Thursday, February 08, 2007

Threesome

3人の野球解説関係者

日本にはいなかった松井秀喜の代役

ずいぶんと時間が経ってしまったが、この記事を読んだ時には正直愕然とした。愕然と言うより呆れ果てたと言った方が正確かも知れない。呆れたのは記事中のミルキー・カブレラ(Melky Cabrera)、アーロン・グイエル(Aaron Guiel)という表記。

そもそも選手名を正確にカタカナで表記することは不可能、それ自体あくまで便宜的なものでしかない。ただしそれでも名前である以上より近い表記をするべきで、肩書き通りの職業ならなおさらのこと。実際の発音から考えてメルキー、ガエルと表記するのが適切。ミルキーは分からなくもないが、さすがにローマ字読みのグイエルはありえない。

この記事を書いたのは出村義和という人で、プロフィールによれば英語は堪能に見える。にもかかわらずグイエルと表記したのは何故か。理由はたった1つしかない。ガエルを知らないか、ガエルの出た試合を観たことがないのである。

去年の春、日本語による野球中継を観る機会があった。確かヤンキースの開幕第2戦で、解説は元プロ野球選手の武田一浩。以下は試合前のアナウンサーとのやりとり。

「前季同様ヤンキースは中継ぎ人に不安がありますね」
「そうですね」
「セットアッパーも(前季同様)不安ですが、誰がやるんでしょう」
「んー、マイヤーズがやるのかビローンがやるのか...」
「ファーンズワースがやるのか、プロクター...」

中継ぎ陣に不安があったのは事実。ただし前季までのセットアッパーはゴードンで、不安どころか十分過ぎる成績を残している。またゴードンに代わるセットアッパーとしてファーンズワースを獲得したのも、ヤンキースファンなら誰もが知っていることである。

最後は親しい友人から聞いた話。数年前のヤンキース戦で、江川卓が解説していた時のこと。ジーターが外角低めの球を見送ると、解説の江川はこう言ったそうだ。

「前のめりになってますね、調子が悪いんでしょうか」

10年近くジーターを見ているが、これ以外の見逃し方を見た記憶がない。つまり調子が悪いも何も、ごく普通のことなのである。これもヤンキースファンなら誰もが知っている。

専門家だからと言って知識不足を責める気はない。問題なのは仕事に取り組む姿勢で、知らないなら予習ぐらいするべきだろう。そういう姿勢がこの3人には欠けている。仕事以前の問題で、最低としか形容のしようがない。使う方も使う方だが、まったくレベルの低さだけは一人前である。

関係ないがタイトルのThreesomeはグーグルのツールでは翻訳できなかった。意図的だとは思うが、一応3人組という意味もあるのでそう表示すればいいような気もする。一般的な意味を知らない人は、検索すれば一発で分かるはずだ。

追記:出村義和の著書に「英語で聞いてみるかベースボール」というのがあるらしい。聞くべきなのは著者自身、実に滑稽である。

2 comments:

Anonymous said...

こんにちはー
野球の解説者ってほんとアテになんないです。
まだ証券アナリストの方が的を射ること言いますよ。
私なんて知識がないので知識のある人の話をよく聞こうとするんですが、野球をよく知ってるって自負してる人の話ほどアテにならないものはないです。
普通に試合観てる人たちの方が選手達のことよく知ってると思います。

KMFIS said...

コメントありがとうございます。

前にも同じ趣旨の記事を書いたことがありますが、
野球経験者が多数を占める現状に問題があります。
アナリストは文字通り分析が仕事なので、
理論の土台がある分だけアテになりそうです。

野球を知ることと野球の知識が豊富なのは別です。
野球がどんなゲームなのか把握できれば、
解説や監督など誰にでもできると思います。

僕も偉そうに書いているので耳が痛いですが、
今回書いた姿勢の問題は放置できません。
世の中こんなもの、と割り切れればいいんですが。




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