Wednesday, November 22, 2006

UNIQLO Soho New York

先週の日曜日、特に目的もなくソーホーへ買い物に出かけた。
AdidasCrate and BarrelClub MonacoUNIQLOLevi's

サンクスギビングを間近に控えているせいもあってどこも混雑していたが、その中でも一際混雑していたのが帰り際に立ち寄ったユニクロ。このユニクロは去年の冬に仮店舗の形でニューヨークに進出、それから1年を経て先日グランドオープンしたばかり。


(C)Copyright Invisible KMFIS

友人の話などを総合すると日本人のユニクロ離れは進んでいるようで、すでに飽きられてしまっているという印象がある。一般的にはフリース以来ヒット商品を出していないことが理由になっているようだが、個人的には日本人の国民性が大きく関与しているように思う。

日本人というのは新し物好きであり流行に左右されやすい。右ならえ主義でありながらメインストリームであってもいけない。個人で奇抜なことをする勇気はないが、ある一定の仲間や後押しがあれば当然のように続く。

つまり対象そのものよりも、その位置関係やそれを受け入れていることに対しての居心地に価値観を見出しているのである。流行に使い捨て的な側面があるのは否定できないが、本質とは無関係に中途半端な距離感を好む感覚は日本人特有と言える。

この場合で言えば一度メインストリームになってしまったユニクロはすでに過去のもの、その存在自体に居心地の悪さを感じるのだと思う。

日本ではそのブランドイメージから頭打ち、イギリスでは失敗に終わったユニクロの次なるターゲットはニューヨーク。アメリカでは5店舗目、世界中のフラッグシップストアになることからターゲットと言うより満を持しての進出と言うべきかも知れない。

フラッグシップストアと言うだけあってユニクロ史上最大の店舗、地価の高いソーホーにオープンとその意気込みは十分感じられる。店内で配布されていたフリーマガジンUNIQLO PAPER(B4、約100ページ)の出来もなかなかで、ウェブサイトも面白い。

同程度の価格帯であるH&MOld Navyなどに比べると品質もよく、新鮮さや戦略面でのアドバンテージも考慮すればある程度の将来性は見込める。客層に日本人率がそれほど高くないのも好材料だろう。

ただ最大の目玉とされている日本のアーティストとのコラボレートTシャツは、ぱっと見たところレベルが低かった。Japanese Pop Culture Projectとはたいそうなネーミングだが、極論すればニューヨークの土産物屋のパロディTシャツの方がずっとマシ。ありきたりのアイディアである以上、クオリティが伴っていないのは致命的なのである。

余計なお世話だが、低価格維持の副産物である種類の少なさをどう克服するかが今後の課題になると思う。またTokyoやJapanといったキーワードにいつまでしがみつくのかも興味があるところ。

ヤンキースの松井が今ではただのHideki Matsuiなのは、ニューヨーカーがその中身を認め受け入れた結果。以前その松井が練習について次のようなコメントをしていたが、ユニクロにも同じことが当てはまるはずだ。

「意識しなくなって初めて身についたと言える」

写真は前述のUNIQLO PAPERに載っていたソニックユースのキム・ゴードン。実はこれがこの記事を書くきっかけになった。ソニックユースはあまり有名なバンドではないので知らない人も多いと思うが、個人的にはかなり好きなバンドの一つ。エッジの効いたロックが好きなら是非聴いてみて欲しい。

追記:この記事を書いた時点ではウェブサイト上で店内の様子が閉店までの時刻と共にリアルタイムでストリーミングされていた。斬新とまではいかないまでもなかなか面白いアイディアだと思ったが、残念ながら現在は平凡なものに落ち着いている。

No comments:




  Archive: