Friday, February 21, 2014

Summary: NYY 2013

3位タイでプレーオフ進出ならず

今季は主力の相次ぐ故障で最下位すらあり得ると思われていたヤンキースだが、終わってみれば85勝77敗と堂々の勝ち越し。これをもってジラルディを世紀の名監督と称する人もいるほどで、故障者さえ出なければプレーオフ進出を果たせたとみる向きが多い。

試合を見ていれば分かることだが、今季のヤンキースは決して強くなかった。勝ち星こそ積み上げているものの、内容は惨憺たるもの。得点650/失点671が示す通り、超がつくほどの貧打に並の投手力というチームに過ぎず、得失点差通りの結果(pythWL参照)になっても何ら不思議ではなかった。

参考: ピタゴラス勝率 - Wikipedia

一般的に得失点差と勝率が(いい意味で)相関しない要因は2つある。1つ目は監督の手腕によるもの。検証はしていないが、最近では2009年のマリナーズ (監督ドン・ワカマツ)がそれに該当するといわれている。

2死1塁(走者イチロー)でほぼAAAレベルの下位打線でも動かず、右というだけでフランシスコを使い続ける(打率.114でシーズン途中解雇)ジラルディはもちろんこれに当てはまらない。むしろ悪い方の部類だろう。

2つ目は単なる巡り合わせ。最も分かりやすい例は、勝つ時は僅差で負ける時は大差というパターン。対戦相手に恵まれたのもその一因(主砲2人が不調なブルージェイズ相手に4-5月だけで7つ勝ち越しなど)ではあるが、個人的には今季のヤンキースが勝ち星を積み上げられたのはこれが大きかったと思っている。

1点差ゲーム: 30勝16敗

ではなぜ接戦に強かったのか。いろいろ考えてみたが、少なくとも見かけ上の要因では説明がつかない。ブルペンがよければそんなイメージも浮ぶが、悪いから接戦になってしまうケースもあるわけで、せいぜい言えるのは終盤を担うリベラとロバートソンがある程度安定していたことぐらい。前述の例でお分かりのように、試合展開を読みきった采配はほぼ皆無だったと断言できる。

ブルペンの防御率3.66(リーグ平均3.68、2012年はブルペン防御率3.43で1点差ゲーム22勝25敗)

故障者の復帰後の成績は以下の通りで、試合数が少なく怪我が完治していなかったなどの理由はあるものの、劣化傾向にある選手が多いだけに故障さえしなければといい頃のイメージを重ねるのは間違い。前述の恵まれたシーズンだったことを加味すれば、フルメンバーならプレーオフ進出できたとは言えない。

OPS(11→13): グランダーソン.916→.811→.723 テシェイラ.835→.807→.609 Aロッド.823→.783→.771 ジーター.743→.791→.542

今季のことだけで言えば、オフの補強が最もまずかった。できもしない総年俸削減(Aロッドに支払い義務なしで2014年はすでに192/189M)に固執するあまり怪我がちなユーキリスと衰えを隠せないウェルズやイチローを獲得してしまうなど、この組織の考えることはさっぱり分からない。以下当該選手の個人成績と関連ツイート。

ユーキリス(1年12M): OPS.648(出場28試合)
ウェルズ(2年13M): OPS.631(2014年1月解雇/サラリーは全て初年度支払い済み)
イチロー(2年13M): OPS.639(規定打席達成75人中74位)

*ハンター(2年26M): OPS.800(タイガースと契約)

KMFIS 「年俸負担させるとはいえ、何が悲しくて2年連続OPS.650以下の選手(イチロー)獲得する必要あんのよ。同じ外野手でシーズン前クビにした28歳のマックスウェルはHOUで頑張ってるぞ。代わりにクビにしたワイズだってOPS.778。故スタインブレナーの遺言か?」

KMFIS 「絶対に打たないとは言わないけど、過去2年の打率.222で2年13Mは高い。ウェルズ程度なら内野も守れるムステリエイでいいじゃん。実績にすがって何度失敗してもこれだから。総年俸189Mに抑える話も白紙だな」

KMFIS 「営業サイドの意向、スウィッシャーの穴(2番含めて)、外野手不作...いろいろと理由はあるんだろうけど、正直活躍するとは思えない。チャベス (3M/年)→ユーキリス(12M/年)、マーティン(17M/2年)→イチロー(13M/2年)この辺もよく分からん」

KMFIS 「ユーキリス(来季開幕時34歳)2012年は122試合の出場でOPS.745(通算.867)→1年12M」

KMFIS 「総年俸削減しないといけないしそんなには払えない(マーティン)→え?あいつ(Aロッド)また故障?しょうがない単年で来てくれるの探すか(ユーキリス)→え?もう目ぼしい外野手いない?しょうがない2年契約飲むか(イチロー)→結構払っちゃったよ→捕手放置」

あの戦力であそこまで戦えるのだから補強すれば勝ち負けという人がいるが、前述したようにそういう足し算は成り立たない。(大きな)故障こそしていないが 球速落ちで大幅に数字を落としたサバシアも含め、不良債権予備軍ばかりでチーム力が上向かない状況をどう乗り切るのか。フロントの能力とチームの過渡期を象徴したようなシーズンというのが個人的な感想。最後につい先日のキャッシュマンのコメントを載せておく。

「(昨年より良いチームになったのかは)私にも分からない。カノ、ペティット、リベラという主力選手がいなくなった。重要な選手たちを失い、新たに重要な選手を加えた。ただ昨年だってケガ人が出なければ優勝争いできていたと思うし、今年のチームも優勝が狙える陣容のはずだ」

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#NYYHS2014 - Twilog(オフの主な動き)

Opening Roster 2013
Yankees At The Break 2013


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