Friday, October 06, 2006

ALDS 2006 vs DET G-2 L3-4

Yanks settle for one at home

中軸が大ブレーキ、守りのミスもあり逆転負け。

0-1と1点ビハインドの2回無死1.2塁、打者は9番カノー。結果はサードゴロ、続くデーモンとジーターも凡退しこの回無得点で攻撃終了。

まだ回は浅く差も1点。カノーはバントが上手くなくその打率(レギュラーシーズン.342)を考えても打たせたのは間違いとは言えない。ただし打たせることが大量得点に繋がりやすいかと言えば実はそうとも言えないのである。

例えばシングルヒットが出たとして2塁ランナーが生還すれば1得点で無死1.2塁、そうでなければ無死満塁になる。いずれのケースも併殺というリスクを残したままなので、期待値としてはそのイメージほど高くはない。もちろん長打が出ればその限りではないが、それを基準に考えて野球をやれば確実に負ける。念のため言っておくと1得点した後にバントさせるような緻密な監督なら話は別。

また無死1.2塁というのは進塁すれば2.3塁と好機、併殺なら2死3塁と次の打者次第で表裏一体の側面を持つ唯一の状況である。つまり打たせることは打者の能力を無視すれば丁半博打のようなもので、あまりいい作戦とは言えない。

さらに言えば前日も触れたがアドバンテージの問題もある。それについてはそちらを読んでもらうとして面白いデータを紹介する。ポストシーズンが対象だが先取点をあげたチームは126勝70敗(.643)と非常に高い勝率なのである。ヤンキースの今季の勝率.599と比較すると分かりやすい。

もちろん先取点をあげるというのは失点せず得点することに他ならず、言い換えれば投打のバランスが取れた強いチームなので当然と言えば当然。ただそれを考慮してもアドバンテージを取った有利さは少なからず関係しているはずである。

前置きが長くなって申し訳ないが、結果論ではなくリーグ屈指のタイガース投手陣を加味すればここはバントをするべきだったと思う。結局これがこの日のヤンキースにとって唯一の好機だった。何度も言っているが、先が分からない以上取れる時に取らないとこうなってしまうわけだ。

3-1と2点リードの5回無死2塁、ムシーナのワイルドピッチでランナーは3塁へ。1死後グランダーソンにセンターへ犠牲フライを許し3-2と1点差に詰め寄られる。3-3と同点の7回無死1塁、パスボールと送りバントで1死3塁のピンチに代わる。ここで再びグランダーソンに3ベースを打たれ、結局これが決勝点となってしまう。

いずれも守備の乱れが得点に繋がってしまったのだが問題なのはポサダ。ワイルドピッチはショートバウンドではあったが捕球が難しい球ではなく、止めていれば無失点だった可能性が高い。パスボールはもちろん論外。おまけに9回無死1塁でど真ん中を見逃しの三振とまったく精彩がなかった。

普段から捕球力に問題があり、怠慢なせいかランナーがいても必死で止める姿勢があまり見られない。打撃力が高いのでバランスは取れているかも知れないが、最も重要なポジションである捕手の役割を犠牲にするチーム作りにはどうも賛成できない。こういう野球をやるチームに真の強さなどあるわけないのである。

この日の松井は前日と打って変わって3安打。ただ4度の打席で3度が先頭打者といずれもランナーがいない場面。逆に3番から6番はたったの1安打と実に巡り合わせが悪い。

初戦の采配ミスで連投できないリベラを登板させたため2戦目はリベラなしで戦わざるを得ない状況だった。ところが恵みの雨で試合は延期。ヤンキースにツキがあると思っていたが、これを見るとそうでもなさそうだ。

追記:決勝打となった3ベースは高めの吊り球が甘く入ったもの。ここは外野フライでも得点されてしまうケースで高目と外角は禁物。三振を取りにいったのだろうがカウントは2-0、他に選択肢はあったはずで明らかに軽率なリードである。

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