Andy Tubman, Quiet Inside
それでも僕は
こちらに住んでずいぶん経つが、来た当時一番困ったのがヒアリング。何を言っているのか理解できず、かといってその都度聞き返すのも恥ずかしい。結果的に分かったフリをすることが多かった。それでごまかせればまだしも、そう上手くはいかない。
You Bring The Devil (2005)
たいていは相手に愛想をつかされ、自尊心が傷つくのがオチ。それがパーティーのような場なら、ほぼ間違いなく孤立する。そんな風にしていると、人格まで変わってくる。受け入れられることに必死で、自分の意思は二の次。アイデンティティーなど持てるはずもなく、自分でない自分に甘んじるしかない。
人間にとって、個々の意識とは唯一無二の存在。信じるのも頼りにするのも、自分を置いて他にはいない。その自分がいないとしたら.....足元はおぼつかず、進む道さえ見えなくなるはずだ。
井川にも同じことが言える。英語が上手くない上に非社交的。結果でも残せば状況も変わってくるのだろうが、逆に悪くなる一方。ポスティングの2600万ドルとニューヨークという土地が、それにいっそう拍車をかける。もはやピッチングどころではない。何と言っても、あの萎縮しきった表情が全てを物語っている。
自分の意思で選んだ道。プロである以上当たり前。他の日本人選手も同じ条件。井川に批判的な人はこう言うだろう。何かを槍玉に挙げることでしか自己を確立できないクズは別だが、全ては正論。そう思うのは無理もない。ただそれでも、そんな立場に立てない自分がいる。
井川が好きなわけでもなく、日本人選手だから特別扱いしているということもない。自分でも理由は分からないのだが、そんなことを考えているうちにふとこの曲が浮かんできた。色がマッチしない、そういうこともある。
訳:栗原とみ子/ The Jacket
今日は色がマッチしない そうとしか言えない
努力したけど僕には無理だった 押しつけは嫌いだし
彼らも僕が疎ましい でも許してもらう必要なんてない
僕の心は静寂の中 体を引きすられても
激しい嵐が空を引き裂いても 僕の心は静寂の中
誰にも理解されずに 怒りで目が潤む
でも今の僕にははっきりと見える 僕は鈍い人間だし
一生このままだけど 鏡に映る顔は自分だと知ってる
僕の心は静寂の中 体を引きすられても
激しい嵐が空を引き裂いても 僕の心は静寂の中
そうさ静寂の中 そうさ静寂の中
今日は色がマッチしない そうとしか言えない
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自分の中でのアンサーソング、Corinne Bailey RaeのLike A Star. できることなら、こんな気持ちで見守ってあげて欲しい。ビデオはこちら。
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それでも僕は 前文
4 comments:
昔の自分を思い出しました。
理解しよう・されようと必死で、でも誰もわかってくれない。記事に書かれているように、多分そこに自分が無かったからでしょう。
他人に共感しようとする姿勢と、その中でも自分を出す力。難しいですが、そういう人であろうとすれば人は近づいてくる。最近はそう思うようになりました。
「今の自分は何もできないけど、信じて欲しい時だってある。僕もあなたを信じるから」
井川にはもう少しだけがんばって欲しいです。色々な意味で。自分で納得できるだけのことをして、どうしても無理だったら他の選択肢だってあります。
何よりも、自分から逃げないで欲しいです。
愛は求めるものではなく与えるもの。
偉そうに聞こえるかも知れませんが、
何かを達成したいなら対価は求めないことです。
少なくとも僕はそう信じてます。
>何よりも、自分から逃げないで欲しいです。
彼の場合、この辺は大丈夫でしょう。
発言からして、軸はブレてなさそうです。
初めまして。
1年ほど前から時折拝見させていただいております。
井川はつらい状況が続いていますね。
きっと明日にはケネディと入れ替わりで3A降格なのでしょう。
「今日は色がマッチしない」の詩を読んで泣きそうになりました。
井川の心象風景とリンクするような気がして切なかったです。
かつて井川を応援していたはずの人たちまでもが罵倒を投げかけてる様を見て心が痛みますが、一方、KMFISさんのように温かい目で見てくれてる人もいて、ちょっとほっとしました。
自分自身が不器用な人間なんで、井川のことを他人とは思えない。
この状況をどういうふうに乗り超えて行くか見守っていきたいです。
結局は自分で這い上がっていくしかないわけだし
挫けずに頑張ってほしい。切にそう思っています。
初めまして。
こんなブログを読んでくれて嬉しいです。
この曲は偶然思い浮かんだんですが、
詩の内容があまりにもハマり過ぎてますね。
実は後半、泣きながら書いてました。
僕も相当偏った人間だとは思いますが、
芸能レポーターのような論調は目に余ります。
あなたのような人がいて、
僕の方こそほっとしてます。
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