Tuesday, October 17, 2006

Look Back To ALDS 2006-3

今回はオーダーと打順についての補足。

プレーオフのオーダーは主に実績と相性を重視して決められた。実績を重視したのはプレーオフはレギュラーシーズンとまったく別のものという考えからで、相性を重視したのはそれが理論的に見えたため好結果に繋がると考えたからだろう。

前者で言えば確かにプレーオフとはある種特別で、その成績は選手の能力やシーズン成績と必ずしも比例しない。またこれには選手のメンタル的な要素が大きいことから考慮する材料にはなり得る。

実際シーズン終盤4番に定着していたAロッドが3戦目までは6番、第4戦では8番に降格した。プレーオフの実績(過去8試合で打率.111)からすれば降格は妥当かも知れない。ただ本人レベルで考えるとプレーオフになった途端降格では信頼されていないと感じるのも無理はない。したがって他の選手への影響は別としても、Aロッド自身の士気は確実に下がっていたはずだ。

Aロッドを犠牲にしても得点効率を上げたいというのは分かるが、あれだけの打者が実績を理由に8番とはいくら何でもやり過ぎというもの。単純に戦力ダウンにしかならないと考えるのが常識的だろう。結果的には14打数1安打なのだから下げて正解と思うかも知れないが、それを言うならスタメンを外すのが正解であってあくまで結果論に過ぎない。

次に後者の相性だがこれが大いに問題。強引な表現を承知で言えば、相性を重視するというのは占いに近い感覚なのである。

野手にしても投手にしても選手というのは日々そのスタイルを変えていくもので、また能力が伸びている選手もいれば逆に衰えていく選手もいる。つまりシミュレーションゲームのように各パラメータが数値化されていて、それが変化しないという条件の下でしか相性というのはその意味を持たない。相性はあくまで参考程度に止めるべきであって、基準にすること自体ナンセンスと言える。

それとこれはシーズン中からずっと疑問に思ってきたことだが、デーモンが1番に固定される理由が分からない。デーモンの今季の出塁率は.359で試合数の少ないシェフィールドを除けばレギュラー陣の中では最も低い数字。また生涯出塁率は.353と平凡で、一般的にも1番向きとは言えない。さらに過去10試合(レギュラーシーズン)の打率は.176と調子を落としており、これも同様に最も低い数字である。

上記二つの事実を考慮すると、プレーオフの打順を考える上での優先順位筆頭はAロッドではなくこのデーモンなのは明らか。デーモンについては後日触れる予定だが、盲目的に来季もデーモンを1番で起用するようでは本質的に何も改善されないだろう。

話を元に戻すと相性を重視するぐらいならこの調子を重視するべき。以前にも触れたが打撃には好不調の波があり、それはある程度の規則性を持った周期で繰り返される。そういう意味からすると特に好調時と不調時のそれは相性よりは確実にアテになる。

以下はプレーオフの打率上位4人とその過去10試合(レギュラーシーズン)との比較。
(プレーオフ/過去10試合)

ジーター.500/.400 ポサダ.500/.241 アブレイユ.333/.324 松井.250/.414

それほど顕著な結果ではないが、少なくとも相性よりは信頼できることは分かってもらえたと思う。参考までにAロッドは0.71/355で前述の士気の問題と本質的なメンタルの弱さによるもので例外と言っていい。

またヤンキース首脳陣がいかに相性に頼っているかは、相手打者とのマッチアップノートを穴の開くほど見ていることで容易に説明がつく。継投すればするほど失点する理由の一つはまさにこれで、時として能力より相性が優先されてしまうことにある。相性がいかにアテにならないかが分かるだろう。

打順を入れ替えたところで結果に大差はなかったとは思う。
ただ一つ言えるのは勝つ可能性を引き上げる選択肢は確実にあったということ。
確率を優先するのが指揮官の務めな以上、それを怠った責任は重いのである。

Look Back To ALDS 2006-1
Look Back To ALDS 2006-4

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