Monday, December 24, 2007

Between Us-2

カジノとバスにまつわる話(その2): ジットニーとゴールドカード

アトランティックシティーには11のカジノホテルがあるが、隣接しているものは少ない。提携ホテル同士はシャトルバスで行き来できるものの、通常はジットニーと呼ばれる小型バスを使って移動する。


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ジットニーの歴史は意外にも古く、アトランティックシティーにおいては1915年までさかのぼる。元々運賃が5セント(Jitney)だったことが名前の由来らしい。ちなみに現在の運賃は2ドル、シャトルバスの方はメンバーズカードを持っていれば無料。

参考:ATLANTIC CITY JITNEYS

先日アトランティックシティーに行った時のこと。いつものようにシャトルバスに乗ろうと並んでいると、前にいたカップルが運転手と揉めていた。不思議に思って聞いてみると、システムが変わったことが原因だった。

以前と違ってどのカードでも乗れるわけではなく、ゴールド(*1)の場合は系列ホテルに宿泊していることが条件。幸いプラチナになったばかりだったのですんなり乗れたが、どこか釈然としない。(*1)グレードは順にゴールド、プラチナ、ダイヤモンドの3つ

カードのグレードは主に投入金額で決まる。経済的に余裕がないからシャトルバスを利用するのであって、当然その大半はゴールドカード。そんな人がカジノを支えているという事実から考えても、こういうやり方には賛成できない。そんなことを思いながら発車を待っていると、この疑問に答えるかのように運転手が話し始めた。

「実はここ最近、市と争ってるんだ。向こうはこのシャトルバスを廃止したいんだよ。これがあるとジットニーとかタクシーに乗ってくれないからね。それだけだったらこっちも強気に出れるんだけど、実際はシャトルバスをカジノとは関係なく利用してる住民もいる。」

「ゴールドカードは誰にでも作れるし、カジノをやらなくてもなくならない。だから今までのように、無条件に乗せるわけにもいかなくなったわけ。お客さんには悪いと思うけど、これでも精一杯戦った結果なんだ。」

ただの交通手段として使われるのはカジノ側にとっても損失だが、サービスを続けたいがための妥協案だったのは事実だろう。さっきまでの嫌悪感もすっかり吹き飛び、前回のライダーよろしく住民のたくましさに感心した。

バスとは関係ないが、ついでなのでもう1つ。シャトルバスを待っている時、救急車が目の前に止まった。お客の1人が心臓発作を起こしたとのことだが、それについて救急隊員がこんな風に喋っていた。

「先週も同じようなことがあったよ。きっとバッドラック過ぎて心臓にきちゃったんだね。」

医者と同じように職業柄とは分かっていても、その屈託のなさには驚いた。カジノという場所がそうさせるのか、そう言われるとこっちまでそんな気になってくるから不思議だ。

今回初めて、あるテーマを持ってスライドショーを作ってみた。あえて説明はしないが、記事のタイトルと内容に関係がある。

Play Slideshow: Atlantic City 1012-1407

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