Wednesday, February 23, 2011

Metaphors

映画The Roadを見て感じたこと

人が生きている背景には2つの要素がある。1つは生への欲求。辛いことがあっても苦痛に耐え、それが叶わないような状況に陥っても生きたいと思う。もう1つは自己実現。何らかの目的がなければ、たとえ生きられたとしても長くは続かない。

両者のバランスには個人差があるが、関われるかどうかの点で後者が重要。そしてこの部分は社会の変化に連動している。選択肢の数が様々な道を生む一方で、それ自体を希薄にしてしまう危険性を併せ持つのが現代社会。自殺者が増え続ける要因の1つはおそらくこれだと思う。

この映画はそんな現代社会とは対極の舞台設定で作られている。絶望的な状況下においても生きることを教え、心の火(尊厳、倫理)を託す父。息子は善人を探して当て所もない旅に出る。火が持つ意味と、親子の姿に世代間を重ねるメタファーが素晴らしい。

戦争を体験した人などは生きるだけで精一杯だったと言うが、だからといって今の時代を生きたかったとは言わない。赤ん坊は放っておくと死んでしまう。現実的にはそうならないにしても、育てる人がいなければ人間の歴史は続かない。我々も火を運ぶべきなのだ。

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映画「ザ・ロード」公式サイト

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