Thursday, November 13, 2008

Possible

ラリー・フリントが望んだこと

ニューヨークタイムスが昨日、イラク戦争終結を告げる号外を出した。反射的にオバマの公約を思い出したが、よくよく考えてみるとまだ大統領になっていない。日付は来年の独立記念日。実はこれ、全て架空のものだった。



メディアの役割は事実を正確に伝えることにある。ただし意見の分かれる部分はそれなりの主張があって然るべき。たとえ事実と誤認されるような内容であっても、それを判断する責任は受け手側にある。

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選択肢があってこそのジャーナリズムなわけで、どこかの国のように横並びでは自意識の向上はありえない。ウォーターゲート事件のワシントンポストではないが、架空と知ってからはニューヨークタイムスに同じイメージを重ねていた。

The New York Times - Breaking News, World News & Multimedia
Liberal Pranksters Hand Out Times Spoof

ところが今日になって、そんな思いも吹き飛ばされた。この号外はニューヨークタイムスとはまったくの無関係。ソーシャルハッキンググループとして有名なThe Yes Menが仕掛けたもので、すでにウェブサイト(リンク上)もある。本家のニューヨークタイムスが平然と記事にしている(リンク下)ところが興味深い。

手元にその現物(全14ページ)があるのだが、これが実によく出来ている。前述のイラク戦争終結に始まり、ブッシュが反逆罪で起訴されたという記事。保守系シンクタンクのヘリテージ財団や、ダイヤモンドとアフリカ問題の関係を皮肉ったDe Beersの広告。主張そのものはともかく、ここまでやれば天晴れというものだろう。

誰にでも批判する権利があり、対象が何であっても犯されるべきではない。それが拡大解釈されて本質が捻じ曲がっているとしても、アメリカに自由はある。先日ラリー・フリントという映画を見たが、彼がいなければこんな時代はやってこなかったかも知れない。

ラリー・フリント - goo 映画

Playlist Updated:
記事とは関係ないが、Andy Tubmanの2作品をアップした。Elliott Smith同様、彼の音楽は死ぬまで聴き続けると思う。日本では入手が難しいようなので、興味があれば是非聴いてみて欲しい。

Play All Time Andy Tubman

関連ニュース:
New York Times spoof announces end of war

The Yes Men Website
ラリー・フリント - Wikipedia

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