Wednesday, July 02, 2008

July1,08 vs TEX L2-3

Loss to Rivera
Box Score (MAJOR.JP)

頭も弱いヤンキース

YESの放送では試合終了後にブースレポートと呼ばれるコーナーがある。試合の反省点や今後の展望が中心で、ホストはマイケル・ケイ。解説者をパートナーに、スタジオとの掛け合い形式で行われる。以下はその中の一幕。まずはマイケル・ケイのコメントから。

「(9回無死1塁で)バントさせなかったのは理解に苦しむ。同点にしないことには勝てないわけで、代走を送ったのに結局盗塁もバントもしない。しかもカブレラは18打席連続ノーヒット中。右打席は.198と悪い。バントする条件は、これ以上なく揃っていたはずだ。」

普段から結果論の多いマイケル・ケイだが、この時に限ってはリアルタイムでも指摘していた。個人的にもまったく同意見。補足すると、カブレラはチーム一バントが上手い。成功すれば上位に回ることを考えても、ここは100%バント。これを受けて、解説のケン・シングルトンは苦し紛れにこう答えている。

「カブレラがサインを見落とした可能性もあるし、(代走のゴンザレスに)盗塁させるつもりだったのかも知れない。ただおそらくは、その後に左打者(デーモン、ガードナー)が続くことが理由になっていると思う。」

サインの見落としはさておき、ゴンザレスの足はそれほど速くない。相手投手が左のウィルソンだとしても、バントさせないことと何の関係があるのか。この日オフのジーターは、すでに代打(ガードナーの打順)の準備をしている。スタジオ側はここで終わりたかったようだが、マイケル・ケイがヒートアップ。さらに番組は続く。

「左が続くと言うが、お世辞にもまともな理由とは言えない。ヤンキースの左打者は単なる左打者ではなく、リーグを代表する選手ばかり。左対左を恐れる必要などないわけで、まったくもってナンセンスだ。」

対左投手: デーモン.287 アブレイユ.316 カブレラ.198

ジラルディといえば、相性や左投手を重視して日替わり打線を組むことで有名。表面的なデータなどアテになるはずもないが、ファンタジーでもやっているつもりなのだろう。ただしそれには一貫性がない。このデータが何よりの証拠になる。肝心の真相は、ケン・シングルトンの言う通りだった。

Another Dark Night For Yankee Bat Men - New York Post

「ウィルソンに対して左打者は結果が残せていないし、バントが成功してもジーターが敬遠されれば同じこと。(1塁走者の)ベテミットにストレートの四球を与えたことやあと1本が出ない打線を考えると、バントするのが正しいとは思わない。カブレラに打たせて、無死1.3塁の状況を作ることに期待した。」

C.J. ウィルソン (08年/通算): 対左打者.268/.190 対右打者.222/.284

こんな理屈に納得する人がいるだろうか。ウィルソンが左打者に強いのは事実だが、今季に限っては当てはまらない。相性でいってもデーモンは6打数(1安打)、アブレイユは2打数(0安打)とサンプル数も不十分。当のカブレラも3打数でヒットがない。

どんな場合でもリスク回避とは言わないが、送りバントが成功すれば一石二鳥。併殺が防げるだけでなく、同点のチャンスも生まれる。打率が.240そこそこで現在スランプ中、右打席の不得意なカブレラにヒットを期待。しかも1.3塁というのだから、開いた口がふさがらない。

実はこの試合、初回の無死2塁では珍しくバントをさせている。皮肉にも得点できなかったのだが、どうみても順序が逆。初回にできて、この状況でできない理由がない。結局のところ、単に右打者に賭けたとかそんな理由なのだと思う。言い忘れたが、そのカブレラはショートへの併殺打に終わった。

「ポサダが復帰後に阻止した盗塁は1つ」

ちらっと聞いただけだが、今季の盗塁阻止率(.171)からすれば不思議ではない。この日も4つの盗塁を許し、送球エラーも記録。特に9回の三盗(*1)は間接的な敗因と言ってもいい。後の祭りとはいえ、こういう選手と4年契約では先が思いやられる。(*1)無死3塁→前進守備→野手の間を抜けるヒット

Video:
Daily Rewind Game Recap
Post Game Plus
Joba's six strikeouts

関連記事:Hot Stove 2008-1

参考サイト:Batter vs. Pitcher Stats MLB.com: Stats

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