Saturday, May 05, 2007

May4,07 vs SEA L11-15

Igawa sets dark tone
Box Score (MAJOR.JP)

15敗目は今季12度目の逆転負け。

先発の井川は、8-6と2点リードの5回無死1.2塁で降板。代わってマウンドに上がったビーンは1死も取れずに4失点、続くビスカイーノも精彩を欠きこの回だけで8点を失う。その後ヤンキースは反撃するも届かず、スコアはご覧の通り。

この試合の敗因を問われれば、大半の人が井川と答えるだろう。確かに4点差で負けているのだから、3点以内(自責点8)に抑えれば勝てたかも知れない。早期降板がブルペンの大量失点に繋がったと考える人もいると思う。間違っているとは思わないが、それはほんの一因に過ぎず特定することにも意味がない。

打てる試合もあれば、打たれる試合もある。いい球を投げても打たれるものは打たれる、反対に甘い球であっても打てないものは打てない。そもそも野球とは、そんな不確定要素が前提となって勝敗が決まるもの。ネガティブな結果だけを取り出して敗因にしていては、負けが負け以上の意味を持つことは永遠にない。

選手が好結果を残せなかったとしても、使われる側なのも事実。選手に矛先を向けるのは筋違いであり、使う側に問題がある。つまり選手がどんな結果を出そうとも、その事実を受け入れた上で敗因を探るべき。そうでなければ特定するだけ無駄というものだ。

今回のケースに当てはめると、ヤンキースの得点が井川の自責点を上回っているのだから少なくとも直接的な敗因にはならない。結果論と言われてしまいそうだが、井川が好投すること以外は同じ結果を望むというのも虫がいい。また4回を終了した時点でリードしていたことから、勝てる要素はあった試合と言える。

Yankees Box Scores - Win Probability Fan Graphs

ここに1つのグラフがある。折れ線グラフは勝率の推移をシミュレートしたもので、下の棒グラフは個々の状況における失点(得点)率と考えてもらっていい。見て分かるように5回を境に勝率は急降下、逆に失点率は急上昇している。

つまりここを凌げれば勝ち、凌げなければ負けという場面になる。敗因を探るとすればここが妥当であり、いつものことながら投手継投にスポットを当てざるを得ない。以下は過去3試合のブルペンとその投球回数。

5/1   マイヤーズ1.2 ビスカイーノ1.0
5/3-1 ビスカイーノ1.0 ファーンズワース1.0 リベラ1.0
5/3-2 ブルーニー0.2 ヘン0.1 プロクター1.0 ファーンズワース1.0 リベラ1.0

ビーンの起用は連投を避けたためだと思うが、それならマイヤーズも該当する。ここまでのマイヤーズは防御率2.19、本来は左キラーだが右打者に対しての被安打率は.121(5月5日現在)と問題ない。ビーンにメジャー経験がほとんどないことを考えても、連投を避けるならマイヤーズを登板させるべき。

ビーン:無死1.2塁 / 四球→四球→1失点→ヒット→1失点→2ベース→2失点

また連続四球(ストライク数は0)を与えたところで代えなかったのも不可解。参考までに、マイヤーズは6回から敗戦処理として登板している。

ビスカイーノ:無死2.3塁 / ヒット→2失点→ヒット→1死後→ヒット→ヒット→2失点

続いてマウンドに上がったのは、出れば打たれるのビスカイーノ。過去10試合の成績を見ても、打たれなかったことの方が少ない。また1日空いているとはいえこれで3連投、それならブルーニーやヘンの起用は可能に見える。たった2点のビハインドだが、この時点で勝負を捨てていた可能性すらある。

「We're Explode-Type Ball Club」

これは今日の放送中(第2戦のFOX)にあったトーリのコメント。投手継投における整合性のなさは言うまでもないが、打力に溺れ危機感がないのが一番の問題。こんな意識では逆転負けばかりなのも納得である。

ヤンキース、「投壊」で大量リード守れず

ついでなのでもう1つ。試合を観る時には時々メモを取るのだが、そのメモには井川低め◎と書いてある。ところがこの記事を読むとまったく逆のコメント。調べてみると全78球中高めは16、低目は30で最も多かった(*1)。ここまでする自分にも呆れるが、すでに采配以前の問題なのかも知れない。(*1)一部未確認

最後の最後になってしまったが、井川についての感想。率直に言ってよかった。少なくとも過去の登板の中では上位の出来だったと思う。ただしあれだけストレートばかりでは、さすがに打たれる。この配球が井川自身によるものなら修正の余地はあるが、ポサダのリードなら諦めるしかないだろう。

Video:
Yankees' five-run first
Matsui's home run
A-Rod's two-run double

2 comments:

Anonymous said...

井川良かったですかねー
そういう見方もしてもらえるといいんですが…

ヤンキースはコントレラスにも大金出したのにすぐ諦めちゃいましたからね。
打たれたとしてもいいところを評価するのも大事だと思います。
せっかく獲得したんだから。

ただポサーダのリードってほんとに酷いと思います。
例えばイチロー相手にそんな難しい球要求してどうすんだ…とか。
ピッチャーの状態ももっと考慮してほしいです。

KMFIS said...

コメントありがとうございます。

少なくとも僕は、よかったと思います。
プロは結果が全てと言われますが、
能力と結果は短期間で正比例しないのも事実です。

結果からしか能力を見極められないのなら、
コーチや監督は必要ないでしょう。

結果が悪ければ、外から買えばいい。
こういう体質からくる悪循環とも言えます。

aoiさんはよく恵まれていると言いますが、
そのせいで中身にオブラートがかかり
ガンが見えにくいのも確かです。
ポサダはその典型かも知れません。

井川のサイドに立って考えると、
やはり他に行った方がいいですね。




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