September14,06 vs TB W7-4
Magic number down to six
松井のHRもあり逆転勝ち、このシリーズをスイープして6連勝。
全得点が2死からとチーム状態を象徴するような結果となった。
待望のHRでカーテンコールに応えた松井:
前日ノーヒットだったのにもかかわらず、初打席を前に大声援を受ける。これに対しYESの解説者ジム・カートが次のようなコメントをしていた。
「毎打席声援を受けるなんてまるでバーニーのようだ」
復帰間もないのでその余波なのは分かっているが、ファンとしては素直に嬉しい。ちなみにこのジム・カート、松井がひいきの選手らしくHidekiと呼ぶことが多い。さて前置きはこれぐらいにして、実際の打席を振り返ってみる。
フルカウントからの9球目、甘く入ったやや内角よりのチェンジアップを強振。打球はライトアッパーデッキをライナーで直撃する。フォーム改造の成果とも言えるHRで、先日触れたように復帰初戦に見せたファールとほぼ同じ弾道だった。
また打席でのアプローチも見どころ十分。3球続けてストレート、カウント2-1と簡単に追い込まれてしまうがここからがペイシェントヒッター松井の真骨頂。その後4球続いたチェンジアップを際どい2球はファールで逃れボール球はきちんと見送る。結果的に甘いチェンジアップを誘発したことがHRに繋がったのである。
僕にはパワーがないから:
これは逆方向に強い打球が飛ばないことに対して松井がよく口にする言葉である。松井には逆方向に打つ時合わせようとする癖がある。これは意識的に外野フライを打つ場合は有効なのだが、合わせようとせず引っ張る時と同じように振り切れば確実に飛距離は増すと思う。パワーは現状で十分、超一流の域まではもう少し。順調ならその日が来るのはそう遠くないだろう。
連夜のヒーローカノー;
このところ活躍が目立つカノーだが、勝負強さが最初からあったわけではない。データを例にあげるとカノーの満塁での打率は2割そこそこ、生涯打率は.316。満塁での打率は投手が圧倒的に不利なため自身の打率より高いのが一般的。つまりこの数字の差異が示す通り、本来は勝負強い打者ではなかったのである。
ところが経験が自信になるとはこのこと、その成長ぶりは赤ん坊のそれに等しい。この日も2死から効果的なタイムリーを2本放っており、今やクラッチヒッターと呼んでもいいぐらいである。またどのコース、どのタイミングでもほとんど同じスイングで振り切るように打者としてもすでに完成の域に近い。こういう選手というのは放っておけば自然とパワーがつくもので、末恐ろしい打者になる可能性は十分だ。
たまたま当時のセカンドウォーマックが不調でメジャー昇格のチャンスを得たが、それがなければ見殺しだった可能性もある。首脳陣の体たらくには驚くばかり。
素晴らしいピッチングの2番手ラズナー:
そもそもラズナーが中継ぎ、カーステンズが先発というのは大いに疑問である。全ての面においてラズナーの方が上なのは明らかで、少し野球が分かる人なら誰もが気づくこと。使ってみなければその実力が見抜けないのなら、野球など辞めてしまえと言いたくなる。
起用の理由は先発としての登板数だと思うが、そんなものがアテになるのなら監督など必要ない。(カーステンズ3、ラズナー1)次のように実際この日はどちらが先発か分からないほどの対照的な結果。カーステンズ(5回6安打4失点) ラズナー(4回1安打無失点)
さてそのラズナー、許したヒットは外角に外れるボール球を打たれた1本のみとほぼ完璧な内容。特に変化球のコマンドは抜群で、そのため決して速いとは言えないストレートがウイニングショットとして機能したのが大きかった。
前回の登板時このラズナーに先発5番手を任せられると書いたが、このピッチングを見せられた今となっては4番手のライドルの位置でさえ可能だと思う。ライドルが信用を回復しない限り、結果優先主義のトーリなら少なくとも5番手の起用は十分にある。問題はその決断力があるかどうかだろう。
完全復調の主砲Aロッド:
何度も取り上げているが打席のアプローチ、打球方向を見る限り完全に復調したと言っていい。またこの日も2死からタイムリーを打っているようにメンタル面でも充実してるように思う。この時期の復調は好材料中の好材料で、これを維持できればプレーオフの展望も明るい。ただしメンタル面自体が根本的に矯正されたわけではないので、楽観視できないのが何とも辛いところではある。
同点2点タイムリー2ベース(5回2死1.2塁、2-4)、勝ち越しのタイムリー2ベース(7回2死1.3塁、4-4)とまさにヒーローのカノーが文句なくMVP。他では同点の6回から登板し1安打無失点で最後まで投げきったラズナー、復帰後初となるHRを打ち2得点の松井、貴重な追加点となる2点タイムリーヒット(7回2死2.3塁、5-4)のAロッドと反撃のきっかけとなるタイムリーヒット(5回2死1.2塁、1-4)、守備でも魅せた2安打のジーターにポイント。
MVP Points Today/R Cano4 D Rasner3
H Matsui1 A Rodriguez1 D Jeter1
MVP Points Total/C Wang34 D Jeter34 R Cano29 J Damon26
A Rodriguez26 B Abreu25 M Cabrera23 J Giambi21 J Posada18
M Rivera17 B Williams16 R Johnson15 M Cairo12 M Mussina11
C Lidle10 J Wright10 K Farnsworth9 S Proctor7 D Rasner7 A Guiel6
B Bruney5 R Villone5 C Wilson5 N Green3 A Phillips3 B Crosby2
J Karstens2 S Fasano2 H Matsui2 S Ponson1 K Wilson1 M Myers1
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