Monday, August 21, 2006

August20,06 @ BOS W8-5

Giambi crushes two homers

土壇場で追いついたヤンキースが延長戦を征し4連勝。

終盤の攻防は実に見応えがあった。3-5と2点ビハインドで向かえた8回表、ヤンキースは1番からの好打順。マウンド上にはこの回からティムリン(5勝3敗2S、防御率3.86)が上がっている。先頭のデーモンがセンター前ヒットで出塁、続くジーターは死球で無死1.2塁。相手ベンチは対左のスペシャリストロペスをマウンドに送るが裏目、アブレイユは四球を選び無死満塁と絶好のチャンスになる。

ここでこのシリーズ初登板となる抑えのパベルボンが登場、対するはこの日3ランHRを放っているジアンビ。打った瞬間グランドスラムかと思われた打球は失速、ただし犠牲フライにはなって4-5と1点差。セカンドランナーがタッチアップしたため1死1.3塁、外野フライでも同点という状況である。

ただここからが並の抑えとは違うところ。続くカノーとポサダを連続三振に斬って取る見事な火消しでこの回1点止まり。両者ともMax158キロのストレートで追い込み148キロのスプリッターで討ち取る、まさに圧巻の投球だった。

続く9回表、続投のパベルボンから先頭のカブレラが右中間に2ベース。ミラベリのパスボールでまたも無死3塁と同点のチャンスを掴む。しかしここでもパベルボンの前にバーニー(代打)、デーモンが連続三振に倒れ2死3塁となる。

アウト1つでゲームセット、次打者はキャプテンジーターとこの日最大のヤマ場。パベルボンが投じた2球目(内角高め、158キロのストレート)、打球は内野の頭を越えライト前に落ち土壇場で同点に追いつく。パベルボンも後にコメントしているように当たりはよくなかったが当然のように結果を出すジーターには脱帽する。

9回裏からヤンキースの守護神リベラがマウンドに上がる。先頭のオティースは平凡なファーストゴロだったが、捕球直前でバウンドが変わり打球はファーストジアンビの頭を越えライトへ。結果的に2ベースとなり無死2塁。ベンチは続くマニーとの勝負を避け無死1.2塁。次打者ユーキリスは送りバントを試みるがリベラの軽快なフットワークで2塁ランナーはフォースアウト。1死1.2塁となり併殺で切り抜けられる状況に好転する。

ところが次打者ローウェルのところでポサダがパスボール。ランナーがそれぞれ進塁して1死2.3塁と一打サヨナラのピンチを招いてしまう。ベンチはローウェルを歩かせ満塁策、続くキャプラーとの勝負に出るが相手ベンチも動きキャプラーに代えてヒンスキーを代打に送る。

リベラはたった4球でヒンスキーを空振り三振、後続のミラベリもピッチャーゴロに討ち取りこちらもパベルボン同様圧巻の投球でピンチを凌ぐ。

延長戦となった10回表、パベルボンの姿はなくハンセン(1勝0敗、防御率5.90)がマウンドに上がる。ここで先頭打者のジアンビがライトへ勝ち越しHR、1死後2ベースのカノーを置いてポサダにも2ランHRが飛び出し8-5。決定的な3点を奪ったヤンキースがそのまま押し切りゲームセット。

ジーターのクラッチぶりも見事だが、パベルボンとリベラの投げ合いはそれを忘れさせるほど。トーリの言葉を引用すれば、稀にみるエキサイティングなゲームだった。

ゲームとしては素晴らしかったが勝因は敵将フランコーナの采配にある。2点リードの8回、抑えのパベルボンを温存したのが問題なのである。パベルボンが最後に登板したのは8/16のタイガース戦で投球数はわずかに6。したがって休養は十分でありそういう意味での不安はない。実際8回無死満塁で登板させていることが何よりもの証拠になる。

しかもレッドソックスはここまで大事な直接対決を3連敗中。第2戦で3点リードを守れなかったこと、ブルペンが崩壊していることを考えれば温存して勝てるほど甘くないのは誰の目にも明らかである。また8/12のオリオールズ戦で2イニングを投げさせている前例があり、必然的にこのゲームでも8回からの登板が可能だったことになる。

8回にパベルボンを起用することは次のゲームの登板に影響するというリスクはある。ただし温存した場合にもそのゲームを落とすというより現実的なリスクが同様にあるのである。つまり予測のつかない次のゲームのことを優先する理由がまったくないのだ。

たらればになるが仮に8回頭からパベルボンを登板させていれば、この日の出来からしてもレッドソックスは勝っていた可能性が非常に高い。おそらく少なくないレッドソックスファンも同じように思っていることだろう。チームをワールドチャンピオンに導いた監督、中身は所詮この程度なのである。

2本の貴重なHR(4回無死1.3塁、0-2 / 10回先頭打者、5-5)など3安打5打点のジアンビが評価の中心。他では同点タイムリーヒット(9回2死3塁、4-5)など2安打のジーター、2回を投げて無失点のリベラ、勝負を決める2ランHR(10回1死2塁、6-5)を打ったポサダと2ベース(9回先頭打者、4-5)で出塁し同点のホームを踏んだカブレラが対象。

MVP Points Today/J Giambi4 D Jeter2
M Rivera2 J Posada1 M Cabrera1

MVP Points Total/D Jeter22 C Wang20 J Damon20 J Giambi18
M Cabrera17 M Rivera14 M Cairo12 A Rodriguez12 R Cano12
B Williams11 J Posada11 J Wright8 R Johnson8 M Mussina8
B Abreu8 S Proctor7 K Farnsworth6 A Guiel6 R Villone5 A Phillips3
C Lidle3 C Wilson3 B Crosby2 S Ponson1 K Wilson1

2 comments:

Anonymous said...

ハンセンはマイナーでは期待されてたみたいなんですが、まるでパっとしないんですよね~
パペルボンはほんとに別格でした。
優秀な若手の投手ってそんなにぽんぽんと出てくるもんじゃないんですね。(しみじみ)

今年はどうやらもうパペルボンは休ませるみたいです。
肩の調子は悪くないそうなんですが、来期先発として使うために無理はさせないみたいです。
お片づけモードなんで仕方ないですけど、ちと残念です。

フランコーナは凄いですよ。
ワールドチャンピオンになったと言っても、ポサーダが盗塁阻止さえしてればNYYにスウィープされてたところですから 笑
どんな監督でも勝てるくらい来年はいい駒揃えないとキツそうです。

KMFIS said...

コメントありがとうございます。

監督の采配がどれだけ勝敗に影響するかは計り知れません。特に僅差のゲームでは顕著に表れますね。

バベルボン、来季先発ですか。
まあ元々先発だし抑えは補強するつもりなんですね。

トーリも負けず劣らず凄いです。
というか監督取替えませんか?
どちらかと言うとフランコーナの方がまともに感じます。

僕は選手がみんな精一杯プレーしているのを勝敗に繋げてくれれば満足です。例え優勝できなくても。

前にも書いたことがありますが
選手経験者のみの首脳陣(GM除く)は理解不能です。こういう体質は早く改善されるべきです。

ということで2日で4戦、これからですね。

P.S.書く方も辛いです。




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