日本 vs. 韓国 1次ラウンドA組 ゲーム6 (決勝)
Boxscore: Korea vs. Japan - March 9, 2009
すでに2次ラウンド進出を決めているチーム同士の対戦。日本で行われる日韓戦ということで興行的な旨みはあるものの、どうしてもその必要性に疑問を感じてしまう。1勝で勝ち抜けなら話は別だが、どちらも2試合目までに(B組1位チームと)対戦するのだから優位性はないに等しい。
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World Baseball Classic: World Baseball Classic 2009 Brackets
順当ならB組1位チームは優勝候補のキューバ。もちろん簡単に勝てる相手ではないが、負けた時のデメリットばかり強調されてはいないだろうか。例えばホームアドバンテージが2試合(*1)与えられるメジャーリーグのプレーオフ。(*1)地区シリーズを除く
敵地での連敗を想定すれば確かに不利だが、1勝すれば一転して有利(その後3試合はホーム)になる。そもそもホームでの勝率は最高でも7割程度しかないから、連敗する可能性は印象ほど高くない。
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実際前回のWBCではキューバに勝っているし、戦力が劣ると仮定しても4割ぐらいの勝率は見込める。韓国に負け越し(1勝2敗)ながら結局は優勝したことから考えても、心理的な要素や流れはまったくアテにならない。逆にフォーカスできる分有利ともいえるわけで、少なくともこの日の敗戦に一喜一憂する必要はないと思う。
追記:どちらも2試合目までにB組1位チームと対戦するというのは間違い。以下の場合、韓国はキューバと対戦せずに準決勝に進出できる。反対に日本が2度キューバと対戦する可能性もあるので、キューバ>メキシコの関係なら2位通過のデメリットは存在する。訂正してお詫びしたい。
日本○× 韓国○○ または 日本×× 韓国×○ キューバ○○
試合の方は見ての通りの接戦。ヒット数こそ少ないが、出塁数で上回った韓国に軍配が上がった。唯一の得点も四球のランナーで、改めてその怖さを思い知らされる。ただ記事にある村田の守備位置は判断が難しい。
城島が反省「失点は自分の責任」
ライン寄りに守れば三遊間が空き、ヒットの可能性は上がる。それを防ぐにはショートもサード寄りに守らなくてはならないが、そうなると今度はセカンドゴロなどの併殺プレーに支障(*2)が出る。要求通り内角に投げてもセカンドゴロの可能性は残るので、ランナーを牽制する意味でもショートは定位置が望ましい。(*2)ベースカバーが遅れるため
長打を警戒してサードはライン寄り、三遊間を抜かれたら諦める。状況(*3)を考えればこんな姿勢でも間違いではないが、やはりここはノーマルな守備体形がベスト。日頃から自分を責めることが多い城島だが、今回に限っては単なる結果論だと思う。(*3)4回0-0、長打で2失点
4回表:四球→ヒット→無死1.2塁→三振→ヒット(得点)
韓国の野球は知っているようで知らない。この試合を見るまでは日本に近いイメージを持っていたが、今となってはダイナミックな印象すらある。前述の得点シーンも無死1.2塁でヒッティング。3番バッターにバントは消極的とはいえ、選択肢としてまったくないわけではない。この日はそんな韓国の野球を象徴する場面があった。
4番村田が韓国先発の奉に完敗
バッターボックスには当たっている村田。次打者は左の稲葉(DH)で、1塁は空いている。対する奉重根(左)はここまで2安打と調子がいい。右投手に継投するのは損だが、わざわざ村田と勝負する必要もない。フォースアウトを可能にする敬遠が得策に見えた。
韓国意地の1位突破 奉重根、熱投69球
ところが韓国ベンチは勝負を選択。しかも投球全てがストレートというおまけ付き。采配自体は未だに賛成できないが、文字通りの真っ向勝負は見応えがあった。高めのボール球に手を出して追い込まれた村田と、強気が生んだコントロールミスが逆に好結果をもたらした奉重根。勝負というのは本当に分からない。
8回ウラ:1死後→ヒット(イチロー)→犠牲バント→2死2塁
韓国と対照的だったのがこのプレー。送りバントで1回のチャンスに賭けるより、走らせてチャンスを増やす方が間違いなく効率がいい。同点のランナーを大事にしたかったのだろうが、8回でビハインドなら失うものはないはず。ましてや2次ラウンド進出は約束されているわけで、これでは勝てるものも勝てない。
傍観者としてしか見ていないので腹も立たないが、こんな調子だとこの先も何かやりそうな気がする。マウンド上の林昌勇が(盗塁しやすい)右投手だったことも、最後に付け加えておく。
Video:
Recap: KOR 1, JPN 0