Thursday, May 17, 2007

May16,07 @ CWS G-1 L3-5

Moose corralled in Game 1
Box Score (MAJOR.JP)

左投手に3連敗。

試合時間を勘違いしていたせいで、久しぶりに打撃練習を観た。印象的だったのは、不振のアブレイユがレフト方向に打つ練習をしていたこと。フォームの見直しと左投手対策が目的なのだろう。フェンスを越える打球も何本かあった。

そして本番、アブレイユは練習通りのHRをレフトスタンドに打つ。単なる偶然かも知れないが、あのコーチも役に立っていると思うと何だか可笑しい。

「失点するなよ、ムシーナ」

こんなことを思いながら観ていたのだが、実は特に応援していたわけではない。この日のムシーナは明らかに出来が悪かったため、抑えてくれれば格好のサンプルになる。野球における不確定要素、結果がいかにアテにならないか。平たく言えば、普段書いていることを正当化したかったわけだ。

ところが野球はそれほど甘くない。結局ムシーナは5.1回を投げて5失点、見た目通りの結果になった。試合後のトーリのコメントがまた面白い。

「ムシーナはシャープさに欠けていた」

それが分かっているなら、なぜもっと早く継投しなかったのか。代えるポイントはいくらでもあったはず。終わってから言うのなら誰にでも出来る。これでは指揮官が人間である必要性がまったくない。もっとも型でしか野球が出来ないトーリは、ある意味で機械なのだが。

そんなトーリとは対照的に、柔軟な対応が出来るのが敵将ギーエン。いいサンプルがあったので紹介しておく。この日セーブを上げたのは、8回2死から登板したソーントンという左投手。セットアッパーだと思って観ていたのだが、調べてみるとそうでもない。

現状ではセットアッパーは特定されてないようで、中盤のワンポイントまでこなしていた。これまでの起用法と防御率の関係から考えて、セットアッパーから格下げ扱いになっているのだと思う。

そのソーントンは8回を無難に切り抜け、2点差で9回を迎える。抑えのジェンクスは中4日と休養も十分。ところがギーエンはジェンクスを温存、ソーントンを続投させた。ちなみにここまでの防御率は5.40、よほどの実績がない限り中継ぎでも使いにくい数字である。

続くカノーとデーモンが左打者とはいえ、こういう采配がなかなか出来ない。おそらくソーントンの出来も考慮した上での判断だったと思う。これで数時間後の第2戦にジェンクスを登板させられる。我がヤンキースの指揮官には逆立ちしても出来ない芸当、羨ましいという言葉しか思いつかない。

もう1つ興味深かったのは、最後の打者となったデーモンの打席。カウント2-2からの変化球がワンバウンドになると、ギーエンは突然怒り出した。2点差なのだから、ランナーが出れば同点に追いつかれる可能性が出てくる。ボールになりやすい変化球を投げて四球を与えるぐらいなら、打たれてもいいからストレートを投げろ。

まったくもって正論、こんな教育がチームの強さに繋がっているのだと思う。ギーエンについてはまだ書きたいのだが、疲れてきたのでまた明日にでも。

追記:ともともさんによれば、ジーターが出塁したらジェンクスを出す予定だったらしい。また抑え以外は特に役割を決めていないとのこと。これこそ柔軟な対応、指揮官に要求される能力である。

Video:
Cabrera's leaping catch
Phelps homers
Mike Mussina on a tough Game 1

2 comments:

Anonymous said...

こんにちは!
ギーエン監督チェック…ホントにしっかりされていたんですね(^^)。彼の良いところは確かに柔軟なところと選手への信頼コメントをするところが大きいかなと思ってます。

最後の場面ホントにね。あれがギーエン監督とクーパーコーチの常々なるコメント『ファーボールは出すな。ストライクで攻めろ。打たれても良い。』ですね。だから思い切れるんだと思います、彼も。

…というのも実はソーントン投手がホワイトソックスに来たときこんなことがあったようです。マリナーズから獲得したときに、シアトルの地元紙に『ホワイトソックスもあんなノーコンをとるなんて』的な事を書かれて、激怒してたことがあるんですよ。そのとき言っていたのが…
『ファーボールを投げるのは2つタイプがあって、ひとつはホントにストライクが投げれないということ。もうひとつはメンタル的に思い切れないでいるということだ。彼は後者だ。だからメンタルを立て直せば必ず使えるピッチャーになる』ということでした。だからこういう場面で投げれている彼を見るのはギーエン監督からするとものすごくうれしさひとしおなんだろうなーと思います。

トーリ監督について書かれていることを見ると、いつもフィリーズのマニュエル監督にダブります(汗)。ホントにね…お気持ち察します…(涙)。

KMFIS said...

コメントありがとうございます。

メンタルの弱さが制球に繋がっている選手、
ヤンキースではファーンズワースとプロクター。
ソーントンと同じパワーピッチャーです。

球速があると失投が結果に繋がりにくいので、
自信を持って投げればそうは打たれないものです。
ちなみに勝負度胸満点のブルーニーという投手は、
同じパワーピッチャーですが防御率1.77。
三振率は9.0に近い数字です。

ともともさんからそんなエピソードを聞くたびに、
ギーエンの評価は高まるばかりです。




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