Friday, September 12, 2008

Looking For Scapegoats

あるメールの返信

考え方や生き方は人それぞれだし、それが自分自身に対するものなら正しいかどうかは問題じゃない。だからその人を否定するつもりはないけど、書いてあることにはちょっと同意できない。たとえそれが世の中でいうところの常識だとしてもね。

社会に出るにあたって、好きなことを仕事にするのは自然なこと。あえて嫌いなものを選ぶ人はまずない。その一方で、人間には生きたいっていう欲望がある。通常はこれが優先されるから、結果として好き嫌いは少しずつ排除されていく。もちろん両立がベストだけど、世の中そうは甘くない。

なぜ生きることを優先するのか。死への恐怖や本能。生きることで望みを繋ぐような、保険的な要素もあるかも知れない。ほとんどの人に当てはまることだけど、これって個人差があると思う。価値観の問題っていうかさ。過去の歴史を振り返っても、命を顧みず何かに一生を捧げた人もいるわけだし。

>>好きなことは仕事にするなという教訓

俺も昔、親に似たようなことを言われた。お前は夢を追いすぎるってね。実現の可能性と生きることを天秤にかければ、そう思うのも無理はない。でもさ、これが教訓っていうのは違うよ。確率が低いだけで、期待値はむしろ大きいはずだから。

意義の問題もあるよね。例えば医者になった友達がいるんだけど、彼って人一倍音楽が好きでさ。でも音楽の道は選ばなかった。本人に聞いたわけじゃないけど、そうさせたのは社会に貢献したいって気持ちが強かったからだと思う。

何だか長くなっちゃったけど、言いたかったのは自己正当化する人間にはなって欲しくないってこと。その人がそれまでやってきたことには意義があったんだろうし、おそらくそんな趣旨のこともたくさん聞かされたはず。自己防衛は必要なことだとしても、上手くいかなくなった途端に教訓じゃね。

生きるために夢を諦めたからって、全然恥ずかしいことじゃない。個人的には好きになれないけど、それだって立派な生き方。時には尊敬することさえある。でも屁理屈つけるのはやっぱり恥ずかしい。まあ、人間素直が一番ってことかな。

最後に例としてあったバンドの件。好きな音楽とやりたい音楽は根本的に違うもので、売れないからやらないというのは暴論。器用っていうのはある程度事実だろうけど、それよりも信念をどれだけ貫けたかって話じゃないかな。悪くいえばバカ、よくいえば鬼。歴史に名を残すのは、そんな人たちだと思う。

6 comments:

Anonymous said...

今日は!ご無沙汰してますtokyoの雪娘です
私のPCにはもちろんBGMがかかるのですが、
必ず一曲目は"city of dreams"です。
この時季の気持としてはせつなくなるばかりですが、秋も近いし・・・なんて思いながら聴きつつも、もう少しNYYを応援したかったなんて思いも。

"歴史に名を残すのは、そんな人たちだと思う"
そう今日はビックリなニュースがありました
Pink FlydのRichard Wright氏が亡くなりました、65才・癌だそうです。
私は再結成後しか知らないのですが、それでも"彼等3人"はカッコ良かった。
以前お話したDVDをやっと観れるかも、やっぱり観れないかも。
取りあえず"p.u.l.s.e"を久し振りに見る事にします(VHSなんです)。

KMFIS said...

>もう少しNYYを応援したかった

本当にそう思います。
年が過ぎ去っていく寂しさを紛らわせない。
感傷に浸る年齢ではないですが、
今年は特に切ないです。

>Richard Wright氏が亡くなりました

Pink Floydの音楽性からいっても、
彼の役割は大きかったと思います。
今改めてそう感じました。

こういうニュースを聞くだびに、
自分の年齢や過去を意識してしまいます。
少し上の世代とはいえ、
若い頃にはなかったことですから。

何だか湿っぽくなりました。
情報ありがとうございます。

Anonymous said...

こんばんは!

過去のエントリーですのでお気づきになるかわかりませんが…このエントリーに共感しつつ、夢追い人先輩にアドバイスをうかがいたいことがあります。

自分のお客さんとなる人間が、貢献するに値しない存在に思えてしまう時、KMFISさんはどうしてますか?
同じ音楽を好きな人間でも価値観の合う人って実はごく少数ではないでしょうか。
これは青臭い話ですしビジネスマンだったらむしろ好都合と思えと怒られそうな話なのですが。

以前KMFISさんはgooブログランキングでトップに位置するサイトについて呆れてたことがあると思います。
私はそれについてはとっくに諦めています。
自分の志すジャンルがこの国が世界で最も高い技術を持っていると感じたためここに住んでますが、もし自分の目指すところが音楽や映画だったら迷わず日本を出ていたでしょう。

例えば今お隣の国は通貨危機にあるのですが、それをバカにして喜んでる人間が非常に多いこと。
そして日本経済はまだ「マシ」で「大丈夫」だと本気で思っていて、破綻してるのは投資家だけだと思っている。
ピストルを頭に突きつけられてるのにピストルが何なのか知らないから恐怖も感じない。
自活能力の無い人間がそのようなことを言ってるならともかく、サラリーマンでもその程度の認識しかない現実。
それがお客さんだとしたらどう捉えるべきでしょうか。

私はお隣の国が図々しい態度をとっていることも、アメリカの傲慢さもよく知ってます。
でも自分の住んでる国がそれよりもマシだなんて思ってません。
このような現状を踏まえても没するに値する国だと思ってるんです。
しかし私は純度100パーセントの日本人で私のお客さんはここにいます。

私が尊敬する人達もやはり同じことを考えて死んでいったと思います。
彼らが本当に認められたのも開国後の話です。
KMFISさんがおっしゃってる「素直に夢を追う」というのは文章にすると単純に見えますが、好きなことを仕事にしない方が実は簡単で単純なんですよね。

泥酔につき分り難い文章でしたら無視してください。
乱筆乱文失礼しました。

KMFIS said...

こんにちは。

僕の意見はこちらに書きました。
それなりによく考えたつもりですが、
見当違いだったらごめんなさい。

Anonymous said...

KMFISさん!
お返事すごく感動しましたよ!
記事アクティブにしてくださいね!
ぜんぜん見当違いじゃないですよ~~~~
こんな記事これからももっと書いていただきたいです。
せっかく書いていただいたのに私の中だけで感動して完結してしまい、お返事できなくてすみませんでした!

中島らもさんが「10年に一度こんな夜があればいい」って小説かコラムかで書いてらして、私はそれにじーんとしたものですが、彼は次の10年を待てずにいってしまいました。

KMFISさんの「捨てたもんじゃない」が本当だったと思えるためには努力も時間も必要ですが、それをしなければと思いました。
それをしたことのない人から言われてもそんなふうに思えませんが、KMFISさんは夢追い人先輩なので言葉は熱く、重たかったです。
どうもありがとうございましたm(_ _)m

KMFIS said...

僕がいう捨てたもんじゃないというのは、
例えばこんなコメントです。
数の問題ではなくその事実が嬉しいんです。

>どうもありがとうございました

こちらこそ気を遣わせてすみませんでした。




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