Wednesday, September 17, 2008

Working Together

原油価格下落で燃油サーチャージを値下げ、エールフランス

航空運賃は上昇の一途。国際線に限っていえば、ここ数年で2倍近くになっている。価格は変動するものとはいえ、これほど短期間となるとあまり例がない。価格を押し上げているのは航空券とは別のサーチャージ。原油価格の高騰は理解できても、この項目に疑問を持つ人は多いと思う。

高すぎる日系の航空会社――燃油サーチャージ金額差の“カラクリ”

搭乗率80%で6万7千円のコスト増。従来の価格を維持できるはずもなく、値上げは仕方がない。ただサーチャージ導入については判断が難しい。公正さをアピールしたいのは分かるが、追加料金的な印象を与えるのも事実。理解力の乏しい人なら、単に搾取されていると感じるだろう。(後述)

航空券との関係もある。サーチャージは航空会社によって違うため、航空券料金での比較ができない。専門サイトを利用すれば済むことかも知れないが、総額表示にしてくれた方が分かりやすい。

消費者の負担を軽くしたくても、経営努力はすでに限界。コスト増をそのままスライドさせれば、搭乗率が下がるという深刻な事態を招く。言ってみれば八方ふさがりの状態で、実際破綻や合併のニュースは後を絶たない。結果として原油価格が下がるのを待つしかないわけだが、サーチャージ導入以前の数値に戻ることは考えにくい。

航空業界の崩壊 / 田中 宇

この記事にもあるように、経営悪化は今に始ったことではない。航空自由化と競争激化から派生した格安航空券。そんな状況が利益率の低いシステム(*1)を生み、景気に左右されやすい構造を作り上げた。そういう意味では自業自得なのだが、ここで言いたいのは今までが安すぎたということ。(*1)空席率12%以上で赤字

新幹線:東京/大阪/500キロ 往復2万
飛行機:東京/ニューヨーク/1万キロ 往復10万 (9月16日時点)

移動距離やサービスを考えれば、現在の料金でも十分安い。当時は東京/ニューヨークが3万円台のチケットもあったわけで、異常な時代という解釈が正しい。航空会社を擁護するつもりはないが、文句を言うならまずJRだろう。

燃油サーチャージが悪の温床
頭の痛いサーチャージ

確かに隠れ蓑的な側面は否定できないし、(日系なら安心という)固定観念を逆手にとったJALなどの例もある。ただこういう人の多くは、サーチャージ以前に自分の都合しか考えていない。破綻しようが合併しようがお構いなし。安く旅行に行ければそれでいい。競争が減るほど高くなるのが分からないらしい。

航空業界の経営悪化は景気後退が引き金になっている。その結果が航空運賃の値上がりであり、サーチャージの導入。住みやすい世の中を望むなら、お互いが理解しないことには始らない。本来の意味とは多少違うが、記事のタイトルにはそんな思いがある。

コンチネンタル航空 里帰りスペシャル $777 (就航10周年特別価格)

つい最近、こんなチケットを買った。諸経費を含めて851ドル。同じ日程で調べてみたが、相場よりかなり安い。担当者によれば、このチケットは前述のサーチャージが免除されているとのこと。出発日が限られているのが難点だが、クリスマスを日本で過ごすつもりなら急いだ方がいい。

参考サイト:
「燃油サーチャージ」についての説明ページ/日本旅行業協会

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