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カジノとバスにまつわる話(その1): ライダー
ニューヨークでカジノといえばアトランティックシティー。最近マンハッタンに程近いヨンカースにカジノが出来たが、東海岸のラスベガスと言われるアトランティックシティーとは全てにおいて差がある。
(C)Copyright Lauren Lancaster for The New York Times
アトランティックシティーまではバスで行くのが一般的。料金はバス会社や行き先(カジノホテル)によって違うが、例えばアカデミーなら30ドルちょっと。チケットには20ドル前後のクーポンが付いていて、カジノ内のキャッシャーで現金化できる。
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感じ方は人それぞれだろうが、バス代はバス代と割り切れば20ドル得した気分にはなる。相手の術中にはまっているとはいえ、嬉しいサービスなのは確かだ。
チャイナタウンとは面白い街で、何もかもが安い。偽物も多いので注意は必要だが、食料品などはタクシー代をかけても十分お釣りがくる。
前述のバス代も例外ではなく、ここならほぼ半額。もちろんバス会社は違うが、クーポンは同じように付いている。つまりチャイナタウンから乗れば本当の意味で得をするわけで、これを利用しない手はない。
The Days and Nights of Maurice Cherry - New York Times
そこで登場するのがこの人、モーリス・チェリーさん。チャイナタウンとカジノを往復することが仕事、バスや待合室を寝床として生活している。こんな人たちをライダー(Rider)と呼ぶそうだが、そう言われてみると心当たりがある。
カジノ内で何もせずただ座っているだけの人、バスが来ても乗らない人は実際多い。当初は単純にお金がなくなっただけだと思っていたが、その中にはこのライダーも相当数いるのだと思う。
行き先:Resorts Atlantic City
バス代:13ドル クーポン:25ドル(キャッシュ)
行き先:The Atlantic City Hilton
バス代:18ドル クーポン:22ドル(キャッシュ)+20ドル(match-play coupon)
行き先:Foxwoods(コネチカット州)
バス代:10ドル クーポン:50ドル(match-play coupon)+12ドル(フードチケット)
これは記事中にあった一例。チェリーさんを含めてライダーの多くは毎日1往復はするそうなので、最低でも12ドルは稼げる計算。現金化できないクーポンを売れば、20ドルぐらいまで期待できる。
クーポンを売るのは禁止されているが、実際にはプレーヤーにディスカウントすることで現金化が可能。match-play couponについてはこちらを参照。
真っ当な生き方とは言えないが、かといって法を犯しているわけでもない。個人的にはライダーの響き通り、たくましさを感じる。今のところカジノ側も手の打ちようがないようで、当分は彼らも困らないだろう。
たくましいのはライダーばかりではない。というのも、そんな事情を見越してバスの運転手がチップを要求するらしい。タクシーのチップは普通でも、バスのチップなど聞いたことがない。さすが繁殖能力ナンバーワン、恐れ入りましたというところだ。
写真はカジノから数ブロックのところにある、チェリーさん行きつけのレストラン。あまりにもいい写真なので、無断で拝借した。ちなみに注文するのは6ドル50のフライドフィッシュとマカロニとのこと。できれば向かいの席に座って、同じものを食べてみたい。
参考:U.S. FrontLine September 1st week, 2007
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