメリカとはそういう場所だと思うし、上手くいなかくても行動しなかったことを悔やむよりはずっといい。

Tuesday, February 12, 2008

Johan Santana's Resume

ヨハン・サンタナの略歴

サンタナはルール5ドラフトで獲得された選手。前回の記事で書くつもりだったが、うっかり忘れてしまった。詳しくは後述するとして、他にも興味深い事実があったので併せてメモしておく。

元々は外野手:
リトルリーグ時代にショートから外野手に転向。それまでは父親のグラブを使っていた関係で右投げだったが、これを機に本来の左投げに戻す。同じようにグラブがきっかけになった選手としては、中日の今中が有名。ただし彼の場合は生涯左投げ(右利き)だった。

16歳でプロ入り:
誕生日を迎えたばかりの95年7月、アストロズと契約。当初はロッキーズも興味(*1)を示していたが、最終的にはAndres Reiner(アストロズのスカウト)の献身的な努力が実を結んだ。外野手として契約したものの、強肩から投手に転向。(*1)ロッキーズのトライアウトを受けている

アストロズ時代:
メジャー級の資質を見込まれ、17歳でドミニカンリーグに参加。主に中継ぎ投手として、被安打率.178と抜群の成績を残した。その後はやや伸び悩んだが、99年に再び頭角を現し(*2)トッププロスペクトの仲間入りを果たす。(*2)防御率4.66 150奪三振 投球回160 登板数26 / 1A Michigan Battle Cats

新天地:
メジャー入り目前のサンタナだったが、結局40人のロースター枠に入ることはできなかった。その後ルール5ドラフトで指名を受けたマーリンズへ、即日トレードでツインズに移籍する。参考までに40人枠の最後の椅子を争ったのは、同じ1Aで抜群の成績(*3)を残したアーロン・マクニールという選手。

Aaron McNeal Statistics - The Baseball Cube

調べてみるとメジャー経験はたったの1試合しかなく、2005年を最後に記録が残っていない。引退したかどうかは不明だが、少なくともメジャー傘下のチームではプレーしていないと思う。(*3).310 38HR 131打点

ツインズ時代:
2000年の4月、デビルレイズ戦でメジャーデビューを飾るが2勝止まりでシーズンを終える。その後の成績も思わしくなかったが、2002年にチェンジアップをマスター(*4)し素質が開花。ついにはサイ・ヤング賞を獲得(2004、2006年)するまでになる。(*4)チェンジアップ自体は10代から投げていた

こうやって振り返ってみると、素質を見抜き獲得に尽力したAndres Reinerの顔が目に浮かぶ。サンタナに限らずおししいところを持っていかれる例はいくらでもあるのだろうが、個人的には映画のような親友関係になっていてくれると嬉しい。

With Affection To A Great Baseball Fan
素晴らしき野球ファンに、愛を込めて_Andres Reiner

Playlist Updated:
自分でも病気だと思うが、これを書いていたら涙が出てきた。さっきから繰り返し聴いているこの曲のせいだろう。例によってバーボンを飲みながら上半身裸というありさまだ。

Play Sub Tracks

参考サイト:
ヨハン・サンタナ - Wikipedia
JockBio: Johan Santana Biography

関連記事:Big Bucks, Big City-1

Sunday, February 10, 2008

Big Bucks, Big City-2

5+1-1≠5

野球というスポーツは点取りゲーム。より多く得点した方に軍配が上がる。つまりどんなチームカラーにせよ得失点差のバランスで全てが決まるわけで、それがチーム力と言っても間違いではない。

ヤンキースの所属するアメリカンリーグ東地区を例に取ると、1試合に換算した平均得点は5.1。また失点の指針となる防御率は概算で4点台半ば(いずれも2007年)。調べてはいないが、メジャーリーグ全体でもこれに近い数字になると思う。

3.5-4.0-4.5-5.0-5.5(左から順にエース、2番手)

これは平均防御率を4.5とした先発投手のモデル。このチームに1試合平均5点取る能力があれば、計算上は3勝2敗(勝率.600)が望める。もっともブルペンの防御率は度外視しているし、エラーによる失点もあるので実際こうは上手くいかない。

さて、ここにサンタナが加入するとどうなるか。本格化した2002年以降の平均防御率(3.1)を代入してみる。

3.1-3.5-4.0-4.5-5.0(平均4.0)

同じように単純な見方をするなら、どの試合でも勝負になるのが分かる。サンタナが先発することで勝ち星を計算できることはもちろん、それ以上に従来の5番手を起用せずに済むのが大きい。

勝ちと負けでは相対値で2つの開きがあるように、先発陣全体の底上げができることに意味がある。また日程によっては5番手を飛ばすことも少なくないので、そうなればさらにメリットは増す。大きな怪我もなく、200イニング以上の登板が期待できるのも好材料。

The Official Site of The New York Mets: Johan Santana

このように、絶対的なエースの加入で得るものは見かけ以上に多い。9人の共同作業である打撃と違って、先発投手はたった1人でその試合のカギを握る。野球が投手と言われる理由の1つはこれで、そういう意味でもヤンキースが獲得できなかったのは悔やまれる。

Aロッドの再契約には賛成だが、死に物狂いで獲得すべきなのはサンタナ級の投手。資金力のないチームならまだしも、2007年のペイロール(*1)もダントツの1位。(*1)9年連続1位、2位のレッドソックスとは6000万ドル差

関連記事:End Of An Era-4

ビッグネームのFA選手に大枚ははたくが、有望な若手は手放せない。どのチームも限られた条件で精一杯やっているのに、こんな都合のいい姿勢では通用するはずがない。キャッシュマンに全てを押し付ける気はないが、彼がいる限り簡単には好転しないだろう。

ついヤンキースの話になってしまったが、最後にサンタナの成績を紹介しておく。比較対象として、個人的に評価の高い3人(*2)を挙げてみた。いずれも生涯成績。(*2)ペドロ・マルチネスランディ・ジョンソングレッグ・マダックス

防御率: サンタナ3.22 マルチネス2.80 ジョンソン3.22 マダックス3.11
被安打率: サンタナ.221 マルチネス.210 ジョンソン.218 マダックス.249
WHIP: サンタナ1.09 マルチネス1.03 ジョンソン1.16 マダックス1.14

Video:Johan Santana 17K - Yahoo! Video

Big Bucks, Big City-1

Thursday, February 07, 2008

Big Bucks, Big City-1

メッツ ヨハン・サンタナが入団会見 国際ニュース : AFPBB News
Santana's 2014 option may flip sides

このオフはFA選手が不作ということもあって、今ひとつ盛り上がりに欠ける。Aロッドやハーラン(ハレン)の移籍先も決まり、今ではそのほとんどがサンタナとクレメンス。残るはベダード(ビダード)とボンズの動向ぐらいだろう。

特にクレメンスの記事には、いい加減うんざりしている。仮に禁止薬物を使っていたとしても、歴史に残る大投手なのは間違いない。個人的にはそれだけで十分。前述のボンズにしてもそうだが、薬の助けがあってこその実績と考えるのは短絡的もいいところだ。

前置きはこれぐらいにして、まずはトレードの背景から。サンタナは今季終了後にFAの権利を取得する。そうなってしまえばツインズとしては旨味がないため、必然的に売り時はこのオフしかない。

ただし放出がベストな選択かと言えばそうでもなく、これだけの投手を失うのだから当然マイナス面もある。実際ツインズ側は、4年8000万ドル(約86億円)で再契約を打診していたようだ。

一方のサンタナはFA間近、加えてトレード拒否権もある。もう1シーズン我慢すれば大型契約を勝ち取れるし、同等の条件でトレードとなればさらに話が早い。つまりどう転んでもサンタナ側に有利なわけで、提示した条件を拒否されてしまえば放出は避けられない。

放出するからにはそれなりの見返りが欲しいツインズだが、トレード拒否権を持つサンタナ側は逆にデッドライン(1月29日)を指定。その期日を守らなければ、拒否権を行使してトレードに応じない姿勢を示した。

ノド元にナイフを突きつけられているツインズは従うしかない。トレード相手のメッツがトッププロスペクトを温存できたのも、こんなところに理由があるように思う。

投手としては史上最高の6年1億3750万ドル(約148億円)で契約(*1)、年俸に換算すると24億円以上。(*1)7年目は年俸2500万ドルのチームオプション、550万ドルでバイアウトできる

メジャー屈指の投手とはいえ、たった1人の投手にそれだけの価値があるか疑問に思う人も多いだろう。野球が団体競技ということを加味すれば、否定的な意見を持って当然かも知れない。

確かに金額自体は異常だが、それは昨今のバブル的な状況によるもので同じような例はいくらでもある。そういう意味で言うと相対的にはそれ相当の価値があるし、チーム力に及ぼす影響も大きいと思っている。

次回はその価値について書く予定。

参考サイト:
サンタナがメッツ移籍…1対4の交換トレードで - MSN スポーツ
スポーツナビ|サンタナ、トレード急展開の背後には?

関連記事:Johan Santana's Resume

Tuesday, February 05, 2008

Super Week

ジャイアンツ、17年ぶり3度目のスーパーボウル制覇

スーパーボウルといえばアメリカでナンバーワンのスポーツイベントだが、このためだけに制作されたCMを楽しみにしている人も多い。実際36.3%の人が、このCM目当てにチャンネルを合わせるというデータもある。



今回の視聴者は9750万人で過去最高、テレビ番組としても史上2番目の数字らしい。それだけに広告料も破格で、たった30秒のスポットが3億円。もちろん制作費は別だから、つまらないCMは作れないというわけだ。

総額300億円にも及ぶ広告収入は、その全額が中継権を持つテレビネットワークに入る仕組み。もちろんNFLには売却金が支払われるはずだが、権利を獲得したFOXは笑いが止まらないだろう。

Dig(掘る)と題されたこのビデオは、そんなFOXの看板番組であるプリズンブレイクの自社広告。出来はイマイチだが、ただのテレビ番組にこれだけお金をかけてしまうところが何ともアメリカらしい。なお今回放映されたCMは、以下のサイトで全て見れる。

2008 Superbowl Commercials from Super Bowl XLII

またスーパーボウル当日は、宅配ピザの注文が最も多い日としても知られている。つまり誰かの家に集まって観るのが一般的で、そういう意味ではビールの消費量が相当数ある日とも言える。

実は今回、そんな集まりに初めて参加した。本来スポーツは1人で観るのが好きなのだが、地元チームということもあってそれなりに楽しめた。ちなみにこの日はピザではなくチゲ鍋。

NFL JAPAN:NFL2007:チーム紹介:ニューヨーク・ジャイアンツ

これによると、チーム名の由来はMLBのニューヨークジャイアンツ(現サンフランシスコジャイアンツ)。あまりにも平凡な名前なので考えたこともなかった。またヤンキースやドジャースというチームがNFLに存在したというのも驚き。

レギュラーシーズンは10勝6敗、ワイルドカードから栄冠を手にしたニューヨークジャイアンツ。初戦を除けば1タッチダウン差以内と、その勝ち方も全てが僅差。一方の敗れたペイトリオッツは、圧倒的な破壊力でレギュラーシーズン無敗。

まるで比較にならないが打撃偏重のヤンキースを見るようで、改めて一発勝負の怖さと非常さを痛感する。何はともあれ、ニューヨークに勝利をもたらしてくれたのは嬉しい。

米大統領選:スーパーチューズデー 指名争いの「天王山」

スーパーサンデーが終わると、今度はスーパーチューズデー。今年は例年より1ヶ月ほど早く行われるため、奇しくも同じ週になった。ジャイアンツ同様、ニューヨークのヒラリー・クリントンが過半数を奪えるかどうかが見どころ。

Playlist Updated:
Dig、鍋で思い出すアーティストといえばPop Will Eat Itself. 彼らの音楽性は、言ってみれば美味しいヤミ鍋。デタラメなノリが最高にカッコいい。

Play Sub Tracks

参考サイト:
スーパーボウル狂想曲 (BusinessWeek):NBonline
CNN.co.jp:スーパーボウル視聴者数、過去最多の9750万人




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