Monday, March 31, 2008

Opening Roster 2008-1

ヤンキース 2008: スターティングラインナップ-1

Chien-Ming Wang | チンミン・ウォン RP
Mike Mussina | マイク・ムシーナ RP
Phil Hughes | フィル・ヒューズ RP
Ian Kennedy | イアン・ケネディ RP
Andy Pettitte | アンディ・ペティット LP (15日間のDL

LaTroy Hawkins | ラトロイ・ホーキンス RP
Kyle Farnsworth | カイル・ファンズワース RP
Brian Bruney | ブライアン・ブルーニー RP
Ross Ohlendorf | ロス・オーレンドルフ RP
Jonathan Albaladejo | ジョナサン・アルバラデーホ RP
Billy Traber | ビリー・トレーバー LP

Joba Chamberlain | ジョバ・チェンバーレイン RP
Mariano Rivera | マリアノ・リベラ RP

去年に引き続き、左投手の獲得に失敗。ジラルディによれば左投手に拘らないとのことだったが、フタを開けてみればトレーバーがブルペン入り。左打者に強いデータ(*1)はあるものの、オープン戦の好成績(防御率1.0)が決め手になったのだと思う。
(*1)対左.176、対右.380 /2007年

データは別として、オープン戦を見る限り印象はよくない。左投手特有の角度があるわけでもなく、変化球も平凡。ワンポイントや大差での登板に徹するにしても、数字通りの活躍は難しい気がする。現在故障中(軽傷)だが、個人的にはロングリリーフもこなせるヘンに上がって来て欲しい。

参考サイト:Billy Traber Stats - Splits

Opening Roster 2008-2

Sunday, March 30, 2008

Hot Stove 2008-5

ストーブリーグ 2008: 主な加入選手

Clippard dealt to Nats for Albaladejo

ジョナサン・アルバラデーホ 中継ぎ 25歳 右投右打
1勝1敗 防御率1.88(1.88) 投球回14.1 三振12 四死球3 被安打率.149 WHIP0.63(0.63)


(C)Copyright AlphaTangoBravo / Adam Baker On Flickr

去年6試合に先発したルーキーのクリッパードを放出しての獲得。オープン戦を見る限りこちらの方が将来性は高そうで、悪くないトレードだと思う。元々は先発だったが、2005年に中継ぎに転向。2007年に2Aスタートながら、メジャーデビューを果たした。

ナショナルズでの成績(*1)はご覧の通り。ただし登板数が少なく、ナショナルリーグということもあってあまりアテにはならない。90マイル台前半のストレートとスライダー、カーブが持ち球。オープン戦の防御率は3.86。(*1)カッコ内はいずれも生涯成績

Ensberg agrees to deal with Yankees, will compete for time at first base

モーガン・エンズバーグ 三塁手 32歳 右投右打
115試合 .230(.265) 12本 39打点 47得点 0盗塁 出塁率.320(.366)

かつてアストロズの主力として活躍したエンズバーグと、175万ドルでマイナー契約。条件(*2)を満たせば、さらに225万ドルが加算される。ダンカンを除くと、DH候補はいずれも左打者。ファーストが確定していないにしても、こういう半端な補強は好きじゃない。(*2)40人枠登録と525打席

関連記事:Opening Roster 2008

長打力や出塁率の高さは認めるが、2006年を境(*3)に成績は下降。オープン戦の打率も.229で、本人には失礼だがすでに峠を越した選手と言ってもいい。(*3)右肩の故障が原因とされている

ショーン・ケーシー 一塁手 33歳 右投左打
143試合 .296(.301) 4本 54打点 40得点 2盗塁 出塁率.353(.366)

レッドソックスはこのオフ、ファーストの控えとして生涯打率が3割オーバーのケーシーを獲得。ヤンキースとは事情が違うとはいえ、この貪欲さは羨ましい。あわよくば的な補強は資金力のないチームがやることであって、この時点で勝負はついている。

ヤンキース、ホーキンス投手と契約合意 スポーツ Reuters
Yankees sign right-handed pitcher LaTroy Hawkins

ラトロイ・ホーキンス 中継ぎ 35歳 右投右打
2勝5敗 防御率3.42(4.68) 投球回55.1 三振29 四死球16 被安打率.252 WHIP1.23(1.46)

ビスカイーノの穴を埋めるために獲得したようだが、実際は(*4)穴が開くほどの活躍はしていない。ブルペンも飽和状態にあり、加えて右投手。前述のケーシー(年俸80万ドル)と比較しても、見事にGMの差が出ている。(*4)防御率4.30

効率は別として、ちょっと見たところ悪い投手ではない。球速は90マイル前半ながら制球力があり、低めにも投げ込める。このオープン戦は絶好調で、ヤンキースの投手陣では唯一自責点がつかなかった。

冒頭で書いたように、ホーキンスの成績もナショナルリーグであげたもの。そういう意味ではアルバラデーホ同様、数字通りの期待はできない。あてつけるつもりはないが、最後に対同地区の生涯防御率を載せておく。

オリオールズ:6.45 レッドソックス:5.79 ブルージェイズ:4.53 レイズ:4.43 

Hot Stove 2008-1

Thursday, March 27, 2008

Joba Role

チェンバーレインの行方
Joba Chamberlain will start season in bullpen for Yankees

記事中にある投票によれば、約8割の人がブルペンでの起用を支持している。まさに世の中の保守思想を反映したような格好だが、去年の成績を考えれば無理もない。セットアッパーとして機能するのは実証済みなのだから、わざわざ動かしてまでリスクを負う意味がないという理屈だろう。以下は監督のシラルディのコメント。


(C)Copyright Poughkeepsie Pinstripes On Flickr

「It's a combination of innings, success and where we feel he fits best now. I'm not saying this year, but I would say in the future.I don't want to be locked into a timetable. Promises depend on performance, but in the future, we consider him a starter.」

「現状では後半に繋ぐ橋渡し役がベスト。(先発の可能性は)近いうちとしか言えないが、予定を立ててそれに固執するようなことはしたくない。全ては今後の活躍次第だが、将来的には先発投手として考えている。」

チェンバーレインはこのオフ、先発投手としてトレーニングを積んできた。したがって今になって軌道修正するのは、どう見ても得策ではない。つまりこの措置は経験を積ませるためではなく、単にチーム事情を考慮してのもの。平たく言えば、ブルペンに置いた方が勝てると思っているわけだ。実際こちらの記事では、それをはっきりと明言している。

Yankees opt to have Joba come out of bullpen for now

「I had an idea if everybody stayed healthy this would happen, It's best for the team right now. It's about winning games. It's not about Joba Chamberlain.」

「故障者でも出ない限り、これがチームのためだと思っていた。あくまで勝つための措置であって、本人とは直接関係ない。」

仮に監督を任されたとして、下記の投手を自由に使えるとする。試合は一発勝負。後にも先にも試合がないとしたら、どんな起用をするだろうか。自分なら何の迷いもなく先発はリベラ。必要なら能力が高い順にチェンバーレイン、ウォンと継投する。間違っても先発と抑えを分けるようなことはしない。

ウォン ペティット ムシーナ ホーキンス ファンズワース チェンバーレイン リベラ

野球が点取りゲームである以上、投手は能力順に起用するのがセオリー。これについては何度も書いているので省略するが、たとえそれが162試合の長丁場であっても根幹が崩れることはない。

関連記事:May17,07 @ CWS L1-4

こちらでは先発投手が好投すると、Dominate(支配)という言葉がよく使われる。これは実に的を射た表現で、実際先発の出来次第でおおよその形勢は決まってしまう。チーム成績と得失点差が相関することから考えても、より多くのイニング数を投げる先発投手がシーズンのカギを握っていると言っても過言ではない。

一方抑えの役割は文字通り逃げ切ることにあるが、効果を発揮するのは特定の状況下に限定される。セーブシチュエーション自体が年間で50前後だから、抑えのお陰で勝てるのはあっても6試合に1度ぐらいだろう。

パペルボン   5勝5敗 防御率1.35 72S(成功率89%)
ボロウスキー 7勝8敗 防御率4.39 81S(成功率84%)

これは去年リーグトップの45セーブをあげたボロウスキーと、最優秀救援投手に選ばれたパペルボンとの比較。成績は過去2年、カッコ内はセーブ成功率を示している。見ての通り防御率は段違いだが、セーブ成功率に大きな差はない。

ボロウスキーに僅差での登板が少ないとはいえ、パペルボンがいつも1点差の登板というわけでもない。つまり終盤までリードしたチームは単純に勝率が高いだけであって、よほど酷い投手でない限り大勢に影響がないことを意味する。

関連サイト:Yahoo! Answers - So how do you think Joe Borowski will do this year as Indians closer?

もちろんボロウスキーがセーブ数を稼げるのは、その前に投げる強力な2人(*1)がいるからこそ。その点では、チェンバーレインのセットアッパーはそれなりに意味がある。ただここで強調したいのは、逃げ切るために必ずしも好投手は必要ないということ。(*1)ペレズベタンコート

2点ビハインドの6回辺りに起用するなら話は別だが、そうでない限りはより多くのイニングを投げさせた方が効率がいい。インディアンズには先発にも強力な2人の投手(*2)がいるので、ヤンキースとは根本的に事情も違う。多少話は先後するが、参考までに付け加えておく。(*2)サバシアカルモーナ

残るは先発として結果を出せるかどうか。仮にここまでは納得できたとしても、当然そんな疑問は残る。メジャーでこそ経験はないが、本来は先発投手。本音を言えば経験など問題ではなく、90マイル半ばのストレートを常時投げられるというだけで通用するはず。

速いだけならオリオールズのカブレラのような例もあるが、これは過度の制球難によるものでチェンバーレインには当てはまらない。反則同然のスライダーを加味すれば、少なくとも4点前後の防御率は期待できる。エースのウォンが3.7だから、個人的には2番手でも十分務まると思う。

実際はセットアッパーとしての起用が濃厚だが、ジラルディはこれを否定。あえて試合の後半に投げる(back-end guy)とだけ答えている。臨機応変といえば聞こえはいいが、何かにつけてこの姿勢なのはいただけない。結果で判断したいのか、予め逃げ道を作っておきたいのか。早ければ来週にでも、その答えは分かるだろう。

関連記事:
Spring Game @ CLE L5-7
The Second Move-1
June3,08 vs TOR L3-9

関連サイト:ジョバ・チェンバレン - Wikipedia

Wednesday, March 26, 2008

Spring Game @ CLE L5-7

Cano keeps hits coming in Yanks' loss

この日の先発はローテーション入りが決まっているケネディ。変化球(*1)はキレていたものの、生命線のコマンドが機能せず4失点。いずれもエラー絡み(自責点0)とはいえ、球速がない(平均88マイル)ので少しでも甘く入れば簡単に持っていかれる。(*1)タテに落ちるスライダー、シンカー軌道のチェンジアップ

Ian Kennedy / イアン・ケネディ 投球回4.2 被安打5 与四死球4 奪三振3

今季のヤンキースはオフの補強に失敗。ケネディの先発を早々と決めたが、そもそもこれが理解できない。資質や能力というよりも、問題はその経緯。率直に言って、あまりにも安易過ぎると思う。

井川が期待外れだったこともあり、去年のヤンキースは先発5番手を固定できずにいた。手当たり次第(*2)に連れてきては、数試合の登板でマイナー送りの繰り返し。お前らいったい何を根拠にしてるんだ、と言いたくなるほど醜いものがあった。そして最後に残ったのがこのケネディ。(*2)ライト、クリッパード、デサルボなど

1勝0敗 防御率1.89 登板数3 投球回19.0

確かに新人離れした成績だが、よく見て欲しい。たった3試合、19イニングしか登板していない。まぐれだけでは残せないので資質は認めるとしても、これが根拠になっているのは疑いようがない。そうでなければデビューが遅れた説明がつかないし、少なくとも手当たり次第の時点でその能力を見抜けなかったのは事実。

ヤンキースの投手陣は層が薄いと言われるが、目先の成績に拘らなければ即戦力は少なくない。去年の後半にはブルペン入りを果たし、ヘヴィーシンカーが持ち味のオーレンドルフ。現在は故障中だが、貴重な左のパワーピッチャーのヘン

特にオーレンドルフは、驚くような成績を残す可能性すらある。両者とも4点台前半(*3)の防御率が期待できる投手だが、実際はブルペン入りさえ難しい。(*3)去年のペティットは4.05、ヒューズは4.46

誤解しないでもらいたいが、ケネディの先発に反対だと言っているわけではない。個人的にもそれなりに評価しているし、前述の選手と同様に4点台前半は期待できる。ただこんな安易な形で決めてしまっては、勝てるものも勝てない。宝の持ち腐れとまでは言わないが、目と頭は明らかに腐っている。

ヤンキース期待の2年目右腕、開幕ブルペンが正式決定

そしてこのニュース。ファンならご存知かと思うが、まったくもって馬鹿げている。先発陣に余力があるならまだしも、今季は近年でもワーストの部類。詳しくは次回に持ち越すが、この愚かさは目に余る。以下に松井のインタビューがあるので、興味がある人はどうぞ。

Video:
Ian Kennedy
Hideki Matsui Interview

Tuesday, March 25, 2008

MLB Widgets

ESPN Widget Center MLB Widgets

オープン戦も残すところ4試合。来週にはいよいよヤンキースの2008年がスタートする。シーズンが始まるのは嬉しいが、オフのレポートをサボったせいでやや複雑。読む人が少ないとはいえ、間に合わせないことにはすっきりしない。

そんなことを思いながら調べものをしていたら、余分なものを見つけてしまった。ということで今回はMLBのウィジェットを紹介する。

使い方はいたって簡単。リンク先のページからカテゴリーを選び、取得したコードをブログやウェブサイトに貼るだけ。例えば松井の成績(*1)を表示させたい場合は、以下のような手順になる。iGoogleやmyspaceのページを持っているなら、embedの代わりに該当するアイコンを選べばいい。(*1)現在は代替選手

リンク先>Players>New York Yankees>Hideki Matsui>Add Now>embed>コード取得

いずれのカテゴリーも最新情報が表示されるので、特定の選手や順位表などを知りたい人にはお勧め。英語に抵抗がなければ、関連ニュースも読める。ウィジェットには珍しくインターフェイスもなかなかだが、サイズが大きいのが難点。

コードにある数値(*2)を変えれば縮小はできるものの、あまり小さいと読めなくなる。調子に乗って紹介したはいいが、そういう意味ではあまり実用的ではないかも知れない。(*2)height(高さ)="387" width(横幅)="300"

Saturday, March 22, 2008

Hot Stove 2008-4

ストーブリーグ 2008: 再契約(その3)

Yankees, Betemit agree at $1,165,000, avoiding arbitration

ウィルソン・ベテミット 三塁手 26歳 右投両打
121試合 .229(.260) 14本 50打点 33得点 0盗塁 出塁率.353(.332)

年俸調停を避け、単年116万5000ドルで契約。フォームや体型からは打てそうに見えるが、実際はご覧の通り。オープン戦もここまで.189と、打撃面では結果が残せていない。ユーティリティープレーヤーということで何かと重宝する選手だが、守備面以外(*1)の強調材料は少ない。(*1)バント、走塁ともB+

趣味の問題かも知れないが、控えが単なる控えでは意味がない。小技や俊足などの特徴があってこそベンチに座る価値があるわけで、逆に振り回す選手(ダンカンなど)が勝敗のキーになることはごくわずか。主力が怪我でもすれば話は別だが、苦し紛れに代打で起用するのがオチだろう。

カイロやフィリップスをDFAで失った今となっては、この程度の選手でも確保せざるを得ないのがヤンキース。考えようによっては若返りに成功したとも言えるが、プロクターとのトレードで獲得したとあっては本末転倒。 投手力強化を掲げながら、結局は逆になってしまうお馴染みのパターンだ。

Bruney, Yankees forgo arbitration

ブライアン・ブルーニー 中継ぎ 26歳 右投右打
3勝2敗 防御率4.68(4.93) 投球回50.0 三振39 四死球40 被安打率.243 WHIP1.62(1.68)

こちらもベテミット同様、年俸調停を避け単年72万5000ドルで契約。90マイル半ばのストレートが武器のパワーピッチャーで、変化球(*2)も悪くない。スタッツを見れば分かるように、この投手は一にも二にも制球。この点が少しでも矯正されれば、通用するだけの力はある。(*2)スライダー、チェンジアップなど

先日の記事でも触れたが、オフに10キロ以上の減量に成功。効果のほどは別として、オープン戦の防御率はここまで2.84と上々の出来。個人的に好きな選手なので、是非ブルペン入りして欲しい。どこかのサイトではないが、間違ってもブルネイとは読まないように。

スポーツナビ|ヤンキース、エース右腕と長期契約見送りか!?
王建民、年俸調停で希望額通らず - MLBニュース : nikkansports.com
Yanks win arbitration case with Wang

チンミン・ウォン 先発 27歳 右投右打
19勝7敗 防御率3.70(3.74) 投球回199.1 三振104 四死球67 被安打率.265 WHIP1.29(1.29)

ウォンがFAの権利を取得するのは2011年のシーズン終了後。2012年が開幕する頃には32歳になっていることもあり、長期契約できないのは分からなくもない。ただそうだとしても、エースが単年契約というのには違和感が残る。

モチベーションの問題はもちろん、あれほど肩の強い投手は滅多にいない。契約の問題は詳しくないので何とも言えないが、カノーと同じように4年+チームオプションという選択肢はないのだろうか。

開幕投手が決まったウォンだが、オープン戦の成績は(防御率8.44)極端に悪い。ちょっと見たところ、肝心のシンカーがほとんど変化していなかった。去年はスライダーを多投することで三振も取れる投手に成長したが、依然シンカーの比率は高い。シーズン開幕まで1週間、早めの対処が望まれる。(成績は2007年度、カッコ内は生涯成績)

Hot Stove 2008-1
Hot Stove 2008-5

Friday, March 21, 2008

I Wanna Be Sam

どうせならサムになりたい

今さら言うまでもなく、自分は自己主張の強い人間。普段はそれで完結しているのだが、時々それに疑問を感じることがある。もっと謙虚になるべきではないのか。主張するほど立派な人間なのかと。


(C)Copyright NASA (Public Domain)

謙虚という言葉を辞書で引くと、素直で自分が偉いなどと思わない様子とある。自己主張とはある意味で自己顕示欲の延長線上にあるから、極論してしまえば謙虚になることは何も主張しないことに等しい。

受身的な主張ならいいのかも知れないが、そうなると意見を求められない限り何も言えない。では自分が立派な人間かといえば、これも違う。醜い部分は嫌というほど分かっているつもりだし、社会的にも最低な部類に属する。

謙虚になろうとすれば、自己は封印せざるを得ない。立派な人間だけにその資格があるなら、同じように死ぬまで沈黙を守るしかない。自己を封印しながら生きるのは死んだも同然。何のために生きているのか分からなくなる。

若いなら改善の余地もあるが、ここまで出来上がってしまうとそうもいかない。行動で示せと言われてもヤンキースの監督になれるはずもなく、せいぜいブログに批判的な記事を書くのが関の山。人それぞれ価値観が違うように、形に表せるものとそうでないものがある。

自己主張したいならそれ相当の人間性、そうでないなら謙虚になれ。これに背反するのは自業自得が根幹にあるのだから、我慢して生きろ。結局はこんなところに落ち着く。

また明日がやってきて、そこには昨日とは少しだけ違った自分がいるだろう。そして次の日には、昨日に少しだけ近づく自分がいるはずだ。いつしかそれは元に戻り、今日と同じ心境になる。まるで自慰を繰り返すサルのように。

Playlist Updated:
Monkey Gone To Heaven. Pixiesのアルバムに、こんなタイトルの曲がある。宇宙でもいいが、できることならその先に連れていって欲しい。

Play Sub Tracks

Wednesday, March 19, 2008

Exhibition Game @VT W11-0

ヤンキース 銃乱射事件の犠牲者偲びバージニア工科大と練習試合
Yanks' visit 'means the world' to VT

2007年4月に起きた、銃乱射事件を偲んでの追悼試合。大事な意味があるのは分かっていたが、正直なところ特に見たいとは思わなかった。こんな感覚になること自体異常とはいえ、それほど世の中は酷い。チベット問題しかり、完全に麻痺してしまっている。

ところが偶然再放送を見るなり、気が変わった。まず最初に飛び込んできたのは、横にVT(Virginia Tech)と書かれたオレンジ色のヤンキースキャップ。まるでお互いが肩を組んでいるようで、単純だがすぐに感情移入してしまった。

試合前の国歌斉唱は、名前からして犯人と同じ韓国人女性。穿った見方をすれば意図的とも取れるが、単に合唱部から選ばれたとかそんなところだと思う。座席確保のために朝の6時から並んでいた学生もいたらしく、宿題を広げながらの姿が微笑ましかった。

またこの試合には、オリオールズなどで活躍した地元出身のAl Bumbryも観戦。彼自身は別の大学だが、息子のSteveはこのチームの外野手。寡黙ながら、我が子を思う父親像が見て取れた。

Al Bumbry - Wikipedia, the free encyclopedia
Steve Bumbry - hokiesports.com :: Baseball

試合は一方的だったものの、選手や観客は皆一様に満足した様子。アメリカが嫌いな人にとっては偽善にしか映らないだろうが、仮にそうであっても実行しないよりはずっといい。これについてはジーターのコメントが全てを代弁しているので、引用して終わりにする。

「このような一回の訪問がどのような助けになるのかと尋ねられる。正直なところは分からないが、我々がここにいることで皆さんが笑って楽しむだけでもその価値はある」

Video:
Yankees visit Va. Tech (MLB.com)
Yankees visit Virginia Tech (FOX Sports Video)

Photo Gallery:
Pregame | Game action

関連サイト:
Yanks-Hokies Box score
バージニア工科大学銃乱射事件 - Wikipedia

Tuesday, March 18, 2008

IAQ

ありそうでない質問: Infrequently Asked Questions

昨日来たメールに、URLだけ書かれたものがあった。リンク先は教えて!goo。ウェブ検索をする人なら、一度は目にしたことがあると思う。かなり面白い問題なのだが、すぐには答えられなかった。自分なりの回答は後日書くとして、興味があれば考えてみて欲しい。なお予備知識が入らないように、あえてリンクは張っていない。

「最近のニュースでいつも疑問に思うので質問します。飲酒運転は禁止されていて、それは飲酒により判断力が鈍り危険が増すからですよね。そして飲酒運転で人身事故を起こした場合、しらふで起こした同程度の事故よりも重い罪が課せられます。それなのに、なぜ覚せい剤などの禁止薬物を使用して殺人を犯しても「心神喪失」状態だったから、という理由で罪が軽くなるのでしょう?」

「病気による心神喪耗弱で起こした事件は別として(こちらについても言いたいことはありますが)そもそも、禁止薬物を使用して判断の出来ない状態になり、人を傷つけたという事実だけで交通事故と同じようにより重い罪を課しても良いと思うのですが。法律で許されている飲酒で心神耗弱になって起こした事故は重く、禁止薬物により心神耗弱になって起こした罪は軽くなるのはなぜですか?」

Monday, March 17, 2008

Da Major.JP

レッドソックス、「魔球使い」の相棒を解雇 MAJOR.JP|MLB ニュース

「今季のオープン戦で6試合に出場したミラベリ。しかし、11打数3安打、打率2割7分3厘と振るわなかった。なお、ミラベリの後釜には、オフにチームと新たにマイナー契約を結んだケビン・キャッシュ捕手が有力と見られている。」

なるほど、.273しか打てないからクビになったんだ。もう1本ヒットが出れば.364だから、そうしたら残れたのかな?.273って悪くないと思うんだけど、たった1本のヒットが明暗を分けたってことか。これがメジャーの厳しさですね、戸張さん。

そもそもミラベリってさ、ウェイクフィールドの専属捕手だよね。あの球を誰も捕れないから契約してるんじゃないの?投げてる本人でも予測できない魔球を確実に捕って、なおかつ打ちまくれ!やっぱりメジャーは厳しいですね、戸張さん。

記事の方向性にそぐわない内容は、デタラメを書いてまでも無理やり合わせる。今に始まったことではないが、書いた奴の顔が見てみたい。よく見るとソースは別にあるようで、念のため元の記事を読んでみた。以下はその抜粋。

Red Sox release catcher Mirabelli
By Ian Browne / MLB.com

「But after several weeks of internal debate, the Sox came to the conclusion that Kevin Cash will be better equipped to handle all aspects of being the team's backup catcher than the 37-year-old Mirabelli.」

「数週間にわたって検討した結果、ケビン・キャッシュの方が控え捕手として相応しいという結論に達した。」

「But Cash -- a career .167 hitter -- doesn't figure to be an upgrade from Mirabelli offensively. The Red Sox made it clear that defense was the reason for the switch.」

「ただしキャッシュの打率(.167)を考えると、攻撃面での戦力アップは望めない。つまりチームとしては、守備力を優先しての措置ということになる。」

案の定、オープン戦の打撃成績にはまったく触れていない。それどころか、理由は守備力だとはっきり書いてある。伝言ゲームじゃあるまいし、これでMLBの公式ライセンシーサイトとは恐れ入る。元の記事を書いたIan Browneが知ったら、間違いなく怒るだろう。

オープン戦のデータを引っ張り出すのは構わないが、そんな暇があるならきちんと読むべき。さらにそれを本来の趣旨とは180度違う方向に変えてしまうのだから、開いた口がふさがらない。(タイトルのダメジャーJPはaoiさんより拝借)

関連記事:Lost Sheep

Sunday, March 16, 2008

Spring Game vs PIT L3-5

Yanks lose despite Mussina, Crystal

この日は松井がテレビに初登場。レフトの守備についた最初の試合でもある。前回は成り行きで書けなかったが、実はこちらが本題。ということで、早速その松井から書いてみる。

Hideki Matsui /松井秀喜 2打数 1安打

最初の打席は内角高めを引っ掛けてのファーストゴロ。まさにゴロキングを象徴するような打撃で、直後に見せた表情が全てを物語っている。相手が振り遅れやすい左投手ということもあり、多少意識し過ぎたのかも知れない。

あえて明るい材料を挙げれば、打球が上がりやすい高めを打ってゴロになったこと。不調時には低めのボールでさえポップフライになるから、悪いクセは(*1)今のところ出ていないように見える。(*1)バットの振り出し位置、またはヘッドが下がる

2打席目は外角一杯の球に重心を残しながらレフト線への2ベース。ポイントを遅らせたというより、開きを我慢したような打撃だった。この感覚を維持できれば打率も上がってくるのだが、本番になるとすっかり忘れてしまうのはいつものこと。いいバッティングなのは認めるが、これだけでは何とも言えない。

懸念される走塁は無難にこなしたが、以前に比べると明らかにぎこちない。本人もコメントしているように、これがベストだとすれば状態はかなり深刻。いらぬ心配をするのがファン心理だとしても、フルシーズン出場できるかは微妙なところ。

守備ではレフト線のライナーを好捕と問題なし。もっとも気にしているのは首脳陣だけで、個人的には何の心配もしていない。いずれにしても、レギュラーが確定していない松井にとってはいいアピールになったと思う。

Mike Mussina / マイク・ムシーナ 投球回5.0 被安打0 与四死球0 奪三振2

去年に引き続きオープン戦でも結果が出ず、ここまでの防御率は9.64。このままでは先発はおろか、不良債権に成りかねない。そんなムシーナが5回をパーフェクトピッチング。今までが悪すぎたので復活の兆しには違いないが、数字とは対照的な内容だった。

何度となく書いているように、この投手は球速がカギ。多彩な変化球に反してストレートの比率が高いためで、好投するためには90マイル前後は欲しい。この日のムシーナは平均で86マイル。球速が落ち始めた去年と比べてもさらに遅い。甘いボールも多く、打たれなかったのは奇跡に近い。

三振率/9回 96年-2006年:7.8(全て7+) 2007年:5.39 生涯:7.13

ムシーナは去年、デビュー以来初めて防御率5点台(5.15)の屈辱を味わった。それと相関するように三振率は激減。球速が落ち始めた時期は前述の通りで、この日奪った三振は2つ。(三振率3.6)

つまり現状では頭打ち、投球パターンを変えない限り好投は望めない。ムシーナのことなので何かしら考えているとは思うが、かなり厳しい状況なのは確かだろう。参考までにパイレーツのライトが95マイルを記録していたので、スピードガンの精度は問題ない。

Jeff Karstens / ジェフ・カーステンズ 投球回1.1 被安打7 与四死球2 奪三振0

打者13人に対し、取ったアウトはたったの4つ。実に9人が出塁と文字通りの炎上ぶり。チェンジアップの精度は上がっていたものの、それに頼り切ったピッチング。結果としてストレート(フォーシーム)との淡白な配球になり、打者はタイミングを取りやすい。

スライダーが曲がらないのも問題だが、少なくともツーシームぐらい覚えさせるべき。これで通用しないのは少年野球の監督でも分かる。本人の名誉のために書いておくと、ムシーナとは逆で数字ほど酷い内容ではなかった。

Robinson Cano / ロビンソン・カノー 2打数 1安打 2打点 1HR

難しい内角低めをライナーでライトスタンドへ。飛距離にも驚かされたが、それよりもヒジの畳み方が芸術的。並の打者なら間違いなくファールになっている。このオープン戦もここまで.429と絶好調。こんな打者をいつまで下位打線に置いておくつもりなのか。

Video:
3/13/08: YES Network l Mike Mussina

関連記事:
First And Last At Bat
Hot Stove 2008-3

Friday, March 14, 2008

First And Last At Bat

1番DH、ビリー・クリスタル

「人気俳優、ヤンキースと“1日契約”で出場」スポーツ‐大リーグニュース : イザ!
Yankees to sign comedian Crystal
Yanks end Crystal's pinstripes tenure

事前に知ってはいたものの、思っていた以上に見応えがあった。前日に1日限り(*1)の契約を結んだことで実現したわけだが、これにはコミッショナーのセリグの協力もあったらしい。以下はそのビリー・クリスタルのコメント。(*1)本人曰くTwo Hours Contract


(C)Copyright Kathy Willens/AP

"I've been waiting 50 years for this call, I'm overwhelmed by the generosity of the Yankees and Commissioner Selig. I know this'll be tougher than the Broadway Softball League, but I'm looking forward to helping the younger players -- by the way, which is all of them."

「50年もの間、この時を待ち望んできたんだ。機会を与えてくれたヤンキースとコミッショナーには、言葉もないほど感謝している。もちろんブロードウェイのソフトボールリーグのようにはいかないだろうけど、若い選手の助けになると思うとワクワクしてくるね。(みんな俺より若いから)若い選手っていうのはつまり、全員ってことだよ。」

ビリー・クリスタル - Wikipedia

ビリー・クリスタルといえば、自他共に認めるヤンキースファン。盟友のロビン・ウイリアムスも駆けつけ、観客も大歓声で出迎える。まず驚かされたのはその構え。高校時代には野球をやっていたようで、顔さえ見なければ誰もが選手と見間違うほどしっかりしていた。

注目の初球は外角の際どいボール。見逃し方からして、ボールが見えている様子。続く2球目は、振り遅れながらもバットに当てる。ファールにはなったが、当たり自体は悪くなかった。その後の2球は明らかにボール球。これを平然と見逃しカウント1-3。

結局は三振したが、最後の2球はプロでも簡単に打てない内角のカッター。もう少し手加減しろよと言いたいところだが、投げているマホールムも必死なのだから仕方がない。翌日は彼の60回目の誕生日。還暦祝いと合わせてもお釣りがくるほど、この日は特別なものになったことだろう。

肝心の試合についてはまた明日にでも。

Video:
Billy Crystal's at-bat
Billy Crystal dons pinstripes

Photo Gallery:
Billy Crystal plays with the Yankees

関連記事:Spring Game vs PIT L3-5

Thursday, March 13, 2008

Hot Stove 2008-3

ストーブリーグ 2008: 再契約(その2)

リベラが3年4500万ドルでヤ軍残留 - MLBニュース : nikkansports.com
Rivera finalizes three-year pact

マリアーノ・リベラ 抑え 38歳 右投右打
3勝4敗 防御率3.15(2.35) 投球回71.1 三振74 四死球18 被安打率.248 WHIP1.12(1.05)

本人の希望した4年は認められず、40歳までの3年契約で合意。能力的なことは別としても、故障の可能性を考えると妥当なところ。衰えたと言われることの多いリベラだが、実際はほとんど変わっていない。90マイル半ばのカッターは未だに健在で、制球力や三振率の高さ(*1)も例年通り。(*1)四球/9回1.51(2.25)、三振/9回9.34(8.09)

唯一挙げるとすれば、コーナーに投げ分けるコマンドに多少陰りが見えることぐらい。もっともこれはメカニックで矯正できる部分でもあるので、それほど心配する必要はない。防御率が悪かったのは、ピンポイントのHRによる大量失点が原因。実質2点台と考えていいと思う。(カッコ内は生涯成績、成績はいずれも2007年)

Jan 15, 2008 Darrell Rasner signed to a minor league contract

ダレル・ラズナー 先発 27歳 右投右打
1勝3敗 防御率4.01(4.13) 投球回24.2 三振11 四死球10 被安打率.290 WHIP1.50(1.28)

去年は5番手として6試合に先発。そこそこの成績を収めたが、右手人差し指に打球を受けマイナー落ち。その後リハビリも兼ねてマイナーで数試合に登板、結局メジャーに復帰できないままシーズンを終えた。

チームからのオファーは得られずFAとなるが、直後にマイナー契約。キャンプには招待選手として参加している。90マイル前後のストレートとスローカーブが主体の投手で、コマンドさえ機能すれば通用するだけの資質はある。

Mar 4, 2008: Re-signed by the New York Yankees to a one-year contract.

ジェフ・カーステンズ 先発 25歳 右投右打
1勝4敗 防御率11.05(5.65) 投球回14.2 三振5 四死球9 被安打率.397 WHIP2.45(1.52)

球速や変化球のキレは平凡で、コマンド能力も低い。これまでも何度か書いているが、打たれない要素が見当たらない。投球回は少ないものの、被安打率が.400近いというのも異常な数字。お世辞にもメジャー級とは言えないが、なぜか40人枠に入っている。前述のラズナーと比較しても、マイナー契約すべきなのはこちらの方だろう。

2006年の成績(*2)が忘れられないのだろうが、一時の好成績がアテにならないのは実証済み。この程度の選手がウロウロしているのだから、ジラルディの資質も知れている。(*2)投球回42.2、防御率3.80

MLB=ヤンキース、カノ内野手と4年契約 スポーツ Reuters
Cano gets four-year deal

ロビンソン・カノー 二塁手 25歳 右投左打
160試合 .306(.314) 19本 97打点 93得点 4盗塁 出塁率.353(.346)

年俸調停とFA(2010年シーズン終了後に取得)を避けた形での4年契約。2012年以降の2年はチーム側に選択権があり、ヤンキースとしては最大で6年間保有できる。わずか3シーズンとはいえ、生涯打率は.300オーバー。打率が先行し、徐々に長打力がついてくる理想的な成長過程。

典型的なスプレーヒッターで強肩、おまけに貴重なセカンドと選手として申し分ない。これで年俸1000万ドル以下(*3)なら、間違いなくいい買い物。早ければ2009年にもヤンキースの主軸を打っていることと思う。(*3)4年2800万ドル+2年2800-3000万ドル

参考サイト:Darrell Rasner - Wikipedia, the free encyclopedia

Hot Stove 2008-1
Hot Stove 2008-4

Saturday, March 08, 2008

Trade-Off

生体認証IDカード、今年11月から段階的に導入 英国 : イザ!

かつて未来の予想図にしか存在しなかった壁掛けテレビは現実のものとなり、手紙は電子メールに取って代わった。全てがデジタル化されようとしている今、この程度のニュースに関心を持つ人は少ない。それが海の向こうの出来事なら尚更だろう。


(C)Copyright Free Software Foundation

「英国のスミス内相は6日、指紋や顔写真など生体認証(バイオメトリックス)情報が組み込まれた電子身分証明カード(IDカード)を今年11月から段階的に導入する方針を発表した。2017年の全面実施を目指している。テロ対策や不法移民対策を強化するのが狙いだが、市民団体は人権侵害だと反発している。」

見出しを読んだ時点で予想はしていたが、案の定反対している人たちがいた。バカの一つ覚えのように人権を振りかざし、反対することしか能がない。言葉は悪いが、心の底からそう思う。

世の中には、テロによって家族をを失った人が大勢いる。果たしてそんな彼らが、同じ理由でこの制度に反対するだろうか。人の命は何よりも重いはずで、それが返ってくるのならプライバシーなど喜んで差し出すに違いない。

当事者の立場に擦り寄ろうともせず、あたかも正論のごとく主張する傍観者。享受している恩恵は当然の権利で、自分にとって都合の悪いものには反対する。あくまで極論だが、この身勝手さは殺人者のそれと何ら変わらない。

アメリカでは永住者(グリーンカードホルダー)に参政権は認められていない。本質的には納税と(被)参政権は連関するので、前述のような考え方をすれば文句の1つも言いたくなるところだ。そこに疑問を持たないのは、自分が自らの意思でここに来たから。納税を盾に参政権をよこせとは、口が裂けても言えない。

ただし自分の子供に参政権がない(*1)とすれば、それには断固として反対する。選択の余地がない出自で何かが奪われるのは、それこそ人権侵害に値すると考えるからだ。(*1)アメリカで生まれた者には無条件に国籍が与えられる

納税と(被)参政権 - Google 検索

では、日本の場合はどうか。ざっと見渡しても、否定的な意見が多い。確かに帰化すれば済むようにも見えるが、問題は帰化をしなくてはならない制度にある。自分のようなケースは別として、在日韓国朝鮮人に限って言えばそのほとんどは日本で生まれている。

彼らとの違いは流れている血以外にないはずで、それによってどんな些細なことであっても制約があってはならない。人権侵害を理由に反対している市民団体しかり、この幼稚さにはいい加減うんざりする。

つい話が脱線してしまったが、日本も対岸の火事ではない。遅かれ早かれ生体認証は導入される。利便性への欲求が強いことから考えても、まず間違いない。事が起こってから対処するのは日本人の特徴だが、今こそ当事者として真剣に考えるべきだと思う。

なお現時点での生体認証は、本人拒否率と他人受入率が二律背反の関係(トレードオフ)にあるため安全とは言えないらしい。写真は生体認証で使われる虹彩(こうさい)。指紋と同じように固有性があり、誤認率は非常に低いとされている。

参考サイト:
生体認証 - Wikipedia
虹彩認識 - Wikipedia

Thursday, March 06, 2008

Sorry Excuse My Life

言い訳と後悔ばかりの人生

一時はミュージシャンとして成功するが、兄との確執でバンドは解散。その後はドラッグに溺れ、乗っていた飛行機は墜落。40人あまりの生存者と共に、何もない島での生活が始まった。ここでは地位や名誉は何の役にも立たない。生身の人間として、どれだけ価値があるのかが試される。


(C)Copyright ABC Television Network

音楽を奪われた彼に残っていたのは、利己的で奥行きのない人間性。当然信頼など勝ち取れるはずもなく、疎外感に苛まれるようになる。状況を改善するためにも、自己と向き合おう。そう決心したまではよかったが、簡単にリセットできるほど積み上げてきた時間は軽くない。

そんな時、ふとある女性に惹かれているのに気づく。なかなか思いは伝わらなかったが、それでもいい。時には憎まれ罵倒されながらも、ただひたすら思い続けた。彼女を守るのは自分しかいない。使命感と愛が交錯しながら、彼は新しい生き方を見つけていく。

自我を捨て、他人を思いやることが全て。以前とは違った自己を確立した彼は、自然と周りから受け入れられるようになった。その思いはついに彼女にも届くが、ある男から思いも余らぬ運命を告げられる。

その男に見えるのは未来の断片。数日後には死ぬ運命にあり、それは誰も止めることはできない。行動を変えることで一時的には回避できるが、軌道はすぐに修正され死ぬこと自体は変えられない。実際何度も助けられたが、その度に新たな運命はやって来た。

それでも彼は戦い続けた。死ぬのは時間の問題とはいえ、今の自分には守るべきものがある。たとえ死ぬ運命でも、指をくわえて見ているわけにはいかない。そんな彼の元に、新たな断片が届く。もちろん戦うつもりだったが、今回は少し様子が違っていた。

死ぬ運命に変わりはないものの、断片の最終章は彼女が救出されるシーン。死を拒否することはできるが、そうなれば彼女が助かる断片も消える。未だ救出の見込みもない。彼は運命を受け入れ、1枚のノートをその男に託す。そのノートには、人生で最高の瞬間が記されていた。

「Five Best Moments Sorry Excuse My Life (Greatest Hits) 」

これはLostに出てくるチャーリーの物語。最悪な思い出の中から、一生懸命探している姿が今でも頭から離れない。こんなことに感情移入するのは、自己を投影してるからでもある。実際自分なりのベスト5を考えてみたが、何一つ思い浮かばなかった。

一般的な生活をする人にとって人生とは曖昧で、実像は掴みにくい。オリンピック選手のような抑揚はないので、そういう意味ではこれで普通なのかも知れない。ただ何もないというのはやはり問題。まだ死ぬような歳ではないが、何かを思い知らされた気がする。

LOST Video Island - "How To Save A Life"

このビデオは、そんなチャーリーに捧げるオマージュ。曲がハマり過ぎているというのもあるが、本編を見ている時より切なくなる。ビデオの最後に出てくるRIPはRest in Peace、ノートに書かれた1位はこれだった。

「The Night I Met You」

関連サイト:Greatest Hits (Lost) - Wikipedia, the free encyclopedia

Tuesday, March 04, 2008

Spring Game vs PHI T7-7

Giambi stars in tie with Phillies

オープン戦としては2試合目だが、テレビ中継はこれが今年初めて。解説とアナウンスはケン・シングルトンとマイケル・ケイ。たった5ヶ月のブランクとはいえ、両者の掛け合いは妙に懐かしかった。乱打戦ということで収穫は少なかったが、気づいた点を書いてみる。

Andy Pettitte / アンディ・ペティット 投球回2.0 被安打1 与四死球1 奪三振1

ボールが高めに浮き、ストライクが入らない苦しい内容。数字だけ見れば順調だが、まだまだ仕上がり途上といったところ。ただ球速は90マイル前後出ていたので、体調面での問題はなさそう。

Brian Bruney / ブライアン・ブルーニー 投球回1.0 被安打3 与四死球1 奪三振1

オフに25ポンド(約11キロ)の減量に成功。それまでのスキンから髪も伸ばし、見た目はかなり若返った。去年のマイナー落ち(下記リンク)には相当不満だったようだが、それだけに期するものがあるのかも知れない。

関連記事:August7,07 @ TOR W9-2

減量と聞くとパワーダウンが懸念されるが、この日のストレートは最速で96マイル。その点では特に心配ない。ただ制球難の方も健在で、四球絡みで2失点と相変わらずの内容だった。

Steven White / スティーブン・ホワイト 投球回1.2 被安打5 与四死球2 奪三振0
6勝4敗 防御率3.34 1S 投球回91.2 被安打85 与四球32 三振55(2007 3A Scranton)

メジャー経験のない27歳。マイナーでは主に先発投手として起用されていたらしい。ストレートは平均で90マイル、変化球のキレも平凡でこれといった特徴がない。タイプとしてはカーズテンズに似ている。マイナーでの成績を買われているのだと思うが、通用するようには見えなかった。

Juan Miranda / ホアン・ミランダ 1打数 0安打
55試合 .265 7本 46打点 出塁率.352(2A Trenton)

元キューバ代表のファースト兼外野手。今年が4年契約の2年目に当たる。かなり期待されている選手だが、ご覧の通りやや伸び悩んでいる。この日も外角低めを逆らわず左中間へ運び、ポテンシャルの高さだけは感じさせた。

起用法が注目される松井は欠場。試合中にあったジラルディのコメントによれば、現時点では報道されている通り流動的らしい。ポイントはファーストの守備で、ジアンビ以外の候補(*1)が浮上すれば半レギュラー。そうでなければ、主にDHとしてスタメン出場が約束されると思う。(*1)この日HRを打ったレーン、エンズバーグ、ミランダなど

Video:
Jason Giambi HR
Jason Lane HR

Saturday, March 01, 2008

Hot Stove 2008-2

ストーブリーグ2008: Aロッドのドタバタ劇

ロドリゲス、ヤンキースと10年契約でサイン スポーツ Reuters
Yankees sign 3B Alex Rodriguez to a 10-year contract

一連の騒動は出戻りという形で終結したが、これには現在でも様々な憶測が飛び交っている。最も一般的なのはAロッド側が譲歩、代理人のボラス抜きで交渉したことが再契約に繋がったというもの。個人的な考えは後述するとして、まずはそれまでの経緯を振り返ってみる。

当初Aロッド側は、再契約の条件として3億5000万ドルを要求。ヤンキース側の提示額(*1)2億3100万ドルとは大幅な開きがあったため、交渉する間もなくFAに。この時点でヤンキースは事実上の撤退宣言。実際オーナーのスタインブレナーは次のようにコメントしている。(*1)レンジャーズから引き継いだ3年8100万ドル+5年1億5000万ドル

「再契約はノーチャンス、ヤンキースの一員でいたくない人間は必要ない。」

これを受けて、メディアは一斉に退団が決定的と報道。獲得できるチームは限られているものの、争奪戦が始まったかに見えた。ところがそれから1ヶ月も経たないうちに、Aロッドが自身のホームページでヤンキースと交渉を進めていることを明かす。

両者の間を取り持ったのは、共通の友人であるゴールドマンサックス社の幹部。代理人のボラスは同席していなかったと言われている。一方のスタインブレナーも前言撤回、一転して相思相愛の関係が出来上がる。

「ヤンキースでプレーしたいという彼の誠意を感じた。」

結局ヤンキースは10年2億7500万ドル(約300億円)で契約。インセンティブ(*2)を含めると総額は3億ドル以上で、史上稀にみる大型契約で幕を閉じた。(*2)歴代上位4人のHRに並ぶごとに600万ドル、新記録達成でさらに600万ドル

FA前の交渉でAロッド側が要求したのは3億5000万ドルだから、インセンティブを含めても5000万ドル減。単純に考えれば譲歩したと言えなくもない。ただしそれはヤンキース側も同じことで、結果的に当初の提示額(2億3100万ドル)を大幅に上回る契約を強いられている。

仮にAロッドが、インセンティブの条件を全て(*3)満たせば7000万ドル増。加えてレンジャースから支払われる年俸の一部(900万ドル×3)を含めれば、相対値で1億ドル近くにもなる。そういう意味では、譲歩したのはむしろヤンキースと言える。(*3)45本ペースなら、6年目の2013年にボンズの記録を抜く計算

代理人のボラスが窓口となって交渉決裂。最終的にはAロッド自身による決着だったことから、守銭奴たるボラスを無能とする見方もある。以下の記事がまさにそんな論調なのだが、個人的にはまったくの逆。多少強引なところはあるものの、彼は正真正銘のプロフェッショナルだと思う。

A・ロッドの造反でメジャーは変わるか - goo スポーツ:NumberWeb -

交渉に駆け引きはつきもの、提示額はその道具に過ぎない。当然落としどころは別にあるはずで、提示額でまとまらなかったから無能というのはあまりにも短絡的。松坂の時もそうだったが、実際ボラスは巧みな交渉術で金額を上乗せさせている。これについては以前書いた記事があるので、興味があれば読んでみて欲しい。

関連記事:D-Rave

そもそも今回の決着は、FAになったことが根底にある。そうでなければ10年契約など引き出せなかっただろうし、金額についても同じことが言える。金銭面でのこだわりは別としても、野球選手である以上できるだけ長くプレーしたい。決して若くはないAロッドにとって、長期契約は何にも代えがたいはず。ではそのFAを誘発させたのは誰か。そう、代理人のボラスその人なのである。

A-ロッド ヤンキース退団説 - goo スポーツ:NumberWeb -

実はこの騒動が始まった時、AロッドがFAになることは予想していた。というのも、事前にこの記事を読んでいたから。FAになるメリットが理路整然と書かれているのだが、実に説得力がある。同じNumberWebのコラムとはいえ、内容は雲泥の差。これが1年前に書かれたというのだから、さすがと言う他はない。

そのへんの三流ライターならともかく、超一流選手の代理人ともなればこの程度の分析は朝飯前。当然ボラスにも当てはまるわけで、これがFAを誘発させたと断言した理由でもある。未だに解雇されていないことから考えても、大きな不満がないのは確かだろう。ただ今回の件で評価を下げたのも事実。宿命と言ってしまえばそれまでだが、何だか不憫な気がする。

アレックス・ロドリゲス 三塁手 32歳 右投右打
158試合 .314(.306) 54本 156打点 143得点 24盗塁 出塁率.422(.389)
(成績は2007年度、カッコ内は生涯成績)

Aロッドにしてやられた格好のヤンキースだが、この選手はどんなことがあっても残留させるべきだったと思う。知っての通り、近年のヤンキースは不良債権に悩まされ続けている。一時の好成績や中途半端な実績で獲得するからだが、Aロッドはそのどちらでもない。

42歳までの契約なのでいずれはその時が来るとしても、当分は主軸として活躍してくれるはず。ワールドシリーズ制覇が至上命令なら、これ以上頼もしい選手はいない。他チームからすれば贅沢な話だが、残念ながらヤンキースとはそういうチームなのだ。

参考サイト:
スポーツナビ 野球 MLB A・ロッドとヤンキース、契約合意までの迷走劇
A・ロッド 球界最高額にボーナスも(野球) ― スポニチ Sponichi Annex 速報

Hot Stove 2008-1
Hot Stove 2008-3




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