Wednesday, October 10, 2007

ALDS 2007 vs CLE G-4 L4-6

Season skids to a halt
Box Score (MAJOR.JP)

いつもの野球でいつもの10月。

この日は中3日(自身初)でエースのウォンが先発。さすがのトーリも、去年の失態が頭にあったのだろう。ファンの期待を一身に背負ったウォンだったが、先頭のサイズモアにいきなりHRと幸先が悪い。その後ハフナーにはレフト前、ペラルタにもセンター前に運ばれあっという間に2失点。スタジアムのボルテージは一気に下がり、暗雲が立ち込めてくる。


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初回を終えて被安打3の2失点。結果だけを書くとこうなるが、実際は数字ほど悪くない。甘かったのはサイズモアに対してだけで、ハフナーには外角一杯のシンカー。ペラルタにはボール球を持っていかれ、打球自体も完全な当たり損ねだった。

参考:Peralta goes 3-for-4

ハフナー(左打者)のヒットは通常の守備位置ならサードゴロ。ヒットになったのはライト寄りのシフトを敷いていたためだが、ハフナーは言わずと知れたスプレーヒッター。ましてやシンカーボーラーのウォンなら、レフト方向の打球は当然多くなる。ベンチのメンタルエラーは明らかで、この1点は確実に余分。

2点を追うヤンキースはその裏1死1.2塁のチャンスを掴むが、後続が倒れ無得点。いずれのランナーもヒットで出塁しているだけに、3連打か長打期待の野球はこんな状況でも変わらないらしい。

拙攻に助けられたインディアンズは翌2回、先頭のグティエレスがヒットで出塁。当たりはよくなかったものの、次打者のブレイクもヒットで続く。ここで相手ベンチは送りバントのサインを出すが、ウォンの2球目がすっぽ抜けシャペックの胸元を直撃。スローで見ると明らかにファールだが判定は死球。トーリの抗議も及ばず、無死満塁のピンチを迎える。

まだ序盤とはいえ、ここで大量失点すれば試合は決まる。エースと心中するか、継投して凌ぐか。この試合最大のポイントであり、後がないヤンキースにとってはシーズンを左右する決断になる。

前述の通り、この日のウォンは悪くなかった。シンカーもキレていたし、特に球が高かったということもない。変化球の少ない淡白な配球だったものの、評価するならBマイナスといったところ。もちろん好調時と比べれば見劣るが、少なくとも前回よりはマシだった。

トーリが選択したのは継投、マウンドにはムシーナが上がる。試合後にトーリ自身もコメントしているように、これには賛否両論あって然るべき。個人的には反対だが、継投が間違いだとは言えない。ただしムシーナがマウンドに上がるとなると疑問は残る。

失点と勝率の関係から、投手は能力順に起用するのがセオリー。これについては何度も書いているので省略するが、継投する以上は好結果が期待できなければ意味がない。平たく言えば、エースを降ろすのだからそれなりの覚悟が必要ということになる。

無死満塁とは野球において最も得点期待値が高い。すでに2点のビハインド、負けた時点でシーズンは終わる。それを考慮した結果の継投なはずであり、当然答は1つしかない。

「能力最上位の投手を登板させること」

具体的には制球力や三振率の高いリベラとチェンバーレイン。次打者が左のサイズモアなのでペティットも該当する。リベラやチェンバーレインは後半の僅差で、ペティットは明日の先発予定。まだ2回だからロングリリーフができる投手で.....こんな思考で勝てるなら、世の中は成功者で溢れかえっていることだろう。

もっとも前述の3人を起用できる監督などまずいないので、そういう意味で非難するつもりはない。ただしこの場面でウォンを降ろさない監督はいる。エースを降ろしてムシーナでは納得しろという方が難しい。

長々と書いてしまったが、実はここからが本題。ウォンの降板もムシーナの起用も、所詮野球人と思えば我慢はできる。ただ4回の1死満塁の場面だけは、どうしても納得がいかない。ここなら少なくともチェンバーレインは出せるだろう。

前日の試合に5点リードで2イニング、今度は温存しての惜敗」

これまで散々書いてきたが、指揮官としてのトーリを語るならこの一行で十分。オールドスクールとかのレベルではなく、単純に能力が低すぎる。擁護派はマネージャーとしての資質を強調することが多いが、そんなあなたには次の一行をプレゼントする。

「シェフィールドとの再契約を容認する監督」

スポーツマンシップも何もあったものではない。トーリの一存ではないだろうが、容認すること自体が問題なのである。洗脳されているのなら話は別だが、こんな監督を心底尊敬するとしたら誰であろうと軽蔑する。事情がよく分からない人はこちらを参照

いずれにしても今年のヤンキースは終わった。投手力強化を主眼にしながら、結局は打撃偏重に逆戻り。またもプレーオフ進出という中途半端な結果で、これでは永久に間違いに気づかない。

トーリが辞めれば多少の期待は持てるが、資金力のあるうちはそう多くも望めない。これがニューヨークという街の地域性、そう納得するしかないのかも知れない。

"His job is on the line, I think we're paying him a lot of money. He's the highest-paid manager in baseball, so I don't think we'd take him back if we don't win this series." The Boss to Torre: Win or else

彼の仕事はどっちつかずで、どうやら金を払い過ぎたようだ。
球界最高年俸(約8億)である以上、負ければ引き止めることはないだろう。

これはオーナーのスタインブレナーが日曜日の時点で答えたものだが、実際はあまりアテにならない。というのも今季の続投はある選手の直訴によるものだそうで、書類上は解雇されていたらしい。マイケル・ケイのコメントなので、ほぼ間違いないと思う。

「短期決戦の難しさ」

ニュースはほとんど見ていないが、世間ではこんなキーワードで書かれた記事が飛び交っていることだろう。これについては日を改めて書くつもりでいる。

写真は98年のマンハッタンパレード。ここに住んでいればまた見る機会はあると思うが、その時までファンでいられる自信はない。

追記:自分の記事を読んでいて気づいたのだが、去年のリベラは4試合で1イニングしか投げていなかった。やはり名将さんには辞めてもらいましょう

Video:
Post Game Plus season finale
Kay and O'Neill on the season's end
Season recap

8 comments:

Anonymous said...

まだ最後の試合は見られません。
見ないまま消してしまうかも。。。

ここまであの試合を分析できるKMFISさん。。。

来年こそ何か変わるんですかね。

KMFIS said...

性格的なものもありますが、
書くことで1ミリでも変わって欲しいんです。

選手の頑張りを無にしなければ、
僕にとっては結果は二の次です。

世界中にいるファンのためにも、
今度は結果に繋げて欲しいですね。

Anonymous said...

こんにちは!
A-Rodの移籍問題や監督の去就でオフのニューヨークは賑わいそうですね。
KMFISさん、オフは記事かかれないのでしょうか。
ブログ面白いので一行日記でも読ませていただきたいところですが…。

KMFIS said...

こんにちは。

確かにこのオフは盛り上がりそうです。
ただ僕自身熱意が冷めてきてしまったようで、
これまでのように追うことはないと思います。

記事自体は書くつもりでいますが、
更新頻度は落ちると思います。
僕の場合どうしても時間がかかってしまうので、
このままの形で続けるのは難しいです。

それよりレッドソックスピンチですね。
マニーやユークもいることですし応援してます。

Anonymous said...

熱意を欠いた上で接するのが一番追っかけやすいですよ。
そうしてるうちに楽しいことも見つかるかもしれない…。

今日はピンチを免れました。
NYYはトーリ監督がやめましたね。
賛否両論あるようですが。
誰が監督になるのか気になります。

KMFIS said...

返信が遅れました。

確かにそうかも知れませんね。
極端な性格の僕にできるか分かりませんが。

ヘンなことをしない監督なら誰でもいいです。
なので個人的にはあまり興味がありません。

ベケット、凄いピッチングでした。
自慢するわけではないですが、
去年aoiさんのブログにこう書き込んだと思います。
「ベケットはいい投手だと思いますよ」

今年は制球力が飛躍的に伸びたのが大きいです。
ストレートに頼らない配球もいいですね。
サイ・ヤングもほぼ当確でしょう。

世間で言われている通り、
僕も今日勝てばいけると思います。
負ければ終わり、全ては数時間後ですね。

Anonymous said...

よく覚えてますよ!!さすがです!

いつも思うのですが、文章って思い入れて書くほど読んでる人に伝わらないですよね。
ファンは耳障りのいい言葉や自分に都合のいい数字が好きです。
ヤンキースファンはヤンキースを褒めてほしいし
ファンじゃない人間にとっては賛同しては失礼だし批判するほど知識もない。
これほど内容の濃いこちらのブログにコメントがつきにくいのはそのせいでしょうか。

私としてはKMFISさんの予言がもっと読みたいです^^

KMFIS said...

内容が濃いかどうかは別ですが、
ほとんど同感というか耳が痛いです。
コメントが少ないのは僕の人間性のせいでしょう。
閲覧する絶対数の問題もありますし。

1つだけ偉そうに書かせてもらうと、
いい部分は見えやすく悪い部分は見えにくい。
言ってみれば誰にでもできることなので、
褒めることにあまり魅力を感じないんです。

当初はそれでも読んでくれると思ってましたが、
どうやら考えが甘かったようです。
1年半もやっているので単純に力不足ですね。

これで3回連続同じパターンですが、
ついに最終戦まで来ましたね。
先発の力量にはほとんど差がないので、
ファンの声援は大きいと思いますよ。




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