Thursday, May 29, 2008

Turn To The Left

左曲がりの松井秀喜

5月29日現在、松井の打率は.330でリーグトップ。まだ100試合以上を残しているとはいえ、この時期の数字としてはレベルが高い。内野安打が少ないだけでなく、首位打者経験のあるオルドニエスマウアーを抑えてのトップも立派。


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大ざっぱに言って、打者は2つのタイプに分けられる。ボールを引きつけ、利き腕で押し込むタイプ。もう1つは、体の回転で運ぶタイプ。前者は腕力と下半身で飛距離を得るため、多少差し込まれてもボールは飛んでいく。

逆に後者は重心移動が全て。タイミングが遅れると強い打球は飛ばせない。結果として開きが早くなり、プルヒッターになる。特に松井のような右投げ左打ちは、押し込む腕が利き腕ではないのでこのタイプが多い。

アウトコースが広いメジャーでは、圧倒的に前者が有利。外角のボールは引っ張りにくく、よほどタイミングよく打たないと重心移動が伝わらない。ツーシームやカッターを投げる投手が多いのもその一因。

松井は言わずと知れたプルヒッター。当然相手は外角しか投げてこない。つまりプルヒッターにとって、外角を克服することは打撃向上の必要条件。一時ゴロキングと呼ばれたことがあったが、それは外角を無理やり引っ張っていたことに原因がある。

このチャートは、ヤンキースタジアムにおけるシングルヒットの分布。見ての通り、今季は左方向の打球が極端に多い。センターから左方向に限って言えば、すでに去年とぼぼ同数のヒットを打っている。また若干だが打球も深い。

対左投手/左+右 2007年:95/225(42%) 2008年32/78(41%)

当初は左投手が多いせいだと思っていたが、調べてみると数字的には変わらない。相手投手の攻め方は変わっていないので、打球の深さ(強さ)からしても何かをつかんだ可能性はある。

「左投手からの変化球、左中間からセンター方向への強い打球が出ればいいサイン。ファンとしてはそんな打撃を松井に期待している。」

去年の9月、松井のスランプ中にこんなことを書いた。自分の野球観が正しければ、今の成績は偶然の産物ではない。プルヒッターが矯正されたわけではないので断言はできないが、少なくとも去年よりは活躍できるはず。というより、そうでなければ困る。

Playlist Updated:
進歩(プログレッシブ)、左とくればこの曲。LeftfieldのSong Of Life.

Play Sub Tracks

関連記事:
September16,07 @ BOS W4-3

参考サイト:
Hideki Matsui 2008 Batting Splits

Wednesday, May 28, 2008

May27,08 @ BAL L9-10

Injury to insult
Box Score (MAJOR.JP)

花火大会とジーターの影

両チーム合わせて31安打、9本のHRが飛び出す乱打戦。雨による中断もあり、終わった頃には日付が変わっていた。こういう試合は見ている側も疲れる。勝ったのならまだしも、リードしながらのサヨナラ負けと救いようがない。

ポイントとなったのは11回の攻防。無死満塁と絶好のチャンスを迎えたヤンキースだったが、Aロッドの当たりはセカンド正面のゴロ。これが4-2-5の併殺となって一瞬にして好機を潰してしまう。続く松井のヒットで勝ち越したものの、1点止まりで攻撃終了。

このケースで4-2-5の併殺は珍しい。どこでもフォースアウトが可能とはいえ、通常なら4-2-3。これはジーター(2塁ランナー)のスタートが遅れたためで、併殺を取るには唯一の選択だった。仮にこれがなければ1死満塁。松井のヒットで2得点できた計算になる。

1点を追うオリオールズはそのウラ、先頭のモーラがヒットで出塁。1死後ハフの当たりは左中間へ。1塁からモーラが生還し同点、送球の間にハフは3塁に進む。1死3塁となりヤンキースは満塁策を取るが、シントロンの犠牲フライで万事休す。

本塁への送球は中継プレーだったのだが、これもジーターの判断ミス。パーフェクトの送球をしたとしても、間に合うタイミングではなかった。サドンデスなので気持ちは分からなくもないが、クレバーなプレーとは程遠い。結果的に打者ランナーを3塁に進めてしまったことが敗戦に繋がった。

この日のジーターは明らかに精彩を欠いていた。6回2死1.2塁の場面で、ピックオフプレー(2塁ランナー)に引っかかりタッチアウト。9回無死2塁では、送りバントを失敗した上に空振り三振。1つでも上手くいっていれば、試合はどうなっていたか分からない。

「選手に戦犯なし」

選手はあくまでも使われる側。結果が出ないとしても、使う方が悪い。自分の人生がかかっているのに一生懸命やらない選手などいないのだから、この考え方は譲れない。ただしそれが怠慢プレーやメンタルエラーとなると、話は違ってくる。

今回のケースに当てはめると、4つのプレーのうち3つはそのいずれか。判断の難しいものが多いのは事実だが、ピックオフプレーに同情の余地はない。直接の原因は投手陣にあるとしても、今回ばかりはジーターにも責任がある。

どんな時でも諦めず、いつも前向きなジーター。気のせいかも知れないが、今季はそれがあまり感じられない。ベンチ内の様子を見ても、表情はどこか曇りがち。まるで結末を知っているかのような雰囲気さえある。何の根拠もないが、チーム内に原因があるような気もする。

11回に松井のタイムリーで勝ち越したヤンキースは、オフのカブレラを守備固めでセンターに起用。センターのデーモンはレフトへ、レフトの松井はベンチに下がった。捕球力を優先しての措置なのだろうが、これはかなり軽率。

勝ち越したとはいえ差は1点。捕球力は認めても、肩は松井が上。つまり純粋な守備固めにはならないわけで、その代償として松井を下げるのは得策ではない。この日のファーストは不慣れなベテミット。そのベテミットをエンズバーグに代えるならともかく、そうでないならデーモンにファーストを守らせた方が効率はいい。

結果的にはこの回で試合が終わったが、延長が続くようなら戦力ダウンは避けられない。ジーターのケースと違って、こういうメンタルエラーは言語道断。これではデーモンにファーストの練習をさせた意味がまったくない。ミットを持っているだけ無駄というものだ。

ヤンキース、チェンバレン先発転向プランが早くも裏目?

これほど低俗な記事もそうはない。先発した時のメリットは棚に上げて、デメリットだけ強調する愚かさ。これがディベートなら、中学生相手にも論破されてしまうだろう。中国のチベット問題ではないが、こういう記事はきちんと検閲してもらいたい。

とはいえ、この試合はチェンバーレインが投げていれば勝てた可能性が高い。ただしそれを言うなら、ケネディの代わりに先発していれば勝てたとも言える。つまり問題は先発転向ではなく、それをシーズン中に行うことにある。これについては後日改めて書くつもり。

Kennedy headed to DL due to lat strain

3回で途中降板したケネディがDL入り。ヒューズ同様おかしなタイミングだが、広背筋を痛めたらしい。記事によれば去年の9月にも同じような痛みを感じたそうで、持病と言えなくもない。首脳陣は明言を避けているが、早ければ6月2日のツインズ戦にもチェンバーレインの先発が実現する。

Yankees sign Broussard to minor league deal

レンジャースをDFAになったブルサードとマイナー契約。本来のポジションはファースト、外野も守れる。ダンカンとエンズバーグの不振(*1)が背景にあるのは疑いようもないが、この程度ならミランダレーンと変わらない。(*1)ダンカン.164、エンズバーグ.203

さらに言えば、ブルサードは左打者。仮に上がって来るようなことがあれば、好打者のケーシーを獲得しなかったのはバカ丸出しということになる。今に始まったことではないが、どうしてこうまでも幼稚なのか。頭脳労働が聞いて呆れる。

関連記事:Hot Stove 2008-5

Video:
Daily Rewind Game Recap
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Monday, May 26, 2008

May25,08 vs SEA W6-5

That's five for Yanks
Box Score (MAJOR.JP)

最高の試合で5連勝

先日ある友人から、野球の記事ばかりでつまらないと言われた。このブログがヤンキースファンで支えられているのは事実だが、書きたいことは他にもあるので自分でも納得がいかない。ただ観戦記という性質上、どうしても優先せざるを得ない事情もある。

始めた頃は全試合書いていたが、今はその気になった時だけ。この日は松井がオフ。こうなるとまったく見る気がしない。テレビはつけていたが、背を向けていたのでラジオと同じ。要所だけ映像を見るという感じだった。

ところが8回にドラマがあり、久しぶりの逆転勝ち。3点差以上の逆転勝ちが初めてというのも情けないが、結果的には今年一番の試合になった。ということで今回もヤンキースの記事。まずはキーとなったプレーから。

同点で迎えた4回、2つの四球とヒットで無死満塁のピンチ。次打者のバレンティンは打ち取ったものの、ベタンコートのヒットで勝ち越しを許す。続くイチローの当たりは平凡なファーストゴロ。ところが処理を焦ったダンカンがこれをエラーして2点差。打撃で結果が出ていないだけに、こういうプレーは耐え難い。

なおも1死満塁で対するはロペス。ファースト正面のライナーだったが、ダンカンがまたもエラー。ただし満塁が幸いし、逆に3-2-4の併殺が成立する。災い転じてとはまさにこのことで、ヤンキースにはツキがあった。ダンカンの起用法と共に、イチローを刺したモリーナの強肩も強調しておきたい。

2点をリードされた5回、ヤンキースは四球とヒットで無死1.2塁のチャンス。前任のトーリなら間違いなく打たせるケースで、今季の采配を見る限りジラルディも例外ではない。何度となく書いているが、無死1.2塁とは進塁するかどうかで状況が一変する。極論するなら、毎回バントさせてもいい。

さてそのジラルディ、今回はなぜかバントの指示。カブレラが比較的バントが上手いこと。成功すれば上位に繋がるとはいえ、この決断には勇気がいる。個人的にはいたって普通なのだが、ここは素直に評価するべきだろう。カブレラは期待に応え送りバント成功。デーモンのファーストゴロで、3塁ランナーが生還した。

ダンカンのプレーは単なるラッキーだが、ここでの得点は戦術によるもの。どのイニングで取っても1点は1点。追いつくことはできなかったが、こういう得点は非常に重要。結果論ではなく、これがあったからこその逆転劇と言ってもいい。

イチロー名球場“ラスト弾”も「体力ない」と言葉少な

ビッグイニングとなった8回の攻撃はご覧の通り。ジラルディも認めているように、松井の好走塁が大きい。もっともこれはイチローの油断から生まれたもので、これがなければモリーナの当たりも捕球されていた可能性が高い。得点圏に進んだことで、外野は浅めの守備位置を取らざるを得なかったからだ。

「流れがあるからね…」

流れの話は好きではないが、松井の内野安打などを見ると確かにそんな気もする。ただここで言いたいのは、イチロー自身が非を認めていないこと。松井にタッチアップを許さなければ定位置だったわけで、油断が原因だとすれば弁解の余地はない。

11年前を思い出すイチロー、「大豊さんの気持ちが…」

その一方で、自分に不利な状況は徹底的にアピールする。注目度の高い試合で凡退したのが悔しかったのだろうが、こんな選手を応援する人の気が知れない。これに関しては、なりぽんさんが何とも明快なコメントをしている。

「技術とか成績とかじゃなく、野球がチームスポーツであることへの理解度が全然違う」

TransMLB(AKAダークマリナーズ)の著者にして、ごますり世界一と言わせる監督のマクラーレン。ウィーバーやセクソンを獲得してしまうGMのバベシ。チーム批判を公然とし、監督を擁護するイチロー。 それとは逆に、監督批判をする主砲イバニエス

任天堂に浸かりきった体質など、このチームの醜さは枚挙にいとまがない。余計なお世話なのは承知しているが、ここがシアトルだと思うと正直ぞっとする。イチローファンを刺激してもいけないので、そろそろ話を戻そう。

先発のウォンは6.1回を投げて5失点。ボールが全体的に高く、制球も悪かった。本来は高い被安打率を、制球力と併殺でカバーするタイプ。この日のように四球を4つも出してしまうと崩れやすい。ただし今季に限っては、その関係が逆転している。

被安打率/四球率 2008年.230/3.21 生涯.264/2.51

左に弱いダンカンの起用やAロッド効果。圧巻のリベラなどまだまだ書き足りないが、疲れてきたので今日はこのへんで。

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Friday, May 23, 2008

May22,08 vs BAL W2-1

Duel ends wild series
Box Score (MAJOR.JP)

Here Comes Matsui

同点で迎えた9回、先頭の松井がこの日2本目のヒットで出塁。Aロッドとジアンビは三振に倒れたものの、代打のアブレイユが四球を選んで2死1.2塁。直前の退場劇(後述)が火をつけたのか、客席からは久しぶりにレッツゴーヤンキースの大合唱。


(C)Copyright Al Bello/Getty Images

バッターボックスにはカノー、対するは好投手のジョンソン。野球ファンにとって、これ以上の場面もそうはない。そのカノーは期待に応えてレフト前ヒット、ヤンキースが今季初のサヨナラ勝ちを飾った。

打ったカノーにその座を譲ったものの、真のヒーローは全得点を上げた松井。めぐり合わせの問題で記録には表れていないが、今季は特にこんな役割が多い。得点圏にランナーを進めたアブレイユもヒーローの1人。動くことを嫌うジラルディだけに、こういう選手はいないと困る。

得点圏といえば、こんな場面があった。同点の8回、2死からデーモンがヒットで出塁。オリオールズの攻撃はあと1回で、ブルペンではリベラがウォームアップしている。次打者は巧打力の高いジーター。条件は揃いすぎるぐらい揃っていたが、走らせることなく攻撃を終える。

BOS vs MIN (5月11日)
レッドソックスの1点ビハインド、9回2死1塁でスチール(走者:クリスプ)

HOU vs CHC (5月19日)
アストロズの3点ビハインド、8回無死1.3塁でスチール(走者:松井稼)

これは最近あった、同様のケース。いずれも失敗は許されない場面だが、勝ちに行った結果ならたとえ失敗しても(*1)納得がいく。今回はビハインドではなく同点。当然失うものは何もない。(*1)実際は両方とも成功

ジラルディの退場は、ジアンビの判定(*2)に抗議したため。ビリー・マーチンばりのパフォーマンスがサヨナラ勝ちを呼んだとしても、それ以前にやるべきことがある。パソコンにかじりついて相性を調べるのも結構だが、少しは勝負というものを意識して欲しい。もっとも今回は、勝負勘ではなく理屈の問題。(*2)ファールチップかどうかが争点

ビデオ判定の試行検討=米大リーグ

このところのメジャーリーグは誤審続き。下記のビデオを見てもらえば分かるように、実に3本ものHRが無効(*2)となっている。そこでこの記事。ただの偶然かも知れないが、タイミングがタイミングだけに可笑しい。(*2)1本は結果的にインサイドパークHR

Delgado's overturned homer
Soto's inside-the-parker
A-Rod's disputed double

前々から思っていたのだが、フットボールのようにチャレンジシステムを導入したらどうだろう。両チーム1回ずつなら、試合時間もそれほど長くならないはず。たった1つのプレーが勝敗を分けることも多いので、是非導入してもらいたい。

話が前後するが、問題の判定は審判が正しい。ミットに収まる前に別の音がしたし、ジアンビがあまり抗議しなかったことも不自然。ボールが何かに触れたことは疑いようもなく、死球のアピールさえしていないのでほぼ間違いない。

それにしても松井の激走は、何度見ても鳥肌が立つ。HRやファインプレーもいいが、個人的には最も好きなシーン。お陰でチェンバーレインの先発転向はスルー、写真まで拝借するハメになった。

Video:
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Wednesday, May 21, 2008

May20,08 vs BAL L2-12

Ugly opener for Yanks
Box Score (MAJOR.JP)

スコットの独壇場: E6-E7-K-BB-HR

ヤンキースの先発は、すでに軟投派のイメージが定着しつつあるムシーナ。ここまで5連勝中と好調だが、一過性のものとする見方も強い。結果は1回持たず7失点(自責点1)。別の意味で納得した人も多いかと思う。

ムシーナ: 投球回0.2 被安打5 与四球2 奪三振1

エラーがなければ1失点(後述)とはいえ、打たれたのは事実。ただしピッチング自体は悪くなかった。許したヒット5本のうち、甘いボールはハフに対する1球だけ。それ以外は際どいコースかボール球で、ほとんどが低めにコントロールされていた。2つの四球は自己責任だが、それほど悲観する内容ではない。

参考ビデオ:Orioles' seven-run first

12失点のうち、投手についた自責点は4。純粋に打たれたならまだしも、エラーで負けたとなると後味が悪い。おまけに乱闘騒ぎまであり、試合としても最低だった。面白いのは、そのほとんどにスコット(オリオールズ)が絡んでいること。以下はスコットの打席。

第1打席: E6(0-1、1回2死1.2塁)
平凡なショートゴロをジーターが悪送球。その後四球と3本のヒットで6失点。

第2打席: E7(0-7、2回2死1塁)
デーモンが目測を誤り落球。その間に1塁ランナーが生還。さらに四球とヒットで1失点。

第4打席: BB(0-10、6回2死ランナーなし)
頭部付近の投球に激怒し、マウンドに歩み寄る。投げたホーキンスは退場処分。

第5打席: HR(2-10、8回2死1塁)
ひざ下の難しい球をすくい上げ、アッパーデッキに2ランHR。

2つのエラーを誘発し、乱闘騒ぎを演出。仕上げは豪快なHRとまさに独壇場。単なる偶然とはいえ、結果的には影のヒーローになった。ちなみにホーキンスの退場は、ジーターが受けた死球に対する報復と見なされたから。以下はそのホーキンスのコメント。

「(投手は)インコースにも投げなくてはいけない」

実はこの場面、直前(初球)にも危険球に近いボールを胸元に投げている。一方モリーナの構えはいずれもアウトコース低め。真偽のほどは分からないが、腕の角度から言っても故意の可能性は否定できない。

参考ビデオ:Hawkins is ejected

これで4連敗、首位とのゲーム差は7.5に広がった。打ち勝つチームが打てないのではこの結果も当然だが、対戦投手のレベルが高いのもポイント。この日のカブレラにしても、ここまでの被安打率は.225。不調というより、問題は別にあると考えるべきだろう。詳しくは後日触れるとして、今回はケン・シングルトンの言葉を引用して終わりにする。

「Aロッドはスーパーマンではない」

追記:ジーターの悪送球は、ベースカバーが遅れたためとの声がある。放送中にも同様の指摘があったが、これは間違い。というのもスコットは左打者なので、ファースト寄りに守っていたカノーに落ち度はない。ジーターが定位置で捕球できたのが何よりの証拠。

Hitting Chart (Ground Outs/Singles参照)

2死なら塁間を空けない守備体系が基本であり、ランナーのスタートも早いためフォースアウトを意識しないのが常識的。仮にベースカバーに入っていたとしても、際どいタイミングだったことも付け加えておく。

Video:
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A-Rod's two-run homer

Saturday, May 17, 2008

One Way System

One Way: 1つのトラックをみんなで歌うこと(レゲエ用語)

こっちでもあっちでも、井川がバッシングを受けてる。少しだけど自分の立場は書いたし、これ以上は耳障りでもスルーするつもりだった。人に何かを説明するのはエネルギーがいることで、分かってることをわざわざ書くのも面倒。こんなこと言うとブログの存在自体が矛盾するんだけど、ある意味では本音かな。

ところがブックマークを整理してたら、偶然井川の記事を読んじゃってね。よせばいいのにコメント欄まで。耳障りを通り越して、そりゃ酷いもんだった。腹が立つっていうか、呆れ果てるっていうかさ。ここんとこずっとそれが行ったり来たりしてたんだけど、どうにも我慢できなくなってきた。ということで行きます。

そもそもこれって、高額契約が問題なんでしょ。高い金払ったのに働かないって。年齢とか経緯は違うけど、まったく通用しなかった桑田なんか美談になってるもんね。払ったヤンキースが非難されるなら分かるんだけど、なぜそうならないんだろ。

井川にかかったコストは4600万ドル。そのうち2600万ドルは入札金で、本人の懐には入らない。5年契約だから年俸は400万ドル。もちろん安くはないけど、これぐらいなら日本でもいるよね。メジャー全体で言っても、そこまでガタガタいう金額じゃない。

ヤンキースがそれだけ払ったのは事実だから、それなりの責任がある。こんな風に思うなら見当違いもいいところ。コミッショナーのセリグも言ってるように、ポスティング制度そのものに問題があるに過ぎない。もちろん自分が井川の立場なら責任は感じるよ。でもそれと責任を押しつけることは根本的に違う。

イチローや松井のように活躍すれば日本の誇りで、そうでなければ恥さらし。いったいどういう理屈なわけ?より高いレベルを目指してこっちに来たわけでしょ。失敗する人がいて当たり前だし、言葉も文化も違うところで頑張ってる姿をどうして評価してやらない?そういうこと言ってる奴の大半は、チャンスがあったって海外って聞くと怖気ずくんじゃないの?

井川のせいで、日本のプロ野球のレベルが低いって思われるのが嫌だって意見もあったな。日本人メジャーリーガーは井川だけじゃないし、そういうものは総和で決まるから心配ご無用。仮にそうなったとして、個人的に何が困る?どんなに立派な日本人がいても、あなたの価値は1円も上がりませんよ。

ずっと前にgooかなんかのブログランキングを覗いたことがあってさ。1位のサイトってどんなもんだろうってね。そしたら韓国を中傷するだけのサイトだった。確かKFC(コリアファッキングカントリー)とか書いてあったよ。ロクに読まなかったけど、記事の中にこんなのがあった。

「韓国は日本のテレビ番組をパクってる」

これに延々とレスがついてるわけ。うちは20インチのモニター使ってるんだけど、50インチぐらいでやっとスクロールバーが出なくなるぐらいにね。レスのほとんどは井川と同じような中傷。パクりはパクりだから仕方ないんだけど、日本だってかなりアメリカの番組をパクってる。有名なクイズ番組は特に確率が高いと思う。

確信犯なのか単に知らないのかは分からないけど、そういうサイトがランキング1位って恥ずかしくないか?gooにしたって、どのツラ下げて運営してるんだろう。あなたも参加して下さいってよく言えるな。韓国が日本よりレベルが低いのは認めても、そういうものをコケにしないとアイデンティティーが保てない国民ってどうよ?

結局今回だって同じでしょ。だいたい井川の登板って、日本で放送なかったんだよね。ケーブルとかネットとかで見た人もいたんだろうけど、数字だけでモノ言ってないか?まあ実際見たところで分かんないだろうけどさ。過信って言葉も見かけたけど、結果だけでモノ言ってるあなたがまさに過信。野球以前に日本語を勉強するべきだね。

あの投球じゃ通用しないと思うのも無理はない。個人的にも現状では同意見だしね。でも数字だけで判断すべきじゃないし、それ以上のことも言うべきじゃない。それでも井川の存在が日本や日本人の評価を下げるというのなら、ガタガタ言うのはむしろ逆効果。余計プレッシャーかかって、さらに醜態さらすよ。

最後に、そんな数字愛好家の皆さんに参考データを。若いから成長力が違うって思うだろうけど、それでも使い続けたのはチーム事情だけじゃない。投球そのものを見て、資質が高いと判断したから。GMじゃないんだから関係ないって?だから言ってんじゃん。そういう人に言論の自由はないって。(勝敗/防御率/被安打率)

ジャクソン (レイズ)
2007年:5勝15敗/5.76/.299 2008年:2勝3敗/3.47/.235

カルモーナ (インディアンズ)
2006年:1勝10敗/5.42/.298 2007年:19勝8敗/3.06/.248

関連記事:それでも僕は | 前文

Wednesday, May 14, 2008

May13,08 @ TB L1-2

Mo can't extend game
Box Score (MAJOR.JP)

ジラルディの証明

松井のHRも空しくサヨナラ負け。レイズの勢いに負けたと言えばそうだし、単純に力不足とも言える。リベラに否定的な人は笑っているだろうが、手を尽くして負けたのだから仕方がない。多くのファンがそんな感想を持ったことと思う。

試合が終わった瞬間、ある衝動にかられる自分がいた。まさにあの時と同じ。知る限りの汚い言葉で罵倒したくなる、あの感覚だ。1ミリでも何かが変わればいい。普段そんな思いでブログを書いているつもりだが、この時ばかりは自分の微力さが身にしみた。

延長11回、先頭のフロイドがヒットで出塁。レイズベンチは、すかさずゴームスを代走に送る。ヤンキースには代走要員がいないので、こんな当たり前の風景が羨ましい。もちろん怪我人の影響ではなく、この状況は開幕以来変わっていない。実際代走がいたら(*1)と思う場面もあった。(*1)9回1死1塁、走者ジアンビ

関連記事:Opening Roster 2008-2, Hot Stove 2008-4

そのゴームスは思惑通り盗塁に成功。無死2塁となって、迎えるはこの日途中から7番に入っているグロース。否が応にも盛り上がる場面だが、ここで考えられないことが起きた。あろうことか、グロースと勝負したのである。

無死2塁とは、ノーヒットでも得点されてしまう状況。勝負すれば、黙って相手に3回チャンスを与えることになる。ここはどう考えても敬遠が得策。フォースアウトが可能になるだけでなく、併殺はおろかトリプルプレーもないとは言えない。

仮にセカンドランナーが進塁したら、満塁策を取ればいい。先日のホワイトソックス戦でも同様のことがあったが、あの時を90とすれば今回は120。長い間野球を見ているが、こういう光景はあまり記憶にない。

まずはグロースを討ち取り、当たっている次打者のナバーロを敬遠。こんな構想があれば話は別だが、そうなると前述のホワイトソックス戦で勝負したことが矛盾する。もっとも相性や左投手という単純な理由でオーダーを変えるジラルディに、そんな綿密さはあるはずがない。

「It's gonna happen (起こりうること)」

リベラが打たれた理由を尋ねられ、ジラルディはこう繰り返していた。リベラに関しては確かにそうだが、あの場面で何もしないことは起こりえない。起こってはいけないのだ。トーリほど酷い監督はいないと思っていたが、ひょっとするとジラルディはそれ以上。日替わり打線やダンカンの起用法には目をつぶっても、今回はさすがに目に余る。

普段は手を出さないボールを打ち、見事HRにした松井。黙々と力投したエースのウォン。盗塁を成功させ、ベースを叩いて喜ぶゴームス。そんな選手の頑張りを生かすも殺すも監督次第。少なくともこの試合に関しては、そう断言できる。

まだ始まったばかりとはいえ、これで首位とは4.5ゲーム差の5位。追ってくるのは圧倒的な投手力を誇るブルージェイズだけに、最下位は時間の問題かも知れない。

Video:
Daily Rewind Game Recap
Matsui's game-tying homer

Tuesday, May 13, 2008

May12,08 @ TB L1-7

Bats can't lift lefty
Box Score (MAJOR.JP)

手も足も出ないヤンキース、レイズはホームで10連勝

先発のペティットは、4回5失点で降板。被安打率が高い(*1)ので、集中打を浴びる展開になれば簡単にこうなる。ランナーを背負ってもパニックにならないのは強みだが、率直に言って信頼を置ける投手ではない。(*1)通算.270、今季は.292

先発が早期に崩れ、ビハインドを強いられる。動くことを嫌うジラルディだが、こうなると動きたくても動けない。結果的に3つの併殺と、絵に描いたような負けパターン。先発の重要性は何度も書いているが、いつになったら気づくのだろうか。

Albaladejo to DL with elbow injury

先日のタイガース戦で負傷降板したアルバラデーホに代わって、ブリトンが昇格。能力的には多少落ちるものの、いずれも低次元で大勢に影響はない。故障者続出で駒不足を心配する人もいると思うが、この程度の選手は腐るほどいる。埋もれている若手が出てくるようなら、それこそ怪我の功名だろう。

そのブリトンは、2回を投げて1失点という内容。腹踊りできる体型(約125キロ)も問題だが、一頃に比べると球速が落ちていた(*2)。暫定的な昇格とはいえ、これなら左のトレーバーの方がずっといい。

左打者に強いデータを理由にベンチ入りさせておきながら、ちょっと結果が出ないと簡単に見切る。ケネディの処遇しかり、このチームに理論の土台というものは存在しない。(*2)80マイル台後半

Igawa to 'pen; Kennedy to be recalled
「井川はあくまで先発投手」 ブルペン降格に苦渋の監督

ペティットの後を受けたブリトンが失点すると、ブルペンには井川の姿。ロングリリーフとしての起用を示唆したジラルディだが、結局登板させることはなかった。ペティットが降板した後のロングリリーフ、ブリトンの後のモップアップ。特に後者はブルペンを休ませられるだけでなく、リスクなしで井川を評価できる絶好の状況。

それでも使わなかったのは、その必要もないという意味に他ならない。登板間隔が短いとはいえ、それなら投球練習させること自体が矛盾する。言葉通りならケネディの昇格後もブルペンに残れるが、これを見る限りその可能性は低い。

Betemit headed to 15-day DL

復帰したばかりのベテミットがまたもDL入り。上がってきたのは、先日(オプションのない)エンズバーグの代わりにマイナー通告を受けたゴンザレス。結果が出ないエンズバーグ(*3)にしてみれば助かったわけだが、こういう選手こそ見切るべき。執着する理由がさっぱり分からない。(*3)打率.222 出塁率.258

Yankees lose lefty Henn to Padres

モーラーの昇格でウェーバーにかけられていたヘンがパドレスに移籍。ピンポイントの故障でトレーバーにその座を奪われたが、本人のためにはこれでよかったと思う。怪我の影響さえなければ、ある程度の成績は残せるはず。

メッツの放送権を持つSNYを見ていたら、待ってましたとばかりに井川が叩かれていた。チームに矛先が向くのなら分かるが、なぜか対象は井川本人。中にはメジャーでの登板はありえないと断言するアホまでいた。その一方でラズナーを褒めちぎっているのだが、その理由が何とも笑える。

「ラズナーは元々ドラフト1巡目」

アドレナリンが出きった何でもコメンテーターというか、知性のかけらもない。残念なのは、ヤンキースの首脳陣がこいつらと変わらないほどレベルが低いこと。たった1試合で井川を見切り、今度は調整させるはずのケネディをコールアップ。炎上した場合は、やっぱりチェンバーレインですか?

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Monday, May 12, 2008

Andy Tubman, Quiet Inside

それでも僕は

こちらに住んでずいぶん経つが、来た当時一番困ったのがヒアリング。何を言っているのか理解できず、かといってその都度聞き返すのも恥ずかしい。結果的に分かったフリをすることが多かった。それでごまかせればまだしも、そう上手くはいかない。


You Bring The Devil (2005)

たいていは相手に愛想をつかされ、自尊心が傷つくのがオチ。それがパーティーのような場なら、ほぼ間違いなく孤立する。そんな風にしていると、人格まで変わってくる。受け入れられることに必死で、自分の意思は二の次。アイデンティティーなど持てるはずもなく、自分でない自分に甘んじるしかない。

人間にとって、個々の意識とは唯一無二の存在。信じるのも頼りにするのも、自分を置いて他にはいない。その自分がいないとしたら.....足元はおぼつかず、進む道さえ見えなくなるはずだ。

井川にも同じことが言える。英語が上手くない上に非社交的。結果でも残せば状況も変わってくるのだろうが、逆に悪くなる一方。ポスティングの2600万ドルとニューヨークという土地が、それにいっそう拍車をかける。もはやピッチングどころではない。何と言っても、あの萎縮しきった表情が全てを物語っている。

自分の意思で選んだ道。プロである以上当たり前。他の日本人選手も同じ条件。井川に批判的な人はこう言うだろう。何かを槍玉に挙げることでしか自己を確立できないクズは別だが、全ては正論。そう思うのは無理もない。ただそれでも、そんな立場に立てない自分がいる。

井川が好きなわけでもなく、日本人選手だから特別扱いしているということもない。自分でも理由は分からないのだが、そんなことを考えているうちにふとこの曲が浮かんできた。色がマッチしない、そういうこともある。

訳:栗原とみ子/ The Jacket

今日は色がマッチしない そうとしか言えない
努力したけど僕には無理だった 押しつけは嫌いだし
彼らも僕が疎ましい でも許してもらう必要なんてない

僕の心は静寂の中 体を引きすられても
激しい嵐が空を引き裂いても 僕の心は静寂の中

誰にも理解されずに 怒りで目が潤む
でも今の僕にははっきりと見える 僕は鈍い人間だし 
一生このままだけど 鏡に映る顔は自分だと知ってる

僕の心は静寂の中 体を引きすられても
激しい嵐が空を引き裂いても 僕の心は静寂の中

そうさ静寂の中 そうさ静寂の中
今日は色がマッチしない そうとしか言えない

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Playlists Updated:
自分の中でのアンサーソング、Corinne Bailey RaeのLike A Star. できることなら、こんな気持ちで見守ってあげて欲しい。ビデオはこちら

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関連記事:Andy Tubman Reprise

それでも僕は 前文

Sunday, May 11, 2008

May9,08 @ DET L5-6

Igawa offers no help
Box Score (MAJOR.JP)

それでも僕は | 前文

登板前から半ばさらし者の扱いだった井川。ほんの少しでも見返して欲しかったが、残念ながら連中をさらに踊らせる結果となった。現時点では結論が出ていないものの、先発はおろか野球人生における次すら危うい。

変化球の制球に苦しみカウントが作れない。ストレートを投げれば、捕手が立ち上がるようなボールかど真ん中。投手にして、好球必打を自作自演するような内容だった。右打者が並ぶ打線や守備の乱れを考慮しても、結果に差はなかったと思う。

ストレートは90マイル強、チェンジアップやスライダーのキレも悪くない。もちろんいい時の話だが、こんな井川を見ているだけにどこか納得がいかない。いったい何が悪いのか。メカニック的な問題もあるにせよ、やはり原因はメンタル面としか思えない。

井川 メンタル - Invisible Search

ランナーを背負うと途端に被安打率の上がるエースのウォン。チャンスでの凡退がブーイングを呼び、さらに凡退を繰り返すAロッド。満塁での打率が生涯打率を上回ることなど、メンタルの問題は野球と深い関わりがある。(続く

Video:
Daily Rewind Game Recap

Friday, May 09, 2008

May8,08 vs CLE W6-3

Power averts sweep
Box Score (MAJOR.JP)

チェンバーレインのショートストーリー

このシリーズの初戦、ヤンキースは痛い星を落とした。7回を終わって1点リード。後ろにはチェンバーレインとリベラが控えている。能力はもちろんのこと、今シーズンの調子から考えても誰もが勝利を確信したことと思う。



マウンドに上がったチェンバーレインはスライダーを多投。スライダーに自信を持っているとはいえ、放送席でも指摘されていたようにちょっと珍しい。それが影響したのか、制球が定まらず2つの四球。次打者のデルーチに痛恨のHRを浴びる。

打たれたのは高めのストレート。見逃せばボール球で、決して失投ではない。ハイボールヒッターらしいが、ここは振り負けなかったデルーチを褒めるべきだろう。ちなみに去年の今頃、リベラが痛打されていたのもこの球。

参考ビデオ:Dellucci's three-run homer

ベンチに戻ったチェンバーレインは失意の表情。悔しさを堪えるかのように髪を引っ張り、目には涙を浮かべていた。ヤンキースタジアムでは初失点とのことだが、それ以上に自身の投球に納得がいかなかったのだと思う。

翌日の試合中カメラがブルペンに向けられると、そこにはチェンバーレインとリベラが映っていた。まるでレクチャーでもするように、話し込んでいる。内容は分かるはずもないが、両者の表情は真剣そのもの。ただの雑談でないことだけは間違いない。

7回を終わって3点リード。この試合も出番がやってきた。まずはマウンド上で深呼吸、そして今度は打者を睨みつける。リベンジという言葉がこれほど陳腐に聞こえる瞬間もない。松井の全力疾走と同じように、こういうものはいつ見ても鳥肌が立つ。

「一番得意なボールは何だ?」
「ストレートです」
「それなら自信を持って投げろ」

リベラとの間にこんな会話があったかどうかは分からないが、実際スライダーは1球だけ。前回の登板とはまさに逆で、首を振ってストレート(最速99マイル)を投げ込む姿が印象的だった。

最後の打者は偶然にもデルーチ。見事三振に仕留め、お得意のFist Pump。勝敗はさておき、久しぶりにいいものを見た気がする。Fist Pumpといえば、Daily Newsにこんな投票がある。意外にも支持者は多くないらしい。

Jumping Joba
How do you feel about Joba Chamberlain's fist-pumping antics?
(毎回のように)こんなカッツポーズを見せる彼をどう思う?

先発のムシーナに少しだけ触れておくと、打者に的を絞らせない配球がよかった。強打者のマルチネスハフナーがいなかったこともあるが、あれだけの球種を投げられては打者も困るだろう。以下はその球種と球速。参考程度に見てくれるとうれしい。

ツーシーム86 フォーシーム85 抜いたフォーシーム83 スライダー/カッター81
ナックルカーブ78 スローカーブ72 チェンジアップ67

ついでにもう1つ。シャペックに打たれた三遊間(*1)はいただけない。前進守備ではなかったので得点は避けられなかったかも知れないが、ジーターがセカンド寄りに守っていなければ捕れた打球。(*1)3点目、1死3塁

参考ビデオ:Shoppach's RBI single

左打者なら分かるのだが、シャペックは右。念のためチャートで確認したところ、打球方向は通常の右打者と同じだった。ジーターは守備範囲が狭いといわれるが、それ以前に守備位置が悪い。実際こういうことはよくある。

根本的な責任はジーターにあるとしても、守備位置の指示はベンチワークの範疇。今回は大勢に影響なかったが、野球というのはこういう些細なことが勝敗を左右する。揃いも揃って、まったく何をやっているのやら。

Video:
Daily Rewind Game Recap
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Thursday, May 08, 2008

Phoenix Round-About: Day 3

アリゾナ旅行: 3日目

誰に起こされることもなく、自然と朝の7時に目が覚めた。前日は野球見たさに貴重な1日を潰し、残るは1日半。特に意識はしていなかったが、旅行を無駄にしたくないという気持ちがそうさせたのだと思う。食事は後回しにして、早速出でかけることにした。


(C)Copyright Invisible KMFIS

この日の目的地はセドナ。レッドロックに代表される独特な景色が特徴で、アメリカで最も美しい観光地の1つとされている。また何百年もの間ネイティブアメリカンから崇拝されてきた歴史があり、パワースポットとしても人気が高い。日本でも話題になったことがあるようなので、知っている人も多いだろう。

宇宙は意識の集合体、そこには過去や未来が存在する。こんな風に考えているぐらいだから、当然スピリチュアルなものには興味がある。パワースポットと聞いて食指が動かないはずはないが、今回は別。砂漠にそびえるレッドロックにやられてしまった。旅行先をここに決めたのも、それが理由と言ってもいい。

セドナには昼過ぎに到着。インフォメーションセンターで地図を受け取り、予定通り4大ヴォルテックスを回ることにした。後で気づいたことだが、そもそもこれが間違い。というのも各ヴォルテックスは離れているため、全て回るとかなりの時間がかかる。現地に何泊かするなら別だが、そうでないとこれだけで1日が終わってしまう。

ヴォルテックス以外のビューポイントに行くなり、ジープツアーに参加するなどアクティビティーもたくさんある。貧乏旅行の宿命とはいえ、もう少しリサーチしておくべきだった。何より通過儀礼のような形になったことが、我ながら情けない。

そういうわけで、岩と木の写真ばかり撮って日が暮れた。他にやったことと言えば、ブランチを食べにテラカパキへ行ったことぐらい。魅了されていたはずのレッドロックも、あれだけ見るとさすがに飽きる。

それなりの写真(下記リンク)が撮れたので不満はないが、次回はもう少しまともな旅行にしてみたい。ちなみに前述の4大ヴォルテックス、結局は3つしか回れなかった。(続く

Phoenix Round-About: Day 3 - a set on Flickr
View as slideshow on Flickr

Phoenix Round-About: Day 1

関連サイト:アリゾナ州セドナ商工会議所観光局

Tuesday, May 06, 2008

Payback

初登板の井川、ズバリ自責点は? - ebet

ヤンキースが井川獲得に支払った金額は、ポスティングを含めて4600万ドル。初年度はわずか14試合の登板で、防御率は6.25。今季にいたってはベンチ入りさえしていない。

名誉挽回したい井川だが、幸運にもそのチャンスが訪れた。そこで問題。5月10日、もしくは9日のタイガース戦に先発予定の井川の自責点を当てて欲しい。

判定は失点ではなく自責点。先発、リリーフにかかわらず該当日に登板した時点で成立するものとする。なお現時点では10日の登板が濃厚だが、9日の場合は締め切りを早めることがある。

追記:井川の登板は9日でほぼ決まりらしい。

関連記事:井川 - Invisible Search

Monday, May 05, 2008

May4,08 vs SEA W8-2

Rasner keys sweep
Box Score (MAJOR.JP)

3連勝で貯金1

ヤンキースの先発はラズナー。ボールが高めに浮き変化球も今ひとつだったが、終わってみれば6回2失点とクオリティスタート。元気のないマリナーズ打線とはいえ、余分なランナーを出さなかった(無四球)ことが大きい。初登板としては十分過ぎる活躍だが、投球内容から言って楽観視は禁物だろう。

ラズナー - Invisible Search (ブログ内検索)

ラズナーはこのオフ、招待選手としてキャンプに参加していた。結局は40人枠に入ることなくマイナー契約。今回の起用は好成績(*1)が理由のようだが、裏を返せば能力の見極めに問題があるということになる。(*1)投球回31.0 防御率0.87 被安打率.170 / 3A Scranton/WB

ローテーション入りに相応しい投手とは言わないが、40人枠に入っている選手に疑問が多いのも事実。結果でしか判断できないのならスタッフなど必要ないわけで、常に後手に回っていてはポテンシャルは生かせない。

カブレラやカノーの台頭は、いずれもアクシデント(*2)がきっかけ。ビッグネームを上から被せてしまうことが主因だとしても、若手が育ちにくい理由の一端はこんなところにある。(*2)カブレラは松井とシェフィールドの故障、カノーはウォーマックの不調

Yankees send Kennedy to Triple-A
井川、メジャー昇格へ

故障で離脱したヒューズに続いて、今度は先発5番手のケネディがマイナー落ち。表向きは調整が目的とのことだが、実際は井川と天秤にかけられるレベルまで信用を失ったのだと思う。

キャッシュマンによれば、今回の措置はチェンバーレインの先発転向とは無関係。ただしプランの存在自体は認めていて、状況次第では6月にも大きな動きがありそう。ちなみに井川の登板は、ローテーション通りなら10日のタイガース戦が有力。

Yankees April 30: Signed catcher Chad Moeller; designated catcher Chris Stewart for assignment; activated pitcher Sean Henn from 15-day disabled list and designated him for assignment; placed pitcher Phil Hughes on the 15-day disabled list. / ESPN - Chad Moeller Stats

先日DFAにしたばかりのモーラーと再契約。それほど詳しくはないが、こういう例はあまり記憶にない。さらに故障中のヘンがDFA。オプションが残っていないとはいえ、貴重な左のパワーピッチャーをこうも簡単に放出してしまうのは賛成できない。

期待している選手というのもあるが、少なくともライトカーステンズよりは能力上位。モーラーのような再契約は考えられないので、残念ながら移籍は避けられそうもない。ヘンの評価は賛否両論だろうが、個人的にはかなりショック。

Video:
Daily Rewind Game Recap
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Thursday, May 01, 2008

Summary: NYY April 2008

14勝15敗、地区4位で4月を終了

去年に引き続いてのスロースタート。主力選手の離脱も一因だが、何と言っても先発陣の不振が大きい。もっともこれは開幕前から予想されたこと。今季の先発はワーストと書いた通り、それが現実になったに過ぎない。GMのキャッシュマンをはじめ、首脳陣の責任が問われるところだ。

チーム防御率:4.56(地区ワースト) 先発:5.26 ヒューズ+ケネディ:8.78(0勝6敗)

防御率が悪いのはいつものこと(*1)だが、先発がこれでは勝てるわけがない。極めつけはヒューズとケネディ。本調子じゃないことを考慮しても、何かの間違いだと錯覚するほど醜い数字。この2人で6敗しているのも痛い。(*1)去年のチーム防御率は4.50

打撃陣に目を向けると、ジアンビとカノーが打率1割台。ジアンビはさておき、カノーのスランプはちょっと意外だった。生涯打率は3割オーバー。典型的なスプレーヒッターだけに、チームとしても想定外だったと思う。

NYY  試合数:29 得点:125 HR:29 盗塁:10 打率:.255
OAK 試合数:29 得点:135 HR:15 盗塁:09 打率:.250

ヤンキースの平均得点は4.3で、地区ワースト。打てない打たれるでは負け越しも当然だが、もう少しやり方があった。これは試合数が同じアスレチックスとの比較。得点効率に大きな開きがあるのが分かると思う。出塁率や得点圏打率の問題もあるとはいえ、改善の余地があることだけは間違いない。

外野の控えがゼロに けが人続出のレッドソックス

怪我人続出で厳しいのはヤンキースだけではない。ポサダとAロッドを欠くのは確かに痛いが、それでも平均レベルの打線は維持できる。スケープゴートなどもっての外。指揮官としての自負があるのなら、今こそその手腕を見せてもらいたい。

関連記事:
Joba Role
April14,08 @ TB W8-7




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