Thursday, May 29, 2008

Turn To The Left

左曲がりの松井秀喜

5月29日現在、松井の打率は.330でリーグトップ。まだ100試合以上を残しているとはいえ、この時期の数字としてはレベルが高い。内野安打が少ないだけでなく、首位打者経験のあるオルドニエスマウアーを抑えてのトップも立派。


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大ざっぱに言って、打者は2つのタイプに分けられる。ボールを引きつけ、利き腕で押し込むタイプ。もう1つは、体の回転で運ぶタイプ。前者は腕力と下半身で飛距離を得るため、多少差し込まれてもボールは飛んでいく。

逆に後者は重心移動が全て。タイミングが遅れると強い打球は飛ばせない。結果として開きが早くなり、プルヒッターになる。特に松井のような右投げ左打ちは、押し込む腕が利き腕ではないのでこのタイプが多い。

アウトコースが広いメジャーでは、圧倒的に前者が有利。外角のボールは引っ張りにくく、よほどタイミングよく打たないと重心移動が伝わらない。ツーシームやカッターを投げる投手が多いのもその一因。

松井は言わずと知れたプルヒッター。当然相手は外角しか投げてこない。つまりプルヒッターにとって、外角を克服することは打撃向上の必要条件。一時ゴロキングと呼ばれたことがあったが、それは外角を無理やり引っ張っていたことに原因がある。

このチャートは、ヤンキースタジアムにおけるシングルヒットの分布。見ての通り、今季は左方向の打球が極端に多い。センターから左方向に限って言えば、すでに去年とぼぼ同数のヒットを打っている。また若干だが打球も深い。

対左投手/左+右 2007年:95/225(42%) 2008年32/78(41%)

当初は左投手が多いせいだと思っていたが、調べてみると数字的には変わらない。相手投手の攻め方は変わっていないので、打球の深さ(強さ)からしても何かをつかんだ可能性はある。

「左投手からの変化球、左中間からセンター方向への強い打球が出ればいいサイン。ファンとしてはそんな打撃を松井に期待している。」

去年の9月、松井のスランプ中にこんなことを書いた。自分の野球観が正しければ、今の成績は偶然の産物ではない。プルヒッターが矯正されたわけではないので断言はできないが、少なくとも去年よりは活躍できるはず。というより、そうでなければ困る。

Playlist Updated:
進歩(プログレッシブ)、左とくればこの曲。LeftfieldのSong Of Life.

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September16,07 @ BOS W4-3

参考サイト:
Hideki Matsui 2008 Batting Splits

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