Friday, October 20, 2006

Look Back To ALDS 2006-4

第4戦の先発についての補足。

第3戦でも書いたが、1勝2敗と後がなくなったヤンキースは当初の先発予定ライトをスキップしなかった。トーリの説明によれば次の2つが理由。

1. あと2回勝つ必要があるからそれが後でも先でも同じ
2. 将来のあるウォンに無理をさせたくない

1. が正当性を持つのは第4戦目に勝っても負けても状況が変わらないという前提でのみ発生する。ところがざっと考えただけでも以下のような客観的な状況の違いがあり、正当性はないに等しい。

・ローテーション通りなら5戦目の先発は第1戦で攻略したロバートソン
・ホームアドバンテージ
・あと2勝と1勝の士気の差

まったく別の観点で考えてみてもやはり同様のことが言える。仮にチームが機械だとすればそれぞれのスペック比で勝敗が決まるため、先に勝つことに意味はない。ただし人間同士である以上その勝敗はデジタルに決まるものではなく、不確定要素に左右される割合も少なくない。

その一方で、先に負けることはプレーオフがトーナメント方式である限り確定的なデメリットになる。つまりそれを避けることがこの場合最良の選択であり、そういう意味でも目の前の1勝に拘るべきなのである。この程度の理屈さえ分からないとは情けない限りだ。

2. は第4戦に登板させると中3日となり故障が心配という趣旨。スポーツ医学についてはまったくの無知なので推測の域は出ないが、球数制限をしての登板という選択肢はおそらくあったと思う。

またNLCSの初戦に先発したカージナルスのウィーバーとメッツのグラビン。この両者は中3日で第5戦の先発が予定されていた。(雨で延期になったため結果的には中4日)肩や肘に対する負担は個人差があるため一概には言えないが、それを度外視すればスポーツ医学の見地から言っても中3日の登板は可能だったことになる。

それとどの時点でウォンをニューヨークに戻す決定がなされたのかも気になる。仮にそれが第3戦終了以前なら事前に選択肢を減らしていたことになり、当然問題になってくる。

さらに付け加えればウォンに将来があるのは分かるが、中継ぎのプロクター(今季メジャー最多の83試合に登板)には将来がないのかと言いたくもなる。

今やエースのウォンと中継ぎのプロクターでは比較にならないかも知れないが、プロクターを酷使したのは犠牲を払ってでも地区優勝を目指した結果に他ならない。それならばウォンにも同様の犠牲を払ってワールドチャンピオンを目指すべきではなかったのか。

普段から優等生的な発言しかしないトーリだが、結局のところ中身はこの程度。シェフィールドの例でも分かるように彼にとっては選手など使い捨てなのだ。参考までにそのプロクターは肘の故障で現在検査中。

買わない宝くじは当たらない。
次を勝たなければその次もない。
ALDSにおける最大の失態と言えるだろう。

Look Back To ALDS 2006-1
Look Back To ALDS 2006-5

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