My Green Card Story-3
グリーンカード取得まで(3)
隣には妻、後ろに弁護士が座っている。まずは妻に質問。普段聞き慣れないアクセントのせいか、言っていることの半分ぐらいしか分からない。弁護士には適当な返事は命取りになると釘を刺されていたが、こんな調子では先が思いやられる。いよいよ自分の番だ。
住所や職業などの簡単な質問が終わり、次は事前にカンニングした例の質問。ひっかけがないことを祈りつつ、意識を集中する。案の定聞き取れない。文章自体も弁護士の言うような簡単な言葉ではなく、難しいままだった。
前半は辛うじて乗り切ったが、次の質問で躓いた。何度聞き返しても、まったく理解できないのだ。職員室で怒られている時のように、頭の中は真っ白。嫌な空気が漂っている。ここから抜け出すきっかけが欲しい。そう思っていた矢先、ついに彼女はキレた。
「はっきりと正確な英語で話しているのに、なぜ何度も聞き返すのか!」
皮肉なもので、こういう時はよく聞こえる。(通訳を付けるべきだったという指摘に)後の席の弁護士は平謝り、妻は下を向いている。確かに通訳を付ければこんな問題は起きなかった。結局彼女はその質問を諦めたが、面接はまだ続く。
今度も前回と同様の質問。やはり何を言っているのか分からない。しばらく沈黙が続いた。おそらくこれが答えられないと不合格だろう。面接時は面接官の顔を見るように。決して妻と相談してはいけない。弁護士にはそう忠告されていたが、すでに従う余裕はない。
横目で隣に座る妻を見ると、かすかに首を振りながら目でNOと訴えている。だが確信はない。いや、そう訴えている確信はあるのだがNOと答える決心がつかない。ここまで来ると完全に丁半バクチの世界。NO.....何事もなかったように時が過ぎていった。(続く)
My Green Card Story-1
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