Friday, December 14, 2007

Gonezilla-2

松井がトレード要員になる理由-2: リードオフマンという認識

グラフィックデザインにおけるタイポグラフィー、料理ならダシというように何事にも基本がある。必ずしも全てに当てはまるわけではないが、ワンランク上を目指すためには必要なことだと思う。

野球においてもそれは同じで、強いチームを作る上では最重要項目と言ってもいい。守備面ではセンターライン(*1)、打線ならリードオフマンと中軸がそれに該当する。(*1)セカンドとショート、捕手とセンター

ヤンキースというのは面白いチームで、未だにこの基本が徹底されていない。前回書いたセンターのデーモン、捕手としては最低レベルのポサダがいい例だ。その一方で血眼になって獲得するのは、基本とは無関係のビッグネーム。今のところは圧倒的な資金力でカバーできているが、少しでも状況が変わればこんなチーム作りは通用しない。

ここ数年のヤンキースは、リードオフマンを固定できずにいた。そこで白羽の矢が立ったのが、レッドソックスからFAになったデーモン。ワールドシリーズ制覇から間もないこともあって、その活躍ぶりが印象的だったのだろう。長年の懸案もこれで解決、最高のセンターを手に入れたというムードさえあった。

当時ブログは書いていなかったが、個人的には反対だった。肩の弱さが致命的な上に、何と言っても出塁率が平凡すぎる。GO/AO(*2)は1.0前後だから、エラーによる出塁も期待できない。ジーターの2番に拘るのは分かるが、それはその前の打者が出塁してこそ。どう考えても効率が悪い。(*2)Ground Outs/Air Outs、ジーターは2.0前後

デーモン.351 ペドロイア/ユーキリス.380/.390 サイズモア.390 フィギンス.393

これは今季プレーオフに出場したリードオフマンの出塁率(*3)だが、いずれも3分以上の開きがある。参考までにデーモンの生涯出塁率は.353、今季が特に悪いわけではない。(*3)シーズン成績、アメリカンリーグが対象

ペドロイアやユーキリスの起用を見ても分かるように、リードオフマンに求められるのは足の速さではなく出塁率。レッドソックスの場合は想定していた選手が期待はずれだったということもあるが、そういう意味ではデーモンもまったく同じ。最終的に帳尻を合わせただけで、シーズンを通して不調だった。

話が脱線してしまった気もするが、一応ここからが本題。記憶が確かなら、今季のデーモンは1番以外の打順に入っていない。これはデーモン=リードオフマンという認識が完全に出来上がっていることを意味する。監督が変わったので一概には言えないが、おそらく同様の認識だと思う。

レフトの守備にそれほど差がないとしても、リードオフマンはデーモンしかいない。逆に中軸を打てる打者はいくらでもいるわけで、結果的に松井が押し出されたという構図になる。ジャイアンツとのトレードは破談になったようだが、過ちに気づかない限り引き続きトレード要員なのは変わらないだろう。

次回はトレード拒否条項とジアンビ。

Gonezilla-1

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