Look Back To ALDS 2006-6
数字による比較とまとめ。
レギュラーシーズンにおける防御率と平均得点からその力関係を比較してみる。
(リーグ平均防御率は概算、カッコ内はプレーオフ)
リーグ平均:防御率4.56 得点4.96
タイガース:防御率3.84 得点5.07(5.5)
ヤンキース:防御率4.41 得点5.74(3.5)
ヤンキースの防御率/リーグ平均防御率*タイガースの平均得点=4.90 #1
タイガースの防御率/リーグ平均防御率*ヤンキースの平均得点=4.83 #2
#1と#2は期待値としてのタイガースとヤンキースの得点。リーグ全体の総当りではないのであくまで参考程度にしかならないが、これを見る限り力関係はほぼ互角。次に実際のプレーオフの得点との比較。
タイガース:5.5/#1=112%
ヤンキース:3.5/#2=72%
見て分かる通り力を出し切ったタイガースと出し切れなかったヤンキースが浮き彫りになっている。さらに両チームの勢いを計るため2死後の得点について調べてみた。
(全得点に占める割合/打点をあげた打者に占める割合/得点圏打率)
タイガース:41%/56%/.333
ヤンキース:50%/43%/.154
特筆すべきは得点圏打率でヤンキースの倍以上、数字自体も驚異的。以上のことからヤンキースが持てる力を発揮できなかっただけでなく勢いでも圧倒されたことが分かる。
何度となく書いているが安定して勝つという意味合いにおいて投手力は不可欠。必然的にプレーオフのような短期決戦ではさらに重要になってくるわけで、一般的にも敗退の原因は投手力の差という見方が大半ではある。ただ個人的には投手力よりもむしろ勢いの差が結果に繋がったように思う。
勢いに多少の相関性があるのは事実としても今回はその絶対値自体が小さすぎた。その原因は以前書いたようにチームの結束力と士気によるところが大きい。
タイガースの監督リーランドは春季キャンプでヤンキースを手本にするよう指導したと伝えられている。そして若い選手たちにこう言い続けたそうだ。
「ヤンキースの選手のような特別な自信を身につけろ」
実際タイガースはそれを実践し結束力のある強いチーム作りに成功したが、逆に手本となったヤンキースはそのチームカラーまで失っていた。リーランドの言葉を借りれば今季のヤンキースに特別な自信などなかったのである。
また可能性をことごとく引き下げた采配も決して軽視できない敗因の一つ。采配のせいで負けたとは言えないが、少なくともこれほど惨めな結果にはならなかったはず。
来季のヤンキースもGMキャッシュマンと監督トーリという布陣。スタッフの人事などテコ入れはしているようだが、トップが代わらない以上基本的な体質改善は望めない。
それどころかシェフィールドの来季オプションを行使するという報道もある。もしこれが事実でライバルチームへの流出を阻止するためだけのものだとすれば、ヤンキースはすでに進むべき道すら見失っていることになる。
ヤンキースを形容する時よく引き合いに出されるのが巨人。資金力にモノを言わせて形振り構わず選手を補強するところに共通点があるからだろう。
今まではそれに対して否定的立場をとってきたが、さすがにここまでくると同意せざるを得ない。ここがニューヨークではなく、松井がいなければヤンキースファンをやめてもいい。正直言って今はそんな心境だ。何よりファンでいることを誇りに思えない。
とにかく明日にでもシェフィールドのTシャツを買いに行くつもり。
そしてそれを着て少しでも彼の気持ちを代弁したいと思う。
Look Back To ALDS 2006-1
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